Thoughts

February 2008

シンドラーのリスト

                            クラクフの聖マリア教会
Krakow%20Church%20resize.jpg先日テレビで映画「シンドラーのリスト」をやっていた。ずっと観たいと思っていた映画だったが、なかなか3時間という長い時間を取るチャンスがなく今に至ってしまった。
 昨年の夏、アウシュヴィッツに行くのが目的でクラクフというポーランドの一番近い街に行きました。ついこの間歩いた町並みやミサに与った教会、シナゴーグが集中してるユダヤ人地区、そして強制収容所が映画にそのまま映っていたので、とても複雑な思いでした。

仲間

オーストラリアに住んでいる友人のTから電話。彼は最も尊敬している音楽家の一人です。コツコツ型の私とは正反対の天才肌ピアニスト。しかし、才能に頼るだけでなく音楽に掛ける努力も凄い。本当に音楽をするために生まれて来たような人のような気がします。Tも今とても大きなリサイタルプログラムの準備に入っているので、その練習の話になった。大きな曲に挑む時はとにかく、気合いと気力をその曲のレベルにまで自分を持っていく事自体が相当大変。とても有意義だが、とても孤独な作業でもあるのでそれを分かち合える仲間がいるというのは本当に救いです。Tが必ずいう最後の言葉が『お互いに頑張ろうね』。こういう友人は何にも代え難い大切な存在です。本当に感謝。

ロシア

%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%A9_resize_resize.jpgロシアに旅行に行っていた父がお土産にイクラの瓶詰めを持って来てくれたので、それにかこつけて普段は20分で作る夕食もいつもより少し手の込んだお料理に。今、キャビアはロシア国外からは持ち出し禁止らしくイクラになった次第。(ちょっと残念!)roll%20cabage_resize_resize.jpgキャビアが良く乗っている小さなパンケーキ(ブリーニ)のレシピがなかったので、ホットケーキミックスで作り、その上にイクラ、サワークリーム、刻んだ紫タマネギ、そして切ったレモンとディル(ハーブ)を乗せて食べました。本当はこれに合わせてボルシチを作りたかったが、あまりに大変なのでロールキャベツに。(なぜか、ロシア,東欧はキャベツのイメージがあるのだが...。気のせい?)これも美味しく出来たので大満足。ちょっとしたお土産でお料理のやる気が俄然出てきます(笑)。

偉大なる芸術家

Tchaikovsky%20Trio_resize.jpg4月にコンサートする事が決まり、チャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出に」というピアノ・トリオの曲を練習している。50分近い長い曲で楽譜にすると90ページ近くになる。ニコライ・ルービンシュタインという音楽家の死を偲んで書いた曲なのだが、チャイコフスキーのルーピンシュタインに対するとてつもない尊敬と亡くなってしまった無念さがひしひしと伝わってくる。
 あの広大なロシアで偉大なチャイコフスキーが偉大と思っている芸術家に思いを寄せて作られた曲は時間的にも長大なのだが,とにかく音楽的なスケールが大きい。普通は練習して、曲を手中に収めていくうちに曲が短く感じられていくのだが、この曲は弾き込めば弾く程、曲が広がっていってしまい、改めてその壮大さを知らしめられる。日本に住んでいる普通の人間があのスケールまで自分を持っていくのは至難の業。
 おまけにテクニック的にも相当難しく、常に自分の能力の100%以上を要求されているような気がします。練習しながらいつもハリソン・フォード主演の「逃亡者」という映画を思いだしてしまう。次から次へとH.フォードに災難が降り掛かっていたように、これでもかという難関が次から次へと待ち受けているのです(笑)。

ボケ

%E3%83%9B%E3%82%99%E3%82%B1_resize.jpgボケの花が売っていた。なんで「ボケ」なんて名前付けちゃったんだろうと、思ってしまうが確か何か理由があったような気がする。それにしても、この花はこのネーミングで相当損しているように思う。ネーミングからいったら「たんぽぽ」なんて凄く得していると思う。花自体はそんなに特別じゃないのに、なんとなく名前を聞いただけで、ほのぼのとした気持ちになる。そんな事を考えていたら、確かシェークスピアが「薔薇は薔薇という名前がついていなくても香しい」というような事を詩の中で(ロミオとジュリエットだったような気もする...)云っていたのを思いだした。
 それでも、やはり「ボケ」は名前だけで何となく親しみが湧かない...。ちょっとかわいそう...。

誕生日

Hsan.jpg今日はファゴットのHさんのお誕生日会。家の近くに「七賢人」という、とっても美味しい創作中華のお店があり、そこで口笛奏者のUさんと3人でのお祝い。ここはリハーサルが長引く時に良く通っていたお店でHさんともUさんとも何回か一緒に行っています。
 最後に「七賢人」に行ったのは11月。その時は私のお誕生日会でした。メンバーもこの3人。8月がお誕生日だが3ヶ月遅れでもお祝いしてもらえると嬉しいものです(笑)。(その時に作って下さった,黒酢豚が忘れられません!豚のひき肉の中にライチが詰めてあり、さらにその中にはブルーベリーが!そして、それが黒酢で和えてありました。あれを酢豚とよんでは失礼な気さえします。とっても高貴な味がしました。今日もそれをぜひ食べたかったのだが、今日は今日で全く違うメニューになっていました。いつも新しいお料理に挑戦していらして、素晴らしい!黒酢豚が食べられなかったのは残念だったが...。)
 

心の一致

Feb%2021%20%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%88%E3%83%B3_resize.jpgMちゃんのコンサートを聴きに。前回も超絶技巧を駆使した曲を並べていて、すごいと思っていたが、今回はさらにそれに加えて40分のドヴォルザークのピアノ五重奏曲を含めた休憩なしの一時間プログラム。本当に凄すぎます(笑)!

コンサートは6:30から。ビジネスビル内にあるホールなので、仕事帰りの人を狙ったコンサートでしたが、ホールはほぼ満席。限られた人だけでなく、クラシックを身近に感じてもらおう、というプロジェクトが色々とあるのは本当に嬉しい事です。

大人の落ち着いた聴衆だったので、Mちゃんの演奏もじっくりと聴かせるものとなっていました。同じ曲でも観客から受ける空気で音楽も本当に変わってきます。特にサン・サーンス/ゴドフスキー編の「白鳥」がとても良かった。聴衆もどんどんと入って行けるように、ゆったりとした演奏でした。「ラ・カンパネラ」は用心深そうに弾き出していたが、段々と自由になって最後は私が聴いてきた誰の演奏よりも速いテンポで勢いに乗り切っていた。この難曲2曲が既に自分のものになりつつある所が凄い!

 後半の五重奏は色々と考えさせられました。心をどこまで許し合って信頼し合えるかが勝負所となるので、5人で一つの音楽を作るというのはなかなかに難しい。人と人との心の一致は音楽上でも本当に稀です。

音楽事典

New%20grove_resize.jpg今日は調べものをするために芸大の図書館へ。英語でしか分からなかった曲名の日本語名を調べるためだったが、ニュー・グローブの音楽事典に知りたいものは全て載っていました。大分前にイギリスでヘンリー・パーセル(イギリス人のバロック時代の作曲家)の曲ばかりのコンサートをした事があり、そのプログラムをウェブサイトのコンサートページに載せたかったのだが、インターネットで調べても限界があり困っていた。しかし、この事典にはパーセルの700曲を越える歌曲の英語名が全て訳されていました。おまけにとても調べやすいように整理されていて、探していた4曲を10分の間にあっという間に見付けられました。このニュー・グローブ事典は本当に凄い。そして、これをまた全部和訳してくれた人達がいたというのも凄い!大感謝!

目力

                           レッスンからの帰り道
Feb%2020%20_resize.jpg今日、「ねむの木学園」の創立者の宮城まりこさんのドキュメンタリー番組をやっていた。色々と感動する事があったが、その中でも福祉の勉強のために留学していた時に衝撃を受けた一つの話に特に共感した。
 それは、夜中に障害をもった子供が寝付けず、看護士が話掛けにいって落ち付かせたのだが、部屋から出て行く時に目をずーっと見ながら後ずさりして扉を閉めたというのです。これは、子供に「ずっと守っているよ」という安心感を与えているんだ、と宮城さんは云っておられたが本当に「目」の力というのは凄いと思う。

ゾーン

|

NHKでやっている爆笑問題の「日本の教養」。本当に毎回面白くて,真剣に見入ってしまいます。今日はスポーツ心理学の第一人者との対談。音楽はスポーツと共通するところが多く、ロンドンにいた時から、色々な人からスポーツトレーニングに関する本等を薦められて読んだり、コンサートに向かう精神的な準備を試合やレースに置き換えて考えさせられたりしているので,今日の番組は本当に共感する所が多かった。
 

冬の効果

Feb18%20Piano_resize.jpg毎日寒い日が続いていて,寒さが苦手な私としては本当に春が待ち遠しい。
しかし、この冬の寒さと乾燥にはひとつメリットがあります。

ピアノの置いてある部屋は夜の間冷えきってしまうので、練習を始める20〜30分前から暖房を付けて置きますが、今の時期,最初に音を出した時に毎日驚くのが音の「鳴り」の良さです。本当に「カーン」と鐘を鳴らしたようにスカッとした音が出ます。部屋は暖まっていても、楽器はまだ暖まっていないので、鍵盤の隙間から冷たい空気が出て来るのが手に感じられます。ピアノがまだ冷たい状態の音はやはりキーンと張りつめているような感じです。空気の乾燥状態だけではなく、気温は大きく音に関係しているように思う。
 
 

ピュアな心

%E6%97%A9%E5%B8%8C%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93_resize.jpg今日は久しぶりに日曜日の教会のミサに。先週まで日曜日に用事が入る事が多く,土曜日の午後に行く事が続いていたが、やはり日曜日の朝に行くとまた違った気持ちになります。そして、今日はSちゃんと一緒。ミサは8時からなので、20分くらい前に待ち合わせて、少しおしゃべりしてから、一緒にミサに与ります。Sちゃんはとにかく心がとってもピュアで一緒に話していると自分さえもが浄化される気がします。そして、言葉や気持ちがとてもダイレクトなので、良くはっとさせられたり、笑わせてくれたりします。

スター選手

collins.jpg以前のブログにも登場したC家。お子さんが二人ともピアノのレッスンに来ているだけでなく、同じ教会に行っているので週に3~4度会うこともあります。鎌倉では一番一緒に過ごしている時間が多く、心の中の大きな位置を占めています。
 E君はバスケに夢中。私も今は引退してしまったバスケのスター選手、マイケル・ジョーダンが大好きで、E君が風邪ひいた時にマイケル・ジョーダンのビデオをお貸ししたのがきっかけで、それ以来E君にNBAの最新情報を教えてもらっています。

そんなE君が今日はリーグ戦の3位決定戦があるということで、「もし勝てば一緒にお祝いに焼肉を食べに行きましょう!」、と誘ってくださいました。本当は試合も見に行きたかったが、どうしてもこなさなくてはいけない練習があり、「勝ちますように!」とお祈りしながら、報告の電話を待っていました。(負けた場合はなし、という事だったので...。)

午後中は久しぶりに集中した練習。そして、6:30に電話があり、「勝ちました!!!」の嬉しいご報告。練習も十分できたので、私も充実した気持ちで焼肉やさんへ。

バレンタインデー

今日はバレンタインデー。日本では完全に「チョコレートをあげるイベント日」になってしまっていますね。女性から一方的、しかもチョコレート限定というのがよく分かりません(笑)。おまけに義理チョコなんていったら問題外。心のこもっていないものをあげるなんて逆に失礼な気がするのは私だけなのかな~...。クリスマスもコマーシャリズムに乗りまくっているが、まだ「心」があるような気がします。

インターネット接続

昨晩インターネット電話でアメリカの小学校の時の先生と話中に突然接続が切断され、そのまま回復しなくなってしまいました。今日も色々といじってみたが全然回復しないどころか、変にいじってしまって余計に繋がらなくなってしまっているような気が...。
 しばらくはブログも不定期になりそう。どんなに出先から帰ってくるのが遅くなっても書いていたブログだっただけに、機械のせいで中断されたのは、ちょっと悔しい。

 %E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%8A_resize.jpg昨晩からインターネットと繋がらなくなっただけで、世界から切断されているような疎外感を感じている(笑)。こんなにインターネットに精神的に頼っていたとは!自分にとってはこれはもう心のライフラインになっちゃっています。依存症にならないように気をつけなくては。

 ちなみに、今これは近所の「Bowls (ボウルズ)」という洒落たどんぶり屋さんで書いてます。(インターネットスペースがあるので。)最近できたお店だが、ジャズが流れていて、夜も鎌倉では珍しく12:00までやっている上に食事も美味しいというとってもお勧めのお店。 おまけがついていて、どんぶりの底に「アタリ」の文字があると少しお勘定を安くしてくれます。今日、アタリました(笑)。 (実はこのお店に来るのは2回目だが前回も当たりました!くじ運がとてつもなく悪い私ですが、このお店の中でだけはいいのかな...。)

暗と闇

雪が降るはずだったのに見事に予報がはずれ、今日は青空が広がるよい天気に。洗濯物を干しながら昨日観た映画『Ray』の事を考えていた。とっても印象に残っている場面が二つあるが、一つはレイがその後結婚する相手と一緒に食事をしているシーン。レストランで楽しげにみなが食事している中で、全盲のレイが窓の外にいるハチドリの羽音を、恋人に耳を澄ませて聴かせるという場面。
 
 私はそこまで敏感ではないが、時々散歩している時や,新しい場所に行った時に自分のまわりにいくつくらい音があるかを本当に聞き耳を立てて探したりします。本格的に「聴く」という事に集中すると、自分の周りに幾重にも音が色々とある事に驚きます。バスを待っている時等、退屈した時にすると結構楽しい暇つぶしになります。 (これを、「視覚」でも試してみた事があったが、歩いている時にあまりに視覚に集中すると歩く際の身体の上下の揺れにまで敏感になるので、ちょっと気分が悪くなります...。これはあまりお薦めではありません(笑)

Ray

今日はテレビでレイ・チャールズの伝記映画『レイ』をやっていた。これは、以前飛行機の中で見始めたはいいが、映画が終わる前に目的地に着いてしまい最後まで観れなかったので、いつか全部観なくては、と思っていた(笑)。
 アフリカ系アメリカ人の全盲のミュージシャンの生涯は本当に壮絶。たった、50〜60年程前の話だがアメリカで人種差別がまだまだ顕著に残っていた時代の中で威厳を持って自分の音楽を信じて生きていく様が凄い。(たった半世紀でアフリカ系の大統領候補になり得る人物が今熱戦を繰り広げている事実も凄い!)

C家

collins%20chocolate_resize.jpg今日はE君のレッスン日。E君の家族とはもう7年以上のお付き合い。鎌倉での生活を本当に豊かなものにして下さっています。とっても素敵な家族で、いつも一緒でとっても楽しそう。そして、私にもその楽しさを分けて下さっています。心が澄み切っているE君は笑顔を見ているだけで癒されます。                           


         
          先週頂いたお土産のチョコレート→
             どれもかわいいパッケージ!

メール

ブログを書く習慣がついて来ているので、だんだん夜遅くなってくると、「今日は何を書こう」というのが大体決まってくる。今日も決めていたが、コンピューターを立ち上げて、メールをチエックした時点で予定変更。
 実は4月にコンサートをする話が大分前から出ているが、なかなか決まらず、それによって自分も動きが取れない状態だったので、方向性のない日々が続いてなんとなくダウンだった。今日は身体も疲れていたせいで、精神的に下降の一途を辿ってしまっている感があったが、さっきメールを読んで一気に自信回復した。

心は満たされて

Feb%206%20flowers_resize.jpg2月6日は祖父の命日。今日はお花を持ってお墓参りに。祖父は私にとってはとても優しいおじいちゃんだったが、母の話によると若い頃はとても厳しかったそう。粋で博識で、いつも書斎で勉強していた後ろ姿が記憶に残っているが、メリー・ポピンズやテレビのルパン三世なども好きで、小さい頃は良く一緒に遊んでくれてとても楽しかったのを覚えている。
 開業医をしていたので、自宅の扉をいつも開け放っていて、気軽に立ち寄る事が多かった。亡くなる日の前日もそんな感じで立ち寄り、その日は急に一緒に夕食も食べる事にして、そして珍しく祖父が寝付く直前の夜遅くまで一緒に話をしました。その時にダンテの「神曲」の話をしてくれたのを今でも覚えている。
 翌日に入院するはずだったので、私が帰る前に「明日の朝、病院に行く前にフレンチ・トーストが食べたいから、作って置いて」といわれ、帰る間際に卵とミルクと砂糖を混ぜて、パンを浸しておいた。「では、また明日の朝ね」と云って別れたが、外に出たらとても綺麗な月が出ていて、月を見ながらの帰り道「もう、これで最後かもしれない」となんとなく感じていた。寂しいという気持ちよりも(長寿であったのもあるし)、祖父との今まで一緒に過ごした充実した時間と関係を思うと、とても幸せな気持ちで心が満たされていた。本当にたくさんの心の財産を祖父から頂いた事に感謝している。

すす払い

今日の爆笑問題の「日本の教養」は憲法学がテーマ。色々と思う所もあったが,先週書き損なった『美学』を研究している教授との対談の方が印象に残っている。いつも番組の最後に予告編をやるのでこの『美学』についてどのように追求しているのかとても楽しみにしていたが、あまり新しい発見がなくて、かなりがっかりした。
 人が何を美しく感じて、そしてなぜそう感じるのか。美しく感じるというのがどういう感情なのか不思議です。黄金率や音楽の上でも美しく感じるものが追求されているが、では、なぜそれが美しく見えたり,聴こえたりするのかというのをぜひ知りたい。
 常日頃音楽の美しさを伝えたいという思いで練習するわけだけど、その根本にある感情が何なのか分かればもっと人が感動出来る音楽が作れると思うのだが...。おまけに「美しい」というのは、「綺麗」とは異なるもので汚いものでも美しくなり得る所が誤解を生みやすい。一番分かりやすいのが、例えば「怒りや憎しみ」という感情も音楽で表せば美しく感じる事が出来る時もある。分かりにくいものの例えで云えば、イギリスで見たテレビ番組で紹介していた、人が嘔吐しているだけのビデオ映像をアートとして表現していたもの。その展示を見た人が、「まさか吐いている人間が美しく感じれるとは思わなかった!」と云っていたが、実際に映像を見ると確かに私も美しいと感じた。

バッハ

 BACH_resize.jpgバッハを練習していると,こんなにもこの人の心の奥深くまで入って行ってしまっていいのだろうかと思う時がある。信仰心から来ているバッハの音楽は神様に向けらているもので、常に希望と喜びに溢れているが、内省的な曲では本当に無防備に魂の全てをさらけ出していて、弾いているこちらの方が土足で上がり込んでいる気がして申し訳ない気持ちになったりします。
 長い間、バッハが公の場で弾かれなかったというのも何となく理解出来ます。というのも、人に聞かせる音楽というよりも、神様に聞かせる音楽のような気がするからです。本当に一切の媚びも虚栄もない、まさしく「祈り」そのものです。バッハの音楽を弾く時は本当に自分自身、謙遜な態度で向かわなくては全然見当違いの音楽になってしまいます。純粋な信仰心と天才が合わさったバッハの音楽は本当に美しい。

%E5%85%AB%E5%B9%A1%E6%A7%98%E3%80%80%E9%9B%AA.jpg今日は予定が入っていたが、まだ寝ている朝早くに電話があり「雪が深いから来週に延期」という内容。電話を切って外を見たら、一面真っ白!一瞬で目が覚めました。
 昨日、父に北鎌倉まで散歩した話をしたら,「よくこんな寒いのに北鎌倉まで歩いて来たね。」と云われたが,まさか雪が降る程の寒さとは思わなかった。
 雪景色も大好きだが,雪が降り積もっている時の独特の静けさが好きです。「雪が音を吸収しているんだよね」と教えられた事があり、「なるほど!」と思ったが、空から音もなくゆっくりと降ってくる雪がさらにその「音の無さ」を強調しているように思う。

蝋梅(ろうばい)

%E8%9D%8B%E6%A2%85resize.jpg今朝はHちゃんとMちゃんのレッスン。Mちゃんはいつもおばあちゃまと一緒にお稽古にいらっしゃいます。先週帰り際におばあちゃまが『これからMちゃんを連れて、俳句の会で東慶寺に行くんですよ』と云っていらしたので、今日『いかがでしたか』とお訊きしたら『蝋梅(ろうばい)がきれいに咲いていて、とても良かったです。香りが凄いんですよ。』と仰っていた。                  
 蝋梅はいつかちゃんと見てみたいと思っていたので、ひとしきり練習してから散歩に。家の近くの鶴ガ岡八幡宮を通って、北鎌倉へと向かいました。

海老原みほ公式サイト

WEBSITE_resize.jpg日本語ホームページ公開から今日で1ヶ月。このホームページ。一年近く掛けて作って頂きました。
  いつも多大なる音楽的なサポートをして下さっているKさん&Kさんがデザイナーの齋藤健太郎さんをご紹介下さったのは昨年の初め。デザインも最初はいくつも作って下さり、最終的に今のものとなりましたが、本当に細かいリクエストに想像以上に応えて下さってとても感謝しています。コンサートページはプログラム内容も全部載せて頂く事になり、時間が相当掛かって大変でしたが、今ではライブラリーにもなるので本当に嬉しく思っています。
 

entries

categories

archives