Thoughts

March 2009

出発

明日、ロンドンへ。
ここ数ヶ月、リサイタルのために相当の時間を掛けて来たが、ようやくここまで辿り着いたという感じです。何回も人に聴いてもらう場を作り、先週も最終的に全プログラムを友人・知人達に聴いてもらう事に。人前で弾く度に音楽的にしたい事が明確になり、最後のこの一週間はこれをもう固めていく練習となりました。本当に色々な人に支えられているんだな〜と実感していますが、今ではリサイタルがとっても楽しみです。良いコンサートになりますように!

気迫

野球が特に好きな訳でもないが、新聞やテレビでWBCの事が最近良く目に止まる。

14対2のコールド勝ちから一転、0対1で負けてしまった裏にある両チーム選手の心情を考えると面白い。日本が勝った翌日の練習風景が出ていたが、皆やはりハイ状態のままで、「次、どうなんだろう...?」と思っていたが...。韓国側のその負けた翌日の練習風景も見てみたかった。

それにしても、最初の試合でイチロー選手がバッターボックスに立っている正面から映した姿を見た瞬間に、「凄い!」と思ったものです。「巨人の星」の目の中の炎どころではない、体中がメラメラとオーラを放っていたように感じました。顔も全然違っていた。凄い才能があるだけでなく、自分をああいう状態まで持っていける所が素晴らしい。

余裕

金曜日に意を決して、やっと全プログラムを通し弾き。
夕方5時にスタートして、休憩15分入れて、弾き終わったのが6:45。

もちろん、まだまだ弾き込みは必要だが、疲れる事なく精神力、体力的には全然持ちそうなので、相当自信が付いた事は確か。ここ、数週間、生徒のレッスン以外は食事、睡眠、練習だけの修行僧のような生活をして来ただけにその成果が見えたのは嬉しい。やっとここに来て、心の余裕が出て来ました。必死さからやっと抜け出せたので、後は余裕のある演奏を目指すのみ。

Wonderful Tonight

生徒の一人がイギリスのグレード試験を受けるので、いくつかある選択曲の中から「Wonderful Tonight」というのを選んでいた。よく楽譜を見たら、エリック・クラップトンの曲でびっくり。このグレード試験はクラシック曲1曲、ロマン派一曲、そして近現代から一曲選ぶのだが、その近現代にE.クラプトンが入っていた。さすが、イギリス...(笑)。

この「Wonderful Tonight」は私も大好きな曲だが、生徒に「エリック・クラプトンって知ってる?」と訊いたら名前さえも聞いた事がなかったそう。ジェネレーション・ギャップに相当ショックを受けながらも、「ちょうど、私のIPodに入っているかも」とかばんの中からIpodを取り出して、二人で一緒に聞きました。久しぶりに聴き直すと「いい曲!」と再確認。生徒も気に入っていました。

そんな訳で、帰りの電車の中で、久しぶりにエリック・クラプトンのベスト・アルバムを聴き直した。好きな曲はいっぱいあるが、その中でも「River of Tears」を聴きながら、思いは今弾いているモーツァルトへ。この「River of Tears」は何度も同じ言葉を繰り返し歌っているのだが(ロック/ポップス系は大体そうだが)、その同じ言葉は聴いていていて飽きる事もなければ、しつこいと思ったり、わざとらしいと思う事もない。その言葉の裏にある、その時々の感情や思いに嘘や偽りがないからだと思うのだが、どうにか、これを自分のモーツァルトの変奏曲で同じように表現出来ないものかと考えさせられました。心から直に出る表現の仕方がないものかと、模索しています。

スタジオ エスポワール

                              華やかなNさん
%E6%9C%9B%E3%81%95%E3%82%93_resize.jpg3月1日にスタジオ・エスポワールでコンサート。ピアノ・ソロの他に歌のリート曲を2曲。友人でもあるNさんとの共演でした。

残念ながら、冷たい雨の日曜日となってしまいましたが、35人程入るサロンにはお雛様も飾ってあって、とっても素敵な雰囲気。「春」がテーマのコンサートだけにとても華やいだ気分になりました。

プログラムは、スカルラッティ、モーツァルト、ブラームス、そして最後にショパン。間にトークを交えてのサロン・コンサートでしたが、プロとして司会もしていらっしゃるNさんにはただただ脱帽(笑)。お客様も巻き込んでのトークには横で聞いている共演者の私もすっかり引き込まれてしまいました。お客様をリラックスさせるのがとても上手で、見習いたい事がいっぱい(笑)。横で感心してしまっていました。

March%201st%20Concert%201_resize.jpg自分の演奏に関しては「まだまだまだまだ」という事が多々あって、「がっかり」してしまった所もあったが、音楽的には相当やりたい事は出来たような気がします。音楽的に守りに入らなかった事は自分に評価してあげたいところです。コンサートで弾く事によって、発見も色々とあったので、次のコンサートに向けてのワンステップと思っています。

Teatime_resize.jpg演奏の後は来て下さった方達とのティータイム。この時がとっても楽しいし、嬉しい(笑)。色々な方の感想やご意見が聞けるので、とても貴重な時間と思っています。自分の中ではやはりマイナス面ばかりが気になってしまいがちだが、聴いて下さった方からの温かな言葉を頂くと本当に励まされます。そして、それこそが次のコンサートに向けて「また頑張ろう!」という気を起こさせてくれるのです。

イギリスでのコンサートまであと4週間弱。今回のコンサートのお陰で、共演者のNさん、そして聴きに来て下さった方から頂いた勇気でまた張り切って練習に臨めます!