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April 2009

イギリス旅行記:Liz&Anne

                                Anne&Liz
Liz%26Anne_resize.jpg今回のコンサートが可能だったのは、全てLizとLizのお母様Anneのお陰。二人にはお礼の云いようがない。Lizは大親友だが、本当に心から尊敬している人の一人。人生観や信仰心では見習うものが多く、自分の至らなさにハッとさせられる事が多い。

Anneもとても情熱的な人で、とっても上品ながら、テレビのスポーツ観戦で大声を上げて応援したり、結構きわどい冗談にも大笑いしたり、と本当に楽しい。今回は道を塞いでいたトラックの運転手にキレた話をしてくれて相当笑わせてもらいました。(英語でも「キレる(切れる)」という単語を使うのを知って面白かった。)
 やはり信仰心が厚く、今回のコンサートでも教会でリハーサルをしていた時に、私のためではなく、私を産んでくれた母に感謝するためのロウソクを灯した、と聞いて本当に感動しました。信仰のレベルが全然違う...。

帰る駅のホームでお別れを云う時に、「友達のために、こんなにしてくれる人はなかなかいないよ。本当に有難う。」と云ったら、「誰だってするよ!」と云う答えが返って来た。誰だってしません(笑)。

自分の人生にこんなに人間的に素晴らしい二人がいる事を心から感謝している。自分もこういう人間になりたい...。

イギリス旅行記:完璧な一日

Lizの家と雲一つない青い空
Liz%20House_resize.jpg一日でこうも気分が違うものかと思う程に心が軽い。
日曜日の朝なので、教会の御ミサに行くために8時に起床。3時間程しか寝ていないが、コンサートの無事をさんざん神様にお願いしていたのに、お礼にいかないのは都合が良すぎるので、頑張って起きました。しかし、気分はいいので全然苦ではなかった。おまけに、外は抜けるような青空。今回の旅での初めての快晴でした。

Church%20Alter_resize.jpgLizのお母様が気を使って下さって、カトリックの修道院の教会へ連れて行って下さる事になりました。いつもは正教会に一緒に行っていたし、宗派にこだわる方ではないのだが、新しい教会に行けるのはやはり楽しみ。建物や神父様のお話等、やはりそれぞれの教会でカラーが相当違う。この日は太陽がサンサンと照っていたので、まずは教会内に入った瞬間に感激。窓から射し込んで来る光の美しさに大感動。Church%20Light%21_resize.jpg本当に天国からの光が射しているようでした。お説教はあまりピンと来なかったが、皆で歌う聖歌のメロディーが何とも美しく、またまた感動。現代の聖歌だったが、みな心に響くもので、毎週こういう聖歌を歌っているのかと思ったら、つくづく羨ましくなった。なんで、こんなに音楽のセンスがいいんだろう...?

Liz%20Lunch_resize.jpg真っ青な空の下を車で帰って来て、家に着いたのが12時過ぎ。家には既に人がわんさか(笑)。Lizがコンサートのお手伝いをして下さった方達や聴きに来てくれた友人達を招いてランチ・パーティをひらいてくれました。総勢12人。年齢もまちまちだったが、約6畳程の部屋にみんなギュウギュウ詰めになりながら、わいわいと楽しみました。以前のブログで大人数で集まる場は苦手と書いた事があったが、この場では誰と話しても向き合って一生懸命に話してくれるので、本当に心から楽しかった。全てLizの手料理のランチもとっても美味しく、心もお腹も大満足。

Walk%205_resize.jpg午後5時頃に大体の人が帰宅。残った数人で散歩に行こうという事になった。ちょうどこの日に夏時間になったので日もまだ高く、とっても気持ちがいい。いつも「変な人がいるかもしれないから、遠くへはいかないで!」と云われた散歩コースの丘を初めて越えましたが、とってもきれいでした(笑)。心が許せる人達とこんなに美しい田園風景の中を散策できて、本当に幸せ。

Cluedo_resize.jpg夜はまた暖炉の前で、LizとLizのお母様、そしてアイルランドから来てくれたRobinと4人でゆっくりと。本当に静かな素敵な時間でした。話も一段落すると、ゲームをしようか、という話になって探偵ものの「Cluedo」というボードゲームをする事に。メモ用紙が配られる程に頭を使うゲームだが、夜も遅いし、3時間しか寝ていない脳には相当厳しいものが...(笑)。結局、3回ともRobinが勝ったが、ゲームをするまではとっても穏やかそうな性格だった彼の相当負けず嫌いな面が見れたのが面白かった(笑)。

1時頃に寝る事に。皆で、「今日は本当にいい一日だった!」と云い合っていたが、Robinが「今日が終わらないで欲しい」と云う言葉に、本当に共感。こんなに完璧な一日も珍しい。

今でもこの一日が自分をとっても幸せにしてくれています。ロンドンにこの後戻って、今は日本の生活にすっがり戻っているが、この日の事を思い出すと心が満たされて笑みが自然とこぼれます。コンサートまでは大変だったが、それがきっかけでこのような時間が持てたと思うと、本当に頑張って良かったな〜とつくづく思います。音楽そのものの力を信じているからこそ、一生懸命練習したり、精神的に自分と戦ったりするのだが、このような思わぬ付加価値も付いて来ると本当に嬉しい。新しい活力を得た、ヘレフォードでのコンサート滞在でした。

イギリス旅行記:解放

コンサートが終わって、ほっと一安心。

楽屋には前回のコンサートに来て下さった方達も何人か挨拶に来てくれて、嬉しい再会がいっぱいありました。子供連れで来てくれた方も多く、子供に「どの曲が楽しかった?」と訊くと、揃って「ブラームスのワルツ」という答えが返って来たのは意外でした。今回のプログラムでいちばん長くて渋い曲だと思っていたが、さすがイギリスだな〜と感心してしまう。全く関係のない3家族の子供に訊いたのに、みんなブラームスが好きと云ってくれたのは本当に嬉しい。自分としても、一番大変だったが、やはり今回のプログラムでは一番好きな曲。そう云う気持ちも伝わっているのかな...?

indian%20take%20away_resize.jpgコンサートのプレッシャーから解放されて、気分は晴れ晴れ!打ち上げはLizの家でインド料理の出前。オーストラリアから予定を合わせて来てくれた友人のTやアイルランドから来てくれてRobin含め数人で打ち上げ。コンサート前はほとんど食べていないので、凄い勢いで皆とわいわいと食べました。

Fire%20place_resize.jpg夜中過ぎに殆どの人が帰ったり、寝たり。友人のTだけが残って、二人で暖炉の前で延々と音楽談義。コンサート内容の事だけなく、コンサートまでの準備や曲の作り上げ方等を朝の4時まで語っていました。この時に話した事が色々と後々になって考えさせられる事になったのだが...。

Tが帰る時に車まで送りに外に出ると、満天の星空。外の気温がマイナス4度で空気が澄み切っている上に周りには全く外灯もないので、本当に星が降り注いで来るようでした。あんなに凄い星空を見たのは、30年振り近い。大感動でした。

コンサートが終わって、友人達に囲まれて、その上にこの美しい満天の星空。こんな風に一日が終われた事に心から感謝。


イギリス旅行記:コンサート

HT%20Piano_resize.jpgいよいよコンサート。

Woebley Church (ウエブリー教会)のためのチャリティー・コンサートだったので、ウエブリー教会の牧師さんBobの紹介でコンサートがはじまりました。控え室に「もう始めていい?」と呼びに来て下さったのもBob(笑)。3年振りの再会だったので、懐かしさで少し気持ちがほぐれました。自分の教会の神父様よりも親しい(笑)。

ヘレフォードはそれほど大きな街でないにもかかわらず、残念な事にこの同日にコンサートが3つも重なってしまい、「お客さんが凄く少ないかもしれない」、と事前にいわれていたのだが控え室から出てびっくり。教会のベンチ席は全て埋まっていました。これは、本当に友人の手腕によるものだが、こんなに遠くの知らない地でこんなにたくさんの人が聴きに来てくれた事には感激。

2時間のコンサート。本当に聴衆が集中して聴いてくれていたのには、こちらも感動してしまいます。子供も多かったのに(おまけに結構前の方に座っていたので大丈夫かな〜と心配していたのだが)水を打ったように静かに聴いていてくれていました。音ではなくて、音楽に心を傾けて聴いて下さっているのがこっちにも伝わって来るので、本当に弾きやすい。毎回思うのだが、聴衆のレベルの高さを実感します。

アンコールも終わると、女の子が花束を渡しに来てくれましたが3年前にコンサートをした時にもお花を渡しに来てくれた女の子でした!成長して大きくなっていたが、お礼のキスをしたHay-On-Wye%20print_resize.jpg時のはにかみ方が全く同じで、フラッシュバックのように3年前に戻ったようでした(笑)。

そして、最後に牧師さんがご挨拶。お礼の言葉と共にウエブリー教会の信者さん達一同から、という事でヘレフォードの隣町、私の大好きなHay-on-Wye (ヘイ・オン・ワイ)の素敵な水彩画のプリントを贈って下さいました。

自分の住んでいる所からこんなにも離れている場所なのに、何だかとても深い繋がりを感じます。音楽を通して、色々な人と出会い、音楽をともに分かち合えるのは本当に幸せです。

それにしても、今回のコンサート会場はHoly Trinity Church (聖三一教会)。しかし、コンサートの主旨はWoebley Church(ウエブリー教会)のための資金集め。おまけにこの聖三一教会の牧師さんも聴衆として聴きに来ていたのに、ウエブリー教会の牧師さんが前に立って挨拶しても全然オッケーという所が面白い。全然関係のない教会同士なのに、懐が深いな〜と思う。


イギリス旅行記:コンサート当日

28th_resize.jpg3月28日(土曜日)
コンサート当日。窓辺にあった日めくりのカレンダーを見ながら、毎朝朝食を取っていたが、「いよいよ今日か!」という思いです。

教会の諸事情でリハーサルは朝の9:30〜11:30まで。ピアノが既に所定の位置に置かれていたので、照明の調整をしたり、暖房の感じや椅子の滑り具合を見たり。響きはとてもいいが、やはり高音が相変わらず気になりながらのリハーサル。調律で直る事を祈って...。

夜のコンサートとしては相当早いリハーサルだったが、これが逆にとてもいいようにはたらいてくれた。お昼をゆったり取って、それからは身体を休めるために昼寝。時間的に余裕があったので、たっぷり休めました。

しかし、午後の4時くらいに急に根拠のない不安感が。プレッシャーによる急な自信の喪失。「なんで私こんな事する事にになってしまったんだろう。私はこんな事出来ないのに!」という思いに悩まされる事に。本当に嫌な時間です。

%E3%80%80HT%20Piano%202_resize.jpgしかし、これも不思議な事になんの理由もなく、5時にはすーっと気持ちも落ち着いて、心が急に静かに。不安感もすっかり消え、緊張感は残っていながらもコンサートに向かう心の準備は万端といった感じです。

6時過ぎに教会に到着。調律されたピアノを弾くと残念な事に気になっていた高音部はそのままでした。おまけに調律師はもう帰ってしまったので、もうどうする事も出来ません。
自分としては相当ショックだったが、コンサートで全てが完璧な状態でおこなえる訳ではないので、あまり執着しないようにして「出来る限りの事をしよう!」という心構えでコンサートに立ち向かう事に。こういう切り替えも本当に大切です。

あとはこの場で、この時に、この状況で自分に出来るベストの演奏をするのみ!


イギリス旅行記:散歩

                            丘の上へと登って行く道
Road%20up%20the%20hill_resize.jpg前日に自分の精神的な引きこもり状態を反省して、出来るだけ外に出るように努めてみました。午前中の練習が終わって30分、午後の練習も終わってから30分は散歩。

友人Lizの家から10分程歩くと丘を登って行く所があり、見晴らしがいいのでお散歩コースにしていました。散歩に行く時にLizは「独りで行きたい?それとも一緒に行く?」と毎回訊いてくれる。毎回訊いてくれる所が実は凄く有難い。コンサート前は自分でも精神状態があまりコントロール出来ないので、一人でいたい場合と反面妙に人恋しくなる事もあるので、その時々で独りで行きたい時と一緒に行って欲しい時が変わってしまう。いつもどちらの要望にも応えようとしてくれるLizには本当に心から感謝。

view%20of%20Hereford_resize.jpg今回は結局毎回一人で行っていましたが、一番最初に一人で散歩に行くと行った時にLizが「あまり遠くに行かないでね。変な人がいるかもしれないから。」と云うので、殆ど家の近辺で人を見掛ける事がなかったので意外に思い、「具体的に変な人がいるの?」と訊いたら「うん、一人いる」と云う返事。急に少し不安になってしまったが、めげずに行く事に。「杖、持って行く?」と云われ、「なんで?」と訪ねたら、「追い払えるように。」という返事。全然安心感が得られない...。なので、本当は1時間くらい掛けて遠くまで行きたい所を30分くらいにとどめていました。 Lizに毎回「転ぶのは禁止だよ」と見送られながら(笑)。

コンサートまであと一日。「やっとここまで来たか!」という思いで美しい風景を見ていました。

イギリス旅行記:再会

Holy%20Trinity%20Church_resize.jpg3月24日(木曜日)

コンサートの行われるHoly Trinity Churchでのリハーサル。

昨年の夏振りに訪れた教会は記憶に残っていたよりも小さく感じました。ここ数ヶ月の準備期間中、「相当大きな教会」という考えの元に音楽作りをしていたので、どんどん想像が膨らんでいたよう。なので、ちょっと安心。「空間を埋め尽くせないかも」、という不安はなくなりました。

そして、ここのピアノを弾くのは2年振り。低音はとても良く鳴っていたし、相変わらず音色も暖かみのある美しい響きだったが、とても重要な高音部の一オクターブの音が全然鳴らないのが相当気になった。高音部が飛ばせないのは相当に苦しい。これによってスケール感が小さくなるだけでなく、盛り上がりに相当影響が出て来るのだが、これは自分ではどうする事も出来ない事なので、当日のピアノの調律師にかけるしかない。いじって欲しい音を全部書き出して、音がもう少し鳴るようにしてもらう事にしました。

リハーサルは夕方の4:30〜6:30までしたが、夕日の差し込む教会はとても静かで、楽しむという訳にはいかないが、やはり演奏にプラス・アルファーのものが付いた充実した時間となりました。

Hereford%20Fields%20Sunset_resize.jpg教会でのリハーサルも無事に終わって、少し心に余裕が。
帰って来た時は夕暮れ時で、まだ日があったのでお散歩する事に。考えてみたら、この前日の2日間、閉じこもって練習していたために日のあるうちは一歩も外に出ていなかった(笑)。気付いていない所がまた恐ろしい...。
家から10分程歩くと素晴らしい景色が広がっていて、この2日間、自分をいかに追い込んでいたかを痛感。目の前に広がる大きな世界と、新鮮で美味しい空気をいっぱい取り込みながら、自分の小さな世界に閉じこもらないように気をつけなくては、とつくづく反省。新しい活力を得て帰って来ました。

コンサートまであと二日。最後の一週間の一日一日がつくづく重い...。


イギリス旅行記:Jules

                           暖炉のある素敵な「Jules」
Jules_resize.jpgコンサートのお手伝いをして下さるGillのご招待でWoebleyの村までディナーに。Woebleyはとても小さな村なのに、招待されたレストラン「Jules」というのが相当グルメな所。前菜、メイン、デザートそれぞれに20種類近くの選択肢があるので、メニューを見ているだけでも楽しい。おまけに日替わりという所が凄い。ヘレフォードに来る時の大きな楽しみの一つです。

オーナーのシェフと奥様とはもう顔見知りで、コンサートにもいつも来てくれています。Chocolate%20mousse_resize.jpgヘレフォードでの一番最初のコンサートでは一番前の席に二人で陣取っていて、終止厳しそうな顔をしていた印象があったのだが、今回会った時に「あの最初のコンサート、とっても素敵だった!」と云って下さったので何年か前の事ながら、ほっとしました(笑)。今回はコンサートが土曜日という事もあり、コンサートには来れない事が分かっていたが、店内にはリサイタルのチラシを貼って下さっていました。応援してくれていて、本当に嬉しい。
←コーヒー・リキュール掛けのチョコレート・ムース

イギリス旅行記:ヘレフォード到着

                           友人宅の前庭にある満開の桜
Liz%20Cherry%20blossom_resize.jpg3月23日(月)ヘレフォードへ。

ロンドンから電車で3時間。いつも思うのだが、この3時間が全く長く感じられない。美しい田園風景を見ている間にあっという間に着いてしまう。

今回はフル・リサイタルの上、移動も多いので日程的に余裕を持てるように計画しました。演奏に関しては日本で相当固めて来たので、これからの5日間は練習をしまくるというよりは、ベストの状態で弾けるように体調/精神状態を整えるための期間。
Liz%20Piano_resize.jpg友人の家は丘の上にぽつんと建っているので、近くには家が3軒程ある他は見渡す限り平原が広がっている。本当に世間から隔離された状態なので、私にとってはコンサートまでの最後の数日間を過ごすには打ってつけの場所(笑)。

                          ←これからしばらくお世話になる素敵なピアノ。
朝は太陽の光がサンサンと入って気持ちがいい。
練習の合間にふと外を見れば、鮮やかな緑と広い空。
贅沢な環境の中での練習となりました。


イギリス旅行記:ロンドン到着

ロンドンに3月21日の夕方到着。飛行機が相当揺れて、怖い思いをしたが無事にヒースロー空港に定刻通りに着きました。町中までの外の景色は水仙や桜が満開に咲いていて、既に春の予感。リサイタルを控えているので、ウキウキ気分とはいかないが、やはりイギリスに戻って来るのは嬉しい。

David_resize.jpg少し休憩をしてすぐに大親友のDavidに会いに。彼に予約してもらっていた、ヘレフォードまでの電車のチケットを受け取るために約束をしたのだが、ロンドンに着いてすぐに友人に会えるのはとっても嬉しい。コンサート前はほとんど誰とも連絡を取らないので、彼と会うのは本当に例外中の例外。一時間程のディナーだったが、リサイタルのプレッシャーで重くなっている心が少しだけ軽くなりました。(軽くなり過ぎてもいけないのでそのバランスが難しい。笑)


oratory%20%2709_resize.jpg3月22日
(ロンドン2日目)
朝11時からいつも行っているBrompton Oratoryのカトリック教会へ。光がいつもにも増して差し込んでいてその美しさにも心打たれたが、やはり音楽が素晴らしくて大感激。おまけにリサイタル前で、感情的に過敏になっているせいか、何回も感動して涙する事も(笑)。聖歌隊だけなく、オルガンの独奏も素晴らしく本当にオーケストラーを聴いているようでした。聖歌の中で「聖霊が下って」という言葉を歌う時のオルガンの音が本当に天から何かが降りて来たような気がして、はっと上を見上げてしまう程に素晴らしかった。
残念なことに、お説教は今回あまりインスピレーションを受けるものではなかったが、それでも心が満たされる御ミサとなりました。

Liz%20piano%20practice_resize.jpg午後はいつも練習しに行っているHolland Park (ホランド・パーク)にあるLizの家へ。
時差で朝5時から起きているので、集中した練習が出来るか心配だったが、やはり弾き始めたら全然大丈夫でした。3時間の予定だったが、4時間程で切り上げて、後はLizと少しお話。Lizは夏のブログにも登場している、芸術面でとてつもない知識を持っている人。今回もギリシャの話から発展して、私が20年近く前の超マニアックな「カオス・シチリア物語」という映画の話を持ち出したら、「私が最も好きな映画のエンディングの一つ」と大興奮してすぐさま共感してくれた。おまけに私が持ち出した話だったのに、私よりもよっぽど内容を覚えていた(笑)。またまた大尊敬。

いい練習が出来たので、気分よく一日が終わってくれました。体力も残っていたので、水泳をしにプールに行こうかとも考えたが、ここに来て風邪をひいてもいけないと思い断念。コンサート前はとにかく「風邪、病気にになってはいけない、けがしてはいけない、事故に遭ってはいけない」と何かと神経質になって来るので、色々と断念する事が多くなる(笑)。

翌日はいよいよヘレフォードへ。とにかくここまで、体調万全で来れた事に感謝。

元の生活

%E5%A4%9C%E6%A1%9C_resize.jpgやっと時差も直り、日本の時間帯で生活出来るようになって来ました(笑)。

イギリスから帰って来て真っ先に感じた事は、桜の木の多さ。イギリスも公園に1〜2本は植えてあったりするが、日本のように電車でどこを走っても、街を歩いても、山を見ても群生しているのはさすがに見た事がない。日本の桜に対する思いは凄すぎる(笑)。

夜型の生活に戻って来たので、そろそろイギリス旅行記も書こうと思っています。今回はソロリサイタルだったので、人との音楽的なやり取りやそれによる発展というのはなかったものの、(ダイジェスト版になると思うが)音楽的なものに限らず色々と新たな発見はあったので書くのを楽しみにしています。

幸福感

Hereford%20Cherry%20Blossom_resize.jpg桜が満開のイギリスから桜が満開の鎌倉に帰って来ました。

今回のコンサートは色々な意味で相当精神的に大変でした。演奏内容に関してはもう既にこれからしていかなくてはいけない課題が色々と頭の中で沸き上がっていますが、これはもう少し休憩してからじっくりと考えていこうと思っています。

いつも大きなコンサートの後はとてつもない空虚感に襲われるのだが、今回はコンサートを手伝って下さった方々や聴きに来て下さった方達と翌日に時間を掛けて過ごす事が出来たおかげで、全てを出して切ってしまった心に速攻で「愛」を溢れんばかりに注いでもらった感じです。コンサートをしたヘレフォードからロンドンへ、そして今、日本に帰って来てもその幸福感が続いています。コンサートを通して、自分にもこんなに大きな喜びが返って来る事に驚いています。本当に感謝です。

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