Thoughts

September 2009

一人になる稽古

昨日やっと,自分の中で〆切りと決めていたデスクワークが終わったので、久しぶりのブログです。今,ピアノが自分でもこわいくらいに調子がいい。進歩も一歩進むと次の目標が出て来てしまうので、その一つ一つを記録に残せなかったのはちょっと残念。

ここ数日での大きな発見。とにかく、自分とは関係ない所に音楽は自立していると云う事。本当に音楽は凄いと再発見しています。自分の思いや身につけた事とは関係なく音楽は素晴らしいものとして存在している事を本当に実感しています。

先日、都内での生徒のレッスンが急遽入ったので、行こうか迷っていたダンスの公演をレッスン後に行くことにしました。Karas(カラス)というグループでメインのダンサー/振付け師/企画が勅使河原三郎さんという方。ロンドンで50人程しか入らない小劇場で20年近く前に初めて観て以来の大ファンで、日本で唯一観に行く日本のダンスカンパニー。ダンスももちろん素晴らしいのだが、いつも感心してしまうのが、光(照明)の使い方。プログラムを見たら、照明も勅使河原さんが創造しているらしい。凄い。。。

%E9%8F%A1%E3%81%A8%E9%9F%B3%E6%A5%BD_resize.jpg今回の公演は「鏡と音楽」というものだったが、残念ながら今回はあまり私好みではなかった。それでも、ダンスを観ながら、色々と考えさせられて収穫となった事はあったし、そして、終演後にロビーで売っていた写真集に書いてあった言葉にとても心に響くものが...。

「一人になる稽古をする。そして、次にはその一人をも消す稽古をする。」(2文目がちょっと不確かだが。)

よく、「無になるように」とは云われるが、どうやったら「無になるのか」は誰も教えてくれない。しかし、この「一人になる稽古をする」というのが大きな鍵のように思う。そして、今自分のピアノもこの地点に来ている。今まで、コンサート前の集中した練習で自分を追いつめてしまっていたのは、これをしようとしていたからだと思う。しかし、今まではそれが出来なかったし、自分でも何を追い求めているのかが分からなかったために迷子にばかりなってしまっていた。 

それが今は「一人になる事」がどういう事なのかが明確になって来てる上に、そこまでの経路が出来てきているので、自分を追いつめる事なく、そこに辿り着く事が出来るようになってきた。時々、「一人」の状態になれた時にとてつもない孤独感を感じる事があって、音楽ってこんなにも孤独なものなのか、と愕然とするのだが、その世界は本当に美しい。そして、稀にその孤独の先に行けると、音楽本来の世界が見えて来る。自分自身の陳腐な感情や思いを遥かに越えた世界は本当に素晴らしい。

自分では今確信を持って、納得して追いかけているこの世界。これがどれ位11月のコンサートで出来るか、そして伝わるかが勝負と思っています。

一段落

ブログを書く余裕が全くなくなっていました。日々感動はあるので自分でも書けないのはちょっと残念だったが、コンサートの事務作業で少々大変でした。この時点で練習時間は削れないので、削れていったのは睡眠時間。夜5時間睡眠と云うのが2週間以上続いてしまったが、やっと2〜3日前から一段落。昨日久しぶりに7時間寝たら相当元気になりました(笑)。

こんな状態だったが、練習だけは異常に調子が良い。これが一番重要な事なのだが,本当に練習の手応えが相当毎日あるので救われている。おまけに周りの事が大変になればなるほど、弾きたくなる欲求が大きくなるので、ピアノの前に座ると相当大きな喜びを感じる(笑)。先週も友人に数曲聴いてもらったが、ここ数年改革してきた弾き方がやっと実を結び始めているような気がして俄然張り切っています。