Thoughts

March 2010

ホールの響き

Kirara_resize.jpg30日にあるコンサートのために今日はホールでのリハーサル。
小さい時から何回も使わせて頂いているホールなので全く気負いがない。今回のコンサートはヴァイオリンの伴奏だけなのだが、先にホールに着いたので一人で練習。つくづくホールって音が伸びて、気持ちがいいな〜とうきうきしながら練習していました(笑)。

考えてみたら、舞台が相当高くなっているホールで弾くのはとっても久しぶり。最近は少しだけ高くなっている舞台で弾く事が多かったので、今日は音の飛び方に感動していました。

昨年の11月のリサイタルの前に知人の方と話をしていた時に「舞台が低いので見にくいかも知れません」と事前に警告したら「ピアノがあまり高い位置にあるのは違和感があるから舞台は低い方がいい」と云われ、「なるほど。。。」と妙に納得したのを覚えています。云われてみれば、あんなに大きくて重そうな楽器が目線より高い位置にあるのは不思議かも、と思ったりして。

しかし、今日久しぶりに高い舞台で弾く良さも実感してしまいました。音が真っすぐ前にではなく円を描くようにして飛んでいる感じして、ホールで弾く良さがここにあるんだな〜つくづく思ってしまいました。30日もホールを生かした演奏が出来ますように...。

追記:コンサートに関してはインフォメーション・ページをご覧下さい!

新しい世界

昨日のブログで書いたロンドンのオークション。
なかなかオークション・サイトに行っても、友人が添付してくれたブラームスの髪の毛や写真に辿り着かなかったので、メールしたらサイト内での探し方を早速教えてくれました。

それにしてもあらゆるものがオークションにかけられていてびっくり。今までで作曲家のもので一番の高値が付いたものはベートーベンの第九の交響曲の原譜。丸ごと一冊売られているところが凄い...。

やはり私が興味を持つのはブラームスのもの。大好きな大好きなピアノ小品集の0p.118全曲の楽譜が2000年にオークションに掛けられていたのはショック。オークションはオークション前にその実物を見る事が出来るので、買う事は無理でもぜひ手に取って見てみたかった...。人の手に渡ればそれはもう無理な事で...。

それにしても、新しい世界を発見してしまったよう...。このオークション・サイトだけでも延々と見れそう。ただでさえ一日24時間は足りないと思っているのに(笑)。

ブログ色々

ブログというのは面白いもので、人によっていかに興味の対象が違うかを実感する事が多い。「人が興味持つのは美味しいものなんだよね〜」とブログを始める前に云われたのだが、自分の中では食への興味は割と順位的には低い方だと思う。音楽の事に関してもそればかり書いていると専門的なお宅の世界に入って行ってしまい、読んで下さっている方を置いてきかねない。なので、出来るだけバランス良く書くようにはしているのだが...。

昨日会ったSちゃんには「やっと旅行記終わったね〜」といわれ、「やはり長かったか〜」とちょっと反省したのだが、今日は今日で旅行記関連で嬉しいメールが来ていたので、発信する側としては何が人の心に引っ掛かるかが分からないだけにやはり自分の思いのつくままに書こうと思っている。旅行記が長過ぎて、音楽関係のウェブサイトとは思えない程遠くなってしまったのはあまり良くなかった気もしないでもないが...。(しかし、旅で色々と感じる事のおかげで普段の生活からは絶対に発生しない音楽的発見や発展があるので、切り離せない事も確か。)

今日もらった嬉しいメールは、ニューヨークで私がブラームスの直筆の手紙を見て感激した事について触れたものだったが、ロンドンで作曲家等の手紙がオークションに出るという話を色々と詳しく書いてくれていた。メールを送ってくれたTも「ベートーベンの髪の毛をもう少しで買いそうになったけど取り憑かれそうで買わなかった」と書いてあって、「そんなものかな〜」なんて思ったが、添付してあった写真にブラームスの髪の毛のものがあり、確かに何となくその気持ちが分かりました。何だかあまりにもリアルすぎる...。実物は見たいし、手に取ってみたいけど、家宝にするなら手紙止まりかな...。なんて、それも夢なんですけど...(笑)。

アメリカ旅行記:終了!

やっとこれで旅行記が終わりました(笑)。自分でもしつこいな〜と思っていたのだが、書き出したものを途中で中途半端に終わらせたくなかったので、季節外れになりながらも最後まで同じペースで書く事にしました。途中でオリンピックもあり、色々と思った事もあったのだが...。オリンピックに関してはたくさんの人が書いているだろうと思い、”我が道”を突き進みました。これで、やっと解放されてタイムリーな事も書けます(笑)。

実は旅行記を書いていて思わぬ作用がありました。旅行中に大きな心の変化があって、帰って来た当初はピアノもとても張り切っていたのに、2月の頭位から実生活の中では気分的に落ち込み気味でした。季節的なものもあるが、なかなか突破口が見付からない時にブログを書くと、ニューヨークにいた時に経験した精神的な発見や新たなものの見方が思い出されて、「ああ、そうだった!」と自分の事ながらまた張り切れる活力となっていました。人間はあっという間に感覚的に良い事も(悪い事も)忘れてしまうので、ブログは共有の場だけでなく、自分が思った事や考えた事を再確認出来る場所でもあるという云う事を今回の旅行記で発見しました。

本当に長い間、お付き合い下さいましてありがとうございました(笑)。

追記:ニュースにも度々出ている、倒れてしまった鶴が岡八幡宮の大銀杏。写真を今日のブログに載せたいと思い、明るいうちに行ってみました。階段の上からと思い、脇の階段を登りながら、「こういうのは写真を撮っていいものだろうか?」と急に疑問に思って来た。中央の大階段が封鎖されていたためによく見えないので、下に降りて来たが間近で見たら本当に痛々しかった。しめ縄もしてあるせいか、本当に人が倒れているようで涙が込み上げて来ました。隣にいたおばさんも一緒に来ていた人に「かわいそうだから、もう行こう」と云っていた。なので、今回は写真は撮るのはやめました。元気だった時の素晴らしい銀杏の写真を見て下さい(笑)。

帰りにクリーニング屋さんに寄ったら、「こんにちは」の次の二言目が「八幡様の銀杏が倒れてがっかりね...。」とおばさんがとっても悲しそうだった。今日はこのニュースのせいで鎌倉は凄い人出だったが、鎌倉の人にとっては本当に身近な存在だったんですね。とっても残念です。

アメリカ旅行記:身近にブラームス

Historical%20Signatures_resize.jpg旅行中はあまり考えずにぶらぶらと思いの向くままに歩く事が多いが、発見が多い代わりに2度と同じ所に行けないという難点もある。

前回ニューヨークに行った時に地下鉄の駅から目的の美術館に行くまでの間にとても興味深いお店を見付けました。とてもこじんまりとしていてドアには鍵が掛かっているのでブザーを鳴らさないと入れないのだが、ウィンドウがあまりにも面白そうだったので入ってみる事にしました。
 全部の壁一面に所狭しと飾ってあるのは様々な歴史上の人物の直筆のサインや走り書きやメモ、手紙です。ナポレオンやチャーチル、ワシントンやリンカーン等のアメリカ歴代大統領の手紙、劇作家のサミュエル・ベケットや作家のヘミングウエイの手紙や画家のミロの走り書きとサイン等々。美術館よりも楽しいくらい。そして何よりも私にとって興味深いのは作曲家のもの。ベートーベン、ラフマニノフ、シュトラウス、ガーシュインのものなどがあったが、何と云っても感激なのはブラームスのもの。出版社への手紙だったと思ったがサインはJ.Brahmsと走り書きしてあって本当に目の前にブラームスが直接触れたものがあると思うだけで何ともいえない思いになります。値段は$6000(60万円)とそこまで高くはなかったのでいつか手に入れたいという夢は持てます(笑)。

前回の時にお店の住所を控えていなかったので、もうあそこは2度と見付からないとあきらめていたのだが、今回の旅行中にもたまたま歩いていたら、偶然にもこのお店に行き当たりました。今回も端から一つ一つじ〜っくりと見ていたのだが、お店の人と音楽の話になり、どの作曲家が好きなの?と訊かれ、「断トツでブラームス」と答えたら、奥からごそごそと大きな額縁を運んで来ました。1〜2段の楽譜と数文、そしてブラームスのフル・ネームのサインがありました。「フル・ネームのサインは珍しいんだよ」と教えてくれたのだが、こちらは$35,000でした。こちらはさすがに夢も持てませんね...。誰かプレゼントしてくれないかな〜...(笑)。

追記:歴史といえば、今日の明け方に家から歩いて5分の鶴が岡八幡宮の大銀杏が倒れてしまいました。樹齢千年の歴史ある素晴らしい木だったのに...。大ショック。

アメリカ旅行記:駅

Penn%20Flu%20Shots_resize.jpgグランド・セントラル・ステーションの豪華な駅と対照的なのがもう一つの主要駅ペン・ステーション。以前はグランド・セントラルと同じようなゴージャスな建物だったらしいが取り壊されてしまったらしい。今ではとっても味気ない暗〜い、あまりきれいとはいえない駅になっちゃっています。そんな駅だが、移動が多い旅だったのでしょっ中利用していました。
その駅で目に止まったびっくりもの。インフルエンザの予防接種。こんな所で?衛生的にどうなのかな〜...。

大きな垂れ幕で“Flu Shots (インフルエンザの予防注射)”の宣伝→

アメリカ旅行記:道を歩くだけで

  色とりどりの紙吹雪                   ツリーの残骸
Confetti_resize.jpgChristmas%20trees_resize.jpg旅行中は道を歩いているだけでも色々と発見があって楽しい。
 今回はクリスマスとお正月をかけていたので、季節がらみで日本では考えられない光景もいくつか。
 大晦日のタイムズ・スクエアのお祭り騒ぎは有名だが、翌日の1日の夜にもまだ紙吹雪が舞っていました。そして、お正月も過ぎると、あちこちの道ばたにたくさんのクリスマス・ツリーが捨てられていました。まだ生き生きとしているのに...。少し悲しい...。

アメリカ旅行記:Morgan Library (モーガン図書館)

                            プッチーニの原譜
Puccini_resize.jpgアメリカ旅行も最後の数日間はゆったりと過ごしていました。会うはずだった小学校の先生は体調が悪いと云う事で会えなくなり、その上、とてつもなく風の強い寒い日に外を歩いていたら鼻の炎症を起こしたらしく、風邪でもないのに鼻水が止まらない上に夜は痛くて眠れない程になってしまったので、日本に帰る前までの残りの数日は大事を取ってのんびりと過ごす事にしました。ピアノを練習しに行ったり、散歩する程度。

しかしあまりに観光をしていなかったので(笑)、最後に一カ所だけ今回の旅行でぜひ行きたいと思っていた「Morgan Library (モーガン図書館)」へ。ニューヨークに着いてすぐに行こうと思っていたので、インターネットで調べたらオペラの作曲家のプッチーニと作家/アーティストのウィリアム・ブレイクの展示があるというので大喜び。プッチーニはオペラの中では断トツ一位で好きな作曲家でブレイクは昔から興味を持っていた人。この組み合わせは私のためにあるようなものだわ!と思うくらいに楽しみでした。

しかし、行く機会を何回も逃し、ついに行けたのが最終日。行ってみたら、年が明けてしまったせいでブレイクの展覧会は終わっていました(涙)。とっても残念。プッチーニの展示も小さな一部屋で少し物足りなかったのだが、やはり直筆の楽譜を見るとわくわくします。

ブレイクの展示が終わってしまい、代わりにヨーロッパのエッチングの展示をしていました。その細やかさにびっくり。一つ一つの絵にとてつもない芸術性と技術を見いだしました。見ている人が私一人だった事もあり、守衛さんが話しかけて来ました。自分の好きな絵をいくつか教えてくれて、一人で見ていた時には気付かなかった細かな描写や見逃してしまうような繊細な美しさ、額との相性等を感激しながら話してくれました。ガタイの良い守衛さんだったが、美を感じ取れるその心の繊細さに感動しました。

モーガン図書館の展示はスケールが小さいので「展覧会」を期待して行くとがっかりするかもしれないが、ここは図書館になっている数部屋が見所。アメリカの大富豪の個人の家だったこの場所は書斎と図書館等の豪華さが必見。当時のお金持ちの家は芸術と生活が一体化していたのが素晴らしい。

アメリカ旅行記:Asiate (1/4)

Asiate%20Appetiser_resize.jpgニューヨークは美味しいレストランが多く、今回も色々な人が連れて行って下さったり、自分で調べたり、と思いっきり美味しいものをたくさん食べて来ました。(日本ではほとんど外食をしないので食生活の差がとてつもなく激しい...笑。)

旅行も後数日という時に日本でのリサイタルでお世話になったKさんの娘さんとお会い出来る事になり、マンダリン・オリエンタルのホテルの中にある「Asiate(アシアテ)」を提案して下さいました。

Asiate%20Main%20course_resize.jpg高級感溢れるホテルの35階にあるレストラン「Asiate」。案内されたのはセントラル・パークも見える窓際の席。レストランの雰囲気も素敵なのだが、とにかく景色が素晴らしい。サービスも超一流で控えめなのに気が利いていて、本当に気持ちがいい。お料理一品一品がとにかく心細やか。見た目にも美しく、そして味もとっても繊細。日系アメリカ人のシェフが携わっているので、和の素材を多く使っていました。ニューヨークに来てまで日本人のシェフの料理?と思うかもしれないが、今回の旅では「最先端」という意味では一番ニューヨークらしい食事だったような気がします(笑)。雰囲気とサービスと食事の洗練は際立っていました。

アメリカ旅行記:ピアノ色々

全ての部屋が違うピアノ!
Piano%201_resize.jpg今回の旅でも色々なピアノとの出会いがありました。聞いた事も弾いた事もないブランドのピアノでも結構良い音がする楽器にも出逢えて楽しかったです。

Piano%202_resize.jpg今回、何回か練習しに行ったスタジオは時期的にすいていた事もあり、「自分の好きな部屋を選んで良いよ。」と空いている部屋のピアノを色々試し弾きさせてくれました。「カルメン」やら「トラヴィアータ」等、オペラの名前がそれぞれの部屋に付いていたが、私が気に入ったのは「ラ・ボエーム」の部屋のピアノ。音が少しキンキンするのが気になったが弾き心地がしっくりいったので、そこに決めて練習していました。帰り際にスタジオの人に「ラ・ボエームのピアノが一番弾きやすかった」と云ったら「あれはスタインウエイと同じアクションを使っているんだ」と云われ、納得。馴染みのある感触だったんですね(笑)。

Piano%203_resize.jpgそれぞれの部屋はとても明るく、そして家具や絵が飾ってあったりして、何時間練習しても居心地が良かった。ロンドンで昔良く練習しに行っていたスタジオは照明も暗く、何もない部屋にグレーの絨毯にピアノがぽつんと置いてあるだけでした。練習にはとても集中出来るのだが、やはり2時間もすると外に出たくなっていました(笑)。今回はニューヨークで気持ちのいい練習場所が見付かって大収穫でした。

追記:12月にC家の紹介で弾かせて頂いた素晴らしいスタインウエイのある教会でも「いつでも練習しに来てね!」と云われ、何回か覗きに行きましたが、クリスマス時期という事もあったせいか、いつもどなたかがお祈りをしていらしてやはり練習するのは気が引けました...。残念...。他の時期だったら可能かな〜。

アメリカ旅行記:ニューヨーク地下鉄 Ⅱ

Subway%20opera_resize.jpgいつもニューヨークに行くと駅や道で歌ったり演奏したりしているストリート・パフォーマーのレベルの高さに驚きます。夢を追いかけて来ている人が多くて競争が激しいせいか、あまり下手な人というのがいないような気がします。(その点ロンドンは訳の分からない人もいて多種多様。)今回は冬だったせいか、2、3人しか遭遇しなかったのだが、オペラを歌っていた変わり種がいました。

アジア系の50歳くらいの男性で声はテノール。声質も良いし、音量も大きく、汚い地下鉄の駅にいながら、とても優雅な気分になりました。今のコマーシャリズムに乗っているオペラ歌手まがいの有名人達に比べたらよっぽど上手いし、心に響くものがありました。最近特に日本人にしろ外人にしろ、言葉や音楽的な意味はそっちのけに息継ぎをするためやドラマチックな効果をつくるためにやたらとフレーズをあちこちで好き勝手に切られるのがとても気になります。

その点、この地下鉄の方はフレージングもとってもきれいで、曲想も考えていて、とっても丁寧に一つ一つの歌を歌っていました。本格的なクラシックのトレーニングを受けたと思われるこの人がこの歳(若いうちはみんなやる事だが...)でもなぜ地下鉄で歌っているのか、色々と考えさせられたが、駅では多くの人が足を止めては聴き入っていました。「本物の音楽」は有名無名問わず、意外な所に存在したりするんですね。

アメリカ旅行記:ニューヨーク地下鉄 Ⅰ

Subway%20rabbit_resize.jpgSubway%20Clock_resize.jpgsubway%20elephant_resize.jpg
ニューヨークの地下鉄は駅もあまりきれいではないし、電車の中もプラスチックのシートに鉄の吊り輪でとても味気ないのだが、時々駅構内にアートが散りベまられていて目を楽しませてくれます。 オブジェだったり、タイルの絵だったり、コラージュだったり。アメリカ自然史博物館の駅は通路がきれいに海の中にいるような青いタイル張りで、ホームの所には化石の標本のような物が壁にはめ込んである懲りよう。公共の場に遊び心があるのは羨ましい。日本も駅等で斬新な壁画も見るようになってきたが、見ていて楽しくなったり、笑いを誘うような物をなかなか見ないのは残念...。
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アメリカ旅行記:一つ一つに感動(1/2)

2001年の9/11があった年末にも私はニューヨークに行っていました。当時もニューヨークに住んでいた従妹に会いたくて行ったのだが、今思うと街全体が「こんな事に負けてはいけない!」という異様なハイ状態になっていた気がします。観光客の減少を心配して、レストランやエンターテーメント業界が打撃を受けないように外出するようにニューヨーク市長が一生懸命宣伝していたように思うが、本当にあの時程レストランや街が賑わっているのは見た事がありません。

9/11の後は日本でも色々とドキュメンタリー番組をやっていたが、その中の一つに、もともとニューヨークに住んでいる人を取り上げてはその日常生活振りを見せていたものがありました。この番組はでいつもとても丁寧に作ってあって、表面的ではない突っ込んだ視点からのリポートでとても気に入っていました。

Spinach%20Soufle_resize.jpgそして、9/11の結構すぐ後にも、あるレストランを取り上げたとってもポジティブな番組を作っていました。フレンチ・レストランの「Capsouto Freres (カプスート・フレール)」。ワールド・トレード・センターの近くにあったこのレストランは9/11の後、撤去作業に関わる人達のために解放し、食事をほとんど24時間態勢で支給していたそうです。家族経営でお店のオーナーは本当に温厚そうなおじさんでした。画面に映っていた食事もとっても美味しそうだったが、とにかくこのおじさんに感動してしまいました。

Hannah%26%20Soufle_resize.jpgなので、12月にニューヨークに行った時にぜひとも行こうと思っていた場所でした。12月にはもうすでにレストランとして復帰していて、中の雰囲気もとっても素敵でした。壁がレンガでお花もゴージャスに飾られていてそれはそれはロマンチック。(当時とっても好きだった人と一緒だったのも心理的に大きかったのかもしれないが...笑。) 食事も美味しく、そしてオーナーもいらしたので、食事が終わってから少し話をする事も出来ました。とっても良い思い出のあるレストランです。

sweet%20souffle_resize.jpgそして、今回の旅行でも大好きなC家と一緒に行く事になりました。昼間だったせいなのか、時が経ってしまっているせいなのか、大分寂れてしまった感があって少し寂しい気持ちになりましたが、料理が出て来て気持ちは一転。本当に出て来るもの出て来るものに全て感動がありました。パンから、パンに付いて来るバターからコンフィチュール、前菜のアスパラガスのトリュフ・ソース掛け、ほうれん草とチーズのスフレ、デザートのイチジクのスフレ、おまけに付いて来たオレンジ・ピールまで何から何まで一つ一つに技と心がこもっていてみんなで感激していました。
 ここの名物はスフレなのだが、Hちゃんはスフレ初体験。超感動してくれて私も嬉しい。みんなもとっても喜んでくれた様子。最初にレストランに入った瞬間は「こんなだったかしら....」と不安になってしまったのだが、結果的にはみんな大満足のランチとなりました。

アメリカ旅行記:恐怖感(1/2)

1月2日。前日のディナーの後はC宅に泊まらせて頂きました。帰って来たのも11時過ぎだったが、子供達がゲームをしたいというのでわいわいと遊んでから1時近くに寝ました。

そして、翌日6時半に起床。今回の旅で日本から楽しみにしていたレッスン(ピアノではありません!)があるので早起き。何のレッスンかと云うと、空中ブランコです。以前から死ぬまでにやりたい事リストに乗っているものの一つだったので、やっと念願が叶えられてわくわく。C家のHちゃんがニューヨークに住み出してからレッスンを受けている所で一緒に受けられるように手配して下さいました。

Hちゃんの弟のE君も一緒に早起き。土曜日というのに朝早くから水泳クラブの特訓があるという事で頑張って起きていました。鎌倉から移り住んで、色々な可能性にチャレンジしている姿を見て本当に嬉しいし、感動します。

Trapeze%202_resize.jpgみんなで一緒に家を出て、E君とお父様は学校へ、そしてHちゃんとお母様と私は空中ブランコ・スクールへ。

もう何年も空中ブランコはやってみたい事の一つだったが、空中ブランコで自分が気持ち良さそうに行ったり来たりしている姿だけを想像していました(笑)。Hちゃんのお母様から行く数日前に自分で足を引っ掛けたりしなくてはいけないと聞いて急に「自分に出来るだろうか?」という不安が出て来たのだが、心配はそれくらいでした。

大きなテントの中に大きな安全ネットがあり、その上に空中ブランコが。初心者グループが8人。(Hちゃんはもう『技』も出来る別グループ。)日本のように懇切丁寧に教えるというより、ポイントを押さえて後は実践!みたいな感じです。あっという間に上に上がる事に。

ここが自分の甘い所だと思うのだが、はしごを登り始めて、初めて恐怖感が出て来た!!!「なんで私こんな事する事になっちゃったんだろう!!!」なんて急に思ってしまった。一番上に着いて、台から飛び降りる前に体を反り出さなくてはいけないのだが、この時が本当に怖い。ここ最近経験した事のないくらいの体に感じる恐怖感でした。飛び出してからも下のインストラクターから色々と指示を受けるのだが、「手を離して!」といわれても、頭では分かっていても怖くてなかなか離せない(笑)。一瞬遅れると勢いがなくなってしまうので、なかなか難しい...。2、3回一人で足を引っ掛けたり、くるっと回ったり。Trapeze%201_resize.jpgそしてレッスンの最後には反対側のブランコの人につかまえてもらうのだが、苦労しながらも最後に出来たのはとっても嬉しかった。

一番最初にやった時は降りて来る時に足ががくがくと震えていて、自分でもよっぽど怖かったんだな〜と実感。足の震えは2〜3回していくうちになくなったが、最初の台から飛び降りる前の瞬間はさすがに最後まで相当怖かった。

レッスンが終わってHちゃんに「慣れて来たら、あの恐怖感はなくなるものなの?」って訊いたら「ううん。今でも毎回怖い...。」と云っていた。そうなの〜〜〜〜!!???

大した事ではないのかもしれないが、ずーっとやりたいと思っていた事の一つが出来た事と、自分ではとてつもない恐怖感を感じながらもチャレンジ出来た事に気分は晴れ晴れ。チャレンジ精神で始まったこの一年に良い予感がしました。

アメリカ旅行記:新しい年(1/1)

                         御ミサのなかった巨大カテドラル
NYChurch_resize.jpg3月に入ったのに、お正月の事を書くのもなんだが、旅行記ももうそろそろ終わりなのでもう少しお付き合い下さい...(笑)。

1月1日。日本にいる時はいつも大晦日は教会の夜中の御ミサに行っています。年の初めをお祈りの中で迎えられるのは私としては理想です。

今年は近くの教会は夜半の御ミサがなかったので、1日の日の朝に行こうと思っていました。なので、ピアノの練習をしにG宅に行く予定も「午前中はミサに行きたいので、午後練習に行っていいかしら?」と尋ねたら、「私も一緒にミサに行きたい!」というので急遽G宅近くのSt.John the Divineカテドラルに行く事にしました。インターネットで調べたら、1日は12:15から御ミサがあるというので、朝11時にG宅に伺って、一時間程練習してから一緒に教会に行く約束をしました。

1日の朝は色々と時間的に遅れてしまい、練習も30分程しかできないまま、教会に。実は世界で一番大きなカテドラルらしい。案内人に訊いて、12:15の御ミサがおこなわれる奥〜の方にあるチャペルへ。5分前に着いていたが、待っていたのは親子二人だけ。随分寂しいな〜なんて思っていたが...。12:15を過ぎても牧師さんが全然 現れない...。御ミサが遅れるというのはあまり聞いた事がなかったのだが、それでも10分程待ちました。さすがに何も起こる気配すらないので、また遠くにいる案内人に尋ねたら、急に思い出したように「今日は特別の日だから朝のミサしかなかったんだった!」と申し訳なさそうに謝っていた。ホームページにわざわざお正月の予定として書いてあったのは結局は間違いだった...。

1日に御ミサに行けないのは非常に残念と思い、相当がっかりしたのだが、どうする事も出来ないので、G宅に戻りまた2時間程練習。夜はC家とのディナーの約束が入っていたので、一度従妹達の所に荷物を取りに帰りました。

Actors%20Theatre_resize.jpg従妹に御ミサに行けなかった事をとても残念そうに話したら、「きっと夕方の御ミサのある教会があるよ」と、一生懸命インターネットで探し始めてくれました。凄い数の教会を一つ一つ調べてくれたのだが、ついにシアター街にある「←Actor's Church (俳優のための教会!)」というカトリックの教会を見付けてくれました。

御ミサの時間が微妙に遅くて、C家との約束のデイナーの時間には間に合わなくなってしまうので、少し時間をずらせないかと電話をしたら、「私たちも一緒に行きます!」と云って下さいました。

結局、鎌倉でも教会が一緒だったC家と1日の御ミサに一緒に行く事になり、私としてはこれ以上にない嬉しい一年のスタートとなりました。『Actor's Churchっていう事は、かっこいい俳優とかがいっぱい来ているんじゃない?』と従妹に云われて来たのだが、来ている人は結構普通でした(笑)。しかし神父様がすごいエンターテイナーで、話はドラマチックだし、歌がめちゃくちゃ上手かった。歌の上手な神父様というのは意外と多いのだが、私が今まで聞いて来た中ではナンバーワンかも。教会の正面も周りの劇場に負けない位に派手にライトアップされていて、土地柄がとても出ていました(笑)。

Fondue_resize.jpg一緒に新年の最初の日を教会でC家とお祝い出来たのは本当に嬉しい事でした。元々の予定はC宅でのデイナーだったのだが、急遽教会に行く事になったので、帰りにフォンデュ専門のレストランに連れて行って下さいました。

チーズ、それからスープのフォンデュ。スープ・フォンデュは日本のしゃぶしゃぶからヒントを得て最近出来たものだそう。パンもそうだが、野菜や魚介類、そして何種類かのお肉(仔牛が特に美味!)を次から次へと食べて、楽しいし美味しいしでとっても幸せ。最後はおまけにチョコレート・フォンデュ!とっても贅沢なニュー・イヤー・ディナーとなりました。

当初1日に予定していた事は全てひっくり返ってしまったのだが、最終的には自分でも予想出来ないくらいに充実した幸せな一日となりました。

アメリカ旅行記:ニューヨークに戻って(12/31〜1/1)

   帽子がかわいいG
Gena_resize.jpgいつもニューヨークで練習をさせて頂いている友人Gから電話が。郊外からニューヨークに戻って来たのでぜひ会いましょうと云う事に。

Rembrant_resize.jpgお気に入りになったベジタリアン・レストラン『Candle Cafe』でランチ。その後、Gがメトロポリタン・ミュージアムの売店を見に行きたいというので一緒に。その間に私は20分だけ展示階の方に足を伸ばし、大好きなレンブラントの部屋へ。このミュージーアムはレンブラントの数が多くて本当に嬉しくなってしまいます。今回一番気に入った絵の前でしばしその素晴らしさに浸って来る事が出来ました。

Francis%20Piano_resize.jpg31日、1日はさすがに練習スタジオが閉まっているのでどうしたものかな〜と思っていたのでGにちょっと練習させて頂いてもいいかと尋ねたら「ぜひ弾きに来て!ピアノも喜ぶわ〜!」と云ってくれたので、早速練習しに。とっても古いピアノだったが、友人のピアニストが所有していた物だけあって音がいい。

翌日の一日も結局練習に行ったので、年の終わり、そして年の初めにピアノに触れる事が出来ました。今年も音楽的に充実した年になりますように...!

←相当弾き込んであるピアノ。象牙の鍵盤はやはり指に心地いい...。

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