Thoughts

April 2011

イギリス色々

Amy_resize.jpg今日はウィリアム王子とケイト・ミドルトンのロイヤル・ウエディング。
先日、友人に「イギリスに住んでたから、ロイヤル・ウエディングにも特別な思い入れがあるの?」と訊かれ、「ぜ〜んぜんないよ!」と答えたが、結局今日は家にいた事も手伝って、BBCの生放送を2時間観てしまいました(笑)。

美男美女カップルで招待客もとっても華やか。教会の中も色の付いた花ではなく木や緑の葉を基調にしていて瑞々しい。音楽もロンドン司教による愛についてのお説教もとっても素晴らしかった。
そして、何よりも誰もがとっても嬉しそうだった。喜びの顔をあれだけたくさん見ると、感染してこちらも自然と笑みが湧いて来る。

日本も早くこんな風に喜びがみんなの顔から溢れて来るようになるといいな、と思いながら見ていました。

イギリス繋がりで、先日イギリスからいらした歌の方Aと会いました。実は4月の中旬に一緒にコンサートをするはずでした。以前に教えていた生徒さんからのご紹介だったので、彼女の声を聴く前にコンサートをする話になってしまったのだが、送って下さったプログラムがいかにも私好みだったので、その選曲の良さですぐに引き受けました。情緒豊かな曲が多く、そしてイギリス人作曲の曲もいくつか入っていたので、とても楽しみにしていました。

地震が起きてしまい、ぎりぎりまでどうするかAも迷っていたようだが、結局主催者側の事も考えて、3月末の時点で今回はキャンセルする事となってしまいました。

Aは結局は日本に来て、すぐに関西の方に旅立ってしまったが、イギリスに帰る前にちょっとだけでも会えたら、というのでランチをする事になりました。そして、会うのだったらちょっと一緒にリハーサルしよう、という話になって先日スタジオを借りて一時間一緒に弾いて来ました。

まだ大学生という事でとっても初々しい(笑)。今日のケイト・ミドルトンじゃないけど、イギリス人ってきれいな人は本当にきれい。Aもすぐにでもアイドルになれそう(笑)。そして,何よりも音楽に対しての楽しさや情熱がひしひしと伝わって来て気持ちがいい。「この曲大好き!!」と連発。そこまで思い入れの無い曲と大好きな曲が云われる前からすぐ分かる。その音楽的な正直さがいいな〜。Aは顔もきれいだけど、ちゃんと地に足が付いていて、心もとっても綺麗な人でした。私ももっと音楽に対しての新鮮な喜びを感じれるように心の色々な汚れを取り除かなきゃ、と思えるような素敵な出逢いとなりました。

コンサート・グランド

%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E_resize.jpg先日,秋のリサイタルのピアノ選びをするためにホールまで行ってきました。

コンサート・グランド・ピアノを弾く機会が頻繁にある訳ではないし、友人のピアニストによってはコンサート・グランドは重い、という印象があるらしいので、ホールに行くまで何だか少し気負ってしまったのだが、弾いてみたら弾きやすい、弾きやすい(笑)。そういえば、楽器が大きくなると,音が出やすくなるのを忘れていました。とにかく音が延びるので力まずに音が出る。やはり気持ちがいい。

秋のリサイタル、何となくイメージは出来ているのだが,ピアノを選んだ事でプログラムの最終調整に入っています。ピアノの音色で色々とアイデアが広がって今が本当に一番楽しいとき(笑)。

希望

今日という一日。

千駄ヶ谷にある津田ホールまで、恩師のW先生とロシアのピアニストの2台ピアノのコンサートに行ってきました。
 以前にピアニストの友人のMちゃんと2台ピアノやピアノ連弾の話になった時に、「あれは聴いている方は本当に楽しいのかな〜??」という事を論じた事があった。弾いている方としては何とも云えない楽しさがあるのだが、聴衆として聴いたコンサートとなるとあまりいい印象がない。ロンドンで何回か聴いたラベック姉妹は別として、内輪で先に楽しんじゃっている気がして聴衆は置いてけぼりにされるケースが多いような気がしていた。Mちゃんも「演奏者が楽しんでいるのを楽しむ感じだよね。音楽を楽しむというより...。」という意見で一致していた。それが、それが。。。。。

今日の2台ピアノのコンサート。本当に本当に素晴らしかった!!!アレンスキーとラフマニノフの二人のロシア人作曲家の超ウルトラC難度のプログラムだったがすみずみまで息も音質も音楽的にも合っていて圧巻。音のバランス作りがまた素晴らしい!その完成度の高さにただただびっくり。なんでこんなに違うんだろうとコンサート中ずーっと考えていたのだが、もちろん才能の凄さもあるのだが、音楽に対しての真剣さがとにかく違ったのだと思う。「楽しむ」という事に全く浸らない、というか全くそこに行こうともしない。ひたすらに音楽を追究していて全く甘さがない。その隙のなさ、音楽追究の深さに聴いている方は本当に純粋に音楽に入り込めた。特にラフマニノフの組曲は難曲なので、その難曲を弾き切る事ばかりに満足してしまう演奏が多いような気がするが、今日は初めて、その曲自体の素晴らしさがひしひしと伝わって来て大感激。第二番の組曲が有名でこちらばかり演奏される事が多いが、今日弾いていらした第一番も素晴らしく,私はこちらの方が断然好き。3曲目の「涙」には本当に涙してしまった。お二人の繊細な音作り,音楽作りに本当に感動しました。そして第4曲が「復活祭」。鐘の音が高らかに響くスケールの大きな曲。

クリスチャンにとって「復活祭」はクリスマスよりも大事な祝日。そして、これが実は今です。イエス様が十字架にかけられて,死に打ち勝って復活した事を祝う時なのです。

コンサートでたくさんの英気を頂いて,音楽の素晴らしさに心がいっぱいになったその足で教会に向かいました。

今晩は復活徹夜祭でした。死んだイエス様が復活なさって世界にその光が広がる事を象徴して、光の祭儀というのが行なわれました。教会の大きなお御堂は真っ暗にされ、イエス様の光を象徴する大きなロウソクの火を神父様が持ち、その一つのロウソクから信者さん一人一人のロウソクに火が受け継がれて行きます。毎年この祭儀には感動します。クリスチャンでなくても世界は本当に人と人とが関わり合いを持つ事によって一人一人の中に火(愛)が灯り,その火が受け継がれて繋がっているのではないかと実感出来ます。

この徹夜祭でも、この一週間の聖週間の間もたびたび被災された方、亡くなられた方のためにお祈りが捧げられました。今日のロウソクの火のように何かの形で皆が繋がりを持つ事によって一日も早く日本全体が元気になれればいいなと思います。

私は音楽家でありクリスチャンであるけれども、今日はこの両方面からたくさんの希望を持つ事が出来た、とてもいい日でした。

少しだけ

Cherry%20Blossoms_resize.jpg今、鎌倉の桜が満開です。本当に美しいです。

先日,スイスの友人がYoutubeのクリップを送って下さいました。ずっと見る余裕がなく、見ずにそのメールを取っておいていましたが、さっきやっと見たら、とても勇気づけられました。
今日もテレビや新聞ではど〜んと落ち込むニュースばかりで一日黒雲が付いて回っている感じでしたが、このクリップを見て、ちょっと心が晴れました。初めて知りましたが、須藤元気さんってシンガー/ダンサーでもあるんですね(今頃、遅いでしょうか...)。驚きました。そのクリップに付けられているコメント(投稿者の下の「説明の全てを表示」をクリック)がまた素晴らしくて感動しました。おまけに英語でびっくり。次から次へと彼の思わぬ才能に感激。ビデオを見て,心が少しだけほころんで...。送って下さった方にとても感謝でした。

音楽もそう云う力になれるはずだから、自分に出来る事を見付けていきたい。頭の中では色々と考えは浮かんではいるのだが、なかなか行動に移すまでの気合いが出て来ない。人に元気を提供できる為にはまずやはり自分が元気でなくては...。ニューヨークでたくさんの人に励まされて、たくさんの元気をもらって帰って来たはずなのに、一週間であっという間に吸い取られてしまった。春と桜に元気をもらえるかな...。

一ヶ月

Hachiman%20Prayer_resize.jpg地震から一ヶ月。
地震にしては長かったとはいえ、3分の出来事でこんなにも人の世界は一変してしまうのですね。

今日は家のすぐ近くにある鶴が岡八幡宮で「東日本大震災追善供養復興祈願祭」がありました。鎌倉の各宗派の僧侶、神職、司祭、牧師が集結し,舞殿で祈祷を行ないました。
 
昔から親しくして下さっているお寺の住職さん、そして教会でいつもお会いしている神父様がお祈りを捧げていたので、とても心に近いお祈りとなりました。

最初は八幡宮(神道)の宮司さん,次に仏教の住職さん、次にカトリック教会の神父様、最後にプロテスタントの牧師さんがそれそれにお祈りを捧げていましたが、私の後ろにいらしたおじさんが宮司さんのお祈り、前にいらしたおばさんが仏教のお祈り、そして自分はキリスト教のお祈りをそれぞれに唱えていました。

宗教は違っても心が一つで,本当にみなの思いが伝わるように、と願うばかりです。
日本の全ての人が一日も早く,心に平安を持って生活出来るようになりますように...。

祈り

3週間経っても、言葉が出て来ません。
亡くなられた方、被災されている方、救助支援活動をなさっている方のために祈るばかりです。