たどたどしいながら
「キエフの門」のスケール感?
ニューヨークから無事に帰って来ました。今回は相当窮屈なスケジュールで何となく忙しない感じだったが、コンサートは久しぶりに自分に合格点を出せるものとなって、今は気分も晴れ晴れ。色々と細かい所では気になる事も多々あるが、一時間半のコンサートを通して自分を表現し切れた感があるのは嬉しい。「展覧会の絵」のスケールの大きさまで自分を持っていく事が出来て、理想にかなり近い形になって来ました。スケール感は身に付いたのでいつかまたプログラムに乗せる時にはもう少し余裕を持って弾けるように思う。
それにしても、新曲をプログロムに乗せるのは本当に大変。年と共に脳と体/手に新しい音楽がなかなか染み込んでくれない。
しかし、先日偶然に出逢った彫刻家の舟越桂さんの「個人はみな絶滅危惧種という存在」という本に救われる言葉がいくつもありました。
『「地図を持たずに外国の知らない街をおもしろいもの、気に入る店を探して歩くようにデッサンする。見つけるのは大変だし、レベルもバラつくが、新鮮なものに出会える。」』
『「巧詐は拙誠にしかず」
ーたくみにあざむくより
つたなくても誠意をもってなす方がすばらしい。』
巧く弾こうと思わずに自分の音楽を誠実に探すと云うのは道も不確かな上にお手本もないので、レベルのばらつきが甚だしい。自分の演奏を最近レコーディングすると自分でも思いも着かなかったいいものが出来ている時とアマチュアでももう少しはましに弾けるでしょう、と思う程に下手だったりして自信を無くす事もあったので、舟越さんの言葉は本当に心に染み入る。
いつかはこのつたなさも無くなってくれるのだろうか...?