Thoughts

January 2015

古都

とってもとってもいいものを観ました。それも全然行く気の無いものだったのに...。

鎌倉に小さな映画館があり、昔の古い映画を上映してくれるので、珍しい映画や名作をお手頃な値段で観れるという本当に有難い存在です。数年前に出来たのだが、鎌倉市民としては、最近新しく出来た嬉しいものナンバーワンかもしれません。

今回観たのは「古都」。1963年製作、監督が中村登、主演が岩下志麻さん。京都が舞台の川端康成原作の映画。チラシを見た時に全然魅かれなかったので興味も持たなかったのだが、前日に「急に行けなくなったから」とチケットが手に入り、たまたま予定が無かったので行く事に。

もうオープニングの2分間で感激。効果音の使い方やショットの美しさと斬新さにまずびっくり。(音楽が武満徹さんだったという事が今日,発覚しました(笑)。そして、映画全体を通して、とにかく全てが全てが美しい。風景も人も言葉も音/音楽も着物も所作も人の心の機微も全てがため息もの。原作が素晴らしいんだろうけど、日本古来の美意識とか美学を見せられたようで、つくづく「日本って本当に凄かった!」って思わせられました。過去形なのがちょっと残念だけど、あの映画一つの極みが凄い。今、あそこまで極めているものってなかなか見掛けないかも...。

岩下志麻さんの演技も素晴らしいし、ビックリする位に美しい。正座している姿一つに感動出来ちゃいます。
パウル・クレーの絵が出て来たり、着物なのにマニキュアしていたりと、斬新な面もあるし、着物の柄や思いがけない台詞、湯豆腐を食べる時の器一つにも興味津々。一つ一つの場面が本当に飽きさせない。
途中から色々な事に感動し過ぎて、体中を感動が渦巻いていました(笑)。

全然自分から行こうと思っていなかったものに、こんなにも感動を貰えるなんて。
本当に感謝な時間でした。

真剣勝負

先日、自分が色々と迷いを持っている人間関係について友人と話していたら、「みほさんはいつも真剣勝負だから」と云われ、何か妙に納得してしまった。友達にしても仕事関係にしても、ちょっとした知り合いでも、どんな付き合いでも、軽く流すという事がなかなか出来ないので、勝手に傷ついたり、頭に来たり、がっかりしたりするので始末が悪い。相手も大変だと思う。

ここ数週間、友人や知り合いのコンサートに行く事も多く、行く度に色々な思いにかられて、かなり気持ち的に振り回されている気がするのだが、何だかコンサートを聴いている事も真剣勝負な気がして来た。純粋にただただ感動出来る時はいいんだけど、考えたり、思ったり、分析したり、悩んだり。人間関係もそうだが、もうちょっと気軽に楽しめないものかな〜と思うようになって来ました(笑)。

昨年に衝撃的な事がいくつか起こり、今までの自分の目標にしていたものやエネルギーの方向性があまりにもあちこちに飛散してしまったので、大げさかもしれないけど、逆に今はこれを利用してとにかく「自分自身」を決めつけないで宇宙の営みにオープンになろうと思っているところ(笑)。新しい方向性や可能性のヒントとなる何かが降って来ないかなと、待っているんだけどなかなか降って来ませんね...。残念ながら。

目的や目標がはっきりしていない時はどうしても生活が雑になりがちなので、今はとにかく一日一日を大切に生きるように心掛けています。

イエラ・マリ展

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NHKの日曜美術館で昨年紹介されていて、ぜひ行きたいと思っていたのだが年末はなかなか時間が取れず、ぎりぎりセーフで行けました。

イエラ・マリさんは絵本作家で、今回の展覧会は絵本の原画や試作本が展示されていたが、その原画の緻密さにただただ驚くばかり。まだ言葉を話せない自分の子供(1〜2歳)のために描き始めたらしいが、気迫すら感じるくらいに線が繊細で緻密。人間の手でどうしてここまで美しい線が書けるんだろうと思うくらいに凄かった。何冊かの本の原画が順番通りに全て展示してあったりするので、何とも贅沢な絵本を見ているようでした。印刷されたものよりも感動が深い。

ここまで綿密に繊細に愛情を込めて描いたものはなかなか見た事がない。子供が見ても絵だけではない物を受け取っているのではないかと思う。本当に素晴らしかった。

またまたギリギリで申しわけないけど、開催は12日まで。

追記:鎌倉からかなり遠かったせいもあって、レッスン前の一時間しか見る時間が取れなかったのだが、たまたま着いた10分後に始まったイベントがありました。%E9%A7%92%E5%BD%A2%E5%85%8B%E5%B7%B1%E6%9C%AC_resize.jpg展示の方をじっくりと見たいと思って参加しなかったのだが、最後の方で今回の展覧会のパンフレットを担当した駒形克己さんのイベントと気付きました!駒形克己さんは素敵な本を作っていて、私もよく手にしていたので、超びっくり。最後の方だけイベント参加しました(笑)。素敵な作品を作られる方はやはり素敵でした。
           →駒形さんの絵本たち

寒いけれども...。

冬本番となってきました。
寒がりの私としては冬は好きではないけれど、嬉しい事が二つ。

一つは夜空がとてつもなくきれいな事。特にここ数日の満月が本当に美しい。寝る時の窓から降り注ぐような月光にハッとします。

そしてもう一つはピアノの鳴りが段違いに良くなる事。ここ数日、特に朝の楽器の鳴りが異常に良くて気持ちがいい。乾燥しているのでアクションもスムーズだし、手に耳に心地いい。

Happy New Year!

世界中の全ての人にとって良い年となりますように!