Thoughts

February 2015

キャッチボール

最近、音楽とは関係ないブログばかりになってしまっている気がするが。。。

%E6%9D%B1%E7%94%B0%E3%81%95%E3%82%93_resize.jpg未だにとても興味を持っていて、ブログも楽しみしている東田直樹さんだが、「あるがままに自閉症です」という本は本当に目からうろこの事だけでなく、妙に納得する事も多くあり、とても興味深かった。東田さんのブログを読むと自分にも思い当たる事が多々あるのだが、「あるがままに自閉症です」の中で妙に共感しながら、笑ってしまったのが「キャッチボール」について書いたものでした。「小学校低学年の頃は、ボールを取ったり投げたりする意味が分からなかった」と書いてあり、私もいつも思っていた事でした。「僕は、キャッチボールをしている間も、転がっているボールの上に腰掛けては休みました。芝生の上にあるボールはソフトボールなのにそれが大きな石に見えたからです」と云う発想は無かったが(笑)、キャッチボールっていつも不思議なものだな〜と思っていました。あれはスポーツというよりも何かコミュニケーションの手段のような気がする。うちに来ていた生徒さんとレッスンの後に時々一緒にキャッチボールをする事があったのだが、意味もなく楽しく、いつもほのぼのとした気持ちになっていたのを思い出します。

外国だとあまりのんびりとしたキャッチボール風景というのは見る事がなく、子供のピッチングをお父さん/お母さんが特訓というような本気モードが多いので、結構子供は楽しいというよりも必死。日本のキャッチボールはいい文化だな〜と思う。

脳が喜ぶ

少し前になるが、最近親しくなった方が編集のお仕事をしていらっしゃる方で、代官山にある本屋蔦屋さんでのトークイベントがあるというので行ってきました。

編集者のMさんは見た目はカッコ良くて結構ワイルドな感じなのだが、実はとても穏やかで温かな心優しい方。奥様がまたとても素敵でキュートで、イギリス人という事もあり、すぐに意気投合。本当に素敵なカップル。

そのMさんと「WIRED(ワイヤード)」という雑誌の編集者若林恵さんとの対談だったのだが、めちゃくちゃ面白かった!Mさんは「走る」事をライフスタイルに取り入れる事を扱った本の編集を手がけているので、走る事や食についての話が多いのだが、全然走る事に興味を持てない私でも凄く楽しめました。若林さんの話の持って行き方も上手いのだが、とにかく二人の相性がいいのか、どんどんと話が発展してどんどんと話が広がって行くのを見ているのがとても面白く、聞いているこちらも、理解したり考えたりするのに、脳がフル回転しているのがとても心地よかった。脳が凄く喜んでいるのが分かりました(笑)。

それにしても、相性って本当に面白いな〜と思う。見ていて爽快感すらありました!そして、終始穏やかな笑顔でいらしたMさん。脳が刺激されて、それで心も温かくなる素敵なイベントでした。

追記:Mさんご夫妻も最近のヒット出逢いだが、今回の若林さんもかなり衝撃的な方でした(笑)。話や発想があまりに面白いのでその月の「WIRED」を買って帰ろうと思ったのだが、あまりにマニアック過ぎて断念しました...。ちなみにその月のテーマは「死の未来」...。

人間に必要なもの

先日、テレビでトルストイに関する長編のドキュメンタリーをやっていて、今まで全然知らなかったロシアのあらゆる面を見る事が出来て、とても面白かった。

トルストイの思想自体が敬虔なクリスチャン思想から根付いているもので、その元となるアーミッシュにも近いキリスト教の宗派がロシアのあちこちにコミューンを作っていたのにも驚いた。トルストイはそのライフスタイルに憧れ、そしてそういうコミューンの支援もしていた。

そして、今ではそのトルストイの思想や文学を土台として生活をしている人々がいる。
ドキュメンタリーは昨年のものらしいが、今の時代に機械を使わずに広大な大地を耕しているのを見ると、何だか逆にその人たちの内なる強さが見えて来て感動してしまいます。
10代の男の子がトルストイ全集を愛読書にしていたり、3歳の女の子の一番最初の教科書がトルストイの書いたものだったり。

一番驚いたのは、トルストイの本がロシア国内で発禁になった時に、国外で出版されたものが国内に秘密に持ち込まれ、それを人々が手で書き写した事でロシア全土に広まったらしい。
読むのでさえもあんなに大変なものをロシアの人達が手で書き写していたかと思うと気が遠くなる。ロシアの底力を見せられたような気がする。凄い...。

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「人間には本当に必要なものがある。それを提供できる仕事を、本物の仕事というのではないか。・・・・・」

トルストイの残してくれたものは人間にとっての財産だと思うが、あの時代のロシアの人々にとっては本当にその必要性は切実だったんだと思う。

←実はこのブログ、先週書いたもので、今日アップしようと考えていたのだが、今日の雪の中を道を歩いていたら、道ばたに本が...。近づいてみたら、伊集院静氏の「なぎさホテル」だった。今日の面白い偶然(笑)。

花を持って

後藤健二さんのニュース。同じくらいの年齢のせいか、友人や知人で直接的に関係のある方が何人かいらして、本当に人ごとでは無くなっていたこの数週間。
心が重く、そして色々とまた考えさせられています。

月曜日のレッスンに行く途中、とてつもなく美しい富士山を見て、逆になぜか悲しくなってしまったけれども。。。

今日はやはりレッスンに行く途中で。花屋さん近くの歩道で、ピンクのダウンのジャケットを着た3歳くらいの小さな女の子が3本程のオレンジのバラの花束を持った手を天高く伸ばしながら、満面の笑みで嬉しそうにゆっくりとクルクルと回っていました。お母さんは優しい声で「あんまりまわると目が回るよ」とやはり笑顔で見守っていましたが、あまりに可愛くて一気に暗くなっていた心に光が満ち溢れた感じでした。

この世界に落胆しながらも、また希望を持てる一瞬でした。

%E6%95%99%E4%BC%9A%E2%80%99%EF%BC%91%EF%BC%95_resize.jpg祈りに思いと心を込めて...。