Thoughts

March 2015

何に

最近、ずっと音楽とは関係ないようなブログが続いていたように思うが...。しかし,日々の練習に全て感じたものは反映している筈なので無関係なようでいて、自分としては全てが同一線上にあると思っています。

面白いもので、ピアノの方はというと、今6月に向けてコンサートの準備を始めているのだが、今までとは全然感覚的に違うものを感じている。昨年の劇的なめまぐるしい変化とは違って、ツルッと何かが抜け落ちて、スポッとハマっている感じがする。これが本物だといいのだけど。。。

少し前までは、音楽的な試行錯誤を他の演奏者の演奏からヒントを得ようとしたり、音楽の真実への糸口にしようと一生懸命にコンサートに通ったり、レコーディングを聞いたりしていたのだが、最近は音楽ではないものからの方が自分の求めている答えが見付かるのでは、と思うようになって来ました。最近、ブログが音楽とは違うジャンルのものが多かったのもそのせいの気がします。

時々、ピアノの練習を通して、自分は何を探しているんだろう?と思ったりする。音が弾けるようになった後も執拗に練習しているのは何かを探し求めているからなんだと思うのだが。
結局、ピアノや音楽はその手段であって、もっと人間として根本的なものを探っているように思う。

先日、渋谷の松濤美術館でやっていた、ロベール・クートラスの展覧会に行ってきました。
全然展覧会に行くような時間的な余裕も無いのに、どうしても行きたかった理由があって。NHKの「日曜美術館」で紹介されていたのだが、このクートラスさんがとても才能があり、個展を開いたり、画廊とも何回か契約を結びながら、結局人のために売れる絵を描くのが耐えられなくなって、画廊とも決別し、貧困の中、どこで発表するでもない孤独な創造活動を続けたと云うのを見て、どうしても見に行きたくなってしまった。
人に見せるでもない、お金になる(生活のため)でもない、その創作しなくては生きていけないのはどうしてなのだろうか、とクートラスさんに限らず、よく思う事である。
やはり以前に「日曜美術館」で紹介されていた、華道家の中川幸夫さんがあまりに破格で、華道界から破門されても尚、自分の作風を変えず、極貧の中で創作し続けたというのがどうしても心から離れない。

そして、昨年、イギリス人の友人が教えてくれたニューヨークのアメリカ人の女性の写真家の話も本当に考えさせられる。生涯、一度も写真を発表する事の無かったVivian Maier(ヴィヴィアン・マイアー)。亡くなった後にアパートに残っていた膨大な量の写真が競売にかけられ、それを買い取った人がその写真家の名前を世に知らせる事を使命とし、ドキュメンタリーにもなって話題になっていたらしいが、本当にその写真が素晴らしい。

最終的には絵にしても、写真にしても、華道にしても、それは人にも喜びを与えるものにはなるのだが、「何に」かき立てられて絵を描いたり、写真を撮ったり、花を生けたりするのだろう...。答えはないのだろうけど、この孤独な道を歩んだ人達の作品を見て救われるところがある。

4年

March%2011th%2C%2715_resize.jpg

大仏様での万灯会

%E5%A4%A7%E4%BB%8F%EF%BC%91_resize.jpg今日は夕方から鎌倉の長谷にある高徳院で東日本大震災復興祈願の万灯会がありました。
仏教の色々な宗派を越えての祈りが捧げられました。大仏様に見守られてのたくさんのお坊さんのお経とたくさんの人の祈りのこもった灯りが鎌倉の夜を灯しました。亡くなられた方、そして被災された方にそのお祈りが届きますように...。

3月11日を前に

3月11日を前に周りで様々なイベントやコンサートが行われています。
今日は2本立て。
いつも行っている教会が震災直後から立ち上げている「カトリック雪ノ下教会震災復興支援プロジェクト=雪プロ」が鎌倉市の「心をひとつに」というイベントに出店するというので、行ってきました。今では馴染み深くなった被災地のあちこちの様々な名産品が売られていたり、ステージでの歌に合わせてみんなが盛り上がっていたりで、とにかく参加している皆さんの凄いパワーを感じる事が出来ました。我が教会の「雪プロ」も被災地の野菜や和菓子と共に会津野菜を使った具沢山みそ汁を売っていて、心が込もっていてとっても美味しかったです!

%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%8C%E3%82%8B%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BC%9A%EF%BC%92_resize.jpgそして午後は昨年も行かせて頂いた、「かんがるーの会」のコンサートに。
「かんがるーの会」は以前に一緒にコンサートをさせて頂いたヴァイオリンの方のお母様が発起人となり、10年計画で被災された子供たちを支援すると云う活動をなさっています。
今回は被災地で心のケアをなさっている先生の講演と、後半はご自身も被災されたクラリネット奏者を含めた4人でのアンサンブルのコンサートでした。最初の発起人の小林さんのご挨拶にしても、講演をなさった先生にしても、クラリネットの方にしても、今も被災された方達、子供たちの心に寄り添っていらっしゃるのがひしひしと伝わって来て,あの当時の悲しみを思い出すと共に、本当にこんな素晴らしい活動をなさっている事に感動致します。

講演の先生がしきりに仰っていた事「自分に出来る事をやる。無理はしない。無理すると返って厄介な事になる。」

もうすぐ3月11日。あの日の事を「心」で思い出し、色々な思いが交錯しています...。