Thoughts

November 2010

「私」

%E8%A6%9A%E5%9C%92%E5%AF%BA_resize.jpg色々な事で忙しくしているせいで統一感のない生活が続いている。
12月には生徒達のコンサート、福祉施設での子供とお母さん達のためのクリスマス・コンサートがあったり、来年のリサイタルのための練習も本格化しているので何となく頭の中がごちゃごちゃしている。

そんな中、昨日は近くのお寺、覚園寺(かくおんじ)さんまで。住職さんが昔からのお知り合いという事もあり、今回面白いイベントにお誘い下さいました。

10年程前から顔と漢字が彫られたお守りを関係のある明王院さんというお寺で売るようになったのだそうだが、今回は10周年という事でその種類も大幅に増えて、500種のお守りの展示会となっています。作家のMさんもそこで作業していらっしゃるので、お話しする事もできます。
お守りは自分で選んでもいいし、おみくじのように引く事も出来ます。私はもちろんおみくじのように引きました(笑)。今の自分にとって必要な一文字を頂けるようにお祈りしてから。。。

頂いた漢字は「序」。意味は「はじまり」に関連するものが多く、今一つピンと来なかったのだが、Mさんが漢和辞典で調べて下さると、漢字の成り立ちは「まだれ」が部屋、囲いを表し、「予」は音を表すそう。音とつながったのはやはり嬉しい。顔が結構しかめっ面なのが気になるが...。「はじまり」という意味があるから、まだまだ厳しい道が控えているという事だろうか(笑)。

色々な顔のお守りを見ていて私が一番気に入ったのは「私」というものでした。顔が二つ並んでくっついていてその両方の顔がとっても嬉しそうでかわいい。森本さんに「どうして顔が二つなんですか?」とお訊きしたら『あれは「私が二人いる」とか「二重人格」という意味ではなく、どこどこ(どこか忘れてしまった...)の言葉で「私」というのは「イン・ラケジ」と表現するのだけど、これは「あなたの中に私がいる。私の中にあなたがいる。全ての人の中に私とあなたが存在している。だから私たちはみんな一緒」という意味があるんだそう。これを初めて聞いて感動した日に彫ったんです』と教えて下さいました。なんて素敵な文化なんでしょう。どこの言葉だったか今度また聞いておかなくては(笑)!

それにしても、この覚園寺さんに来て、頭がすっきり。自然の美しさと静けさにすっかり癒されました。忙しい時にこそこういう時間を持ちたいものです。なかなか難しいけど...(笑)。

追記;いつも終了間近で申しわけないが、このお守りの展示会は11月30日までです。
興味のある方はぜひ!覚園寺さんの紅葉もとってもきれいです!
企画サイト:千の人,千の思い

異空間

White%20Wall%203_resize.jpg何かを発信したいという気持ちが弱いせいかブログをなかなかすっと書けないでいる...。書こうと思ったりもするのだが、書く所までなかなか辿り着かない...。

先日、久しぶりに六本木ヒルズに行きました。春までは生徒のレッスンで毎週行っていたのだが、その生徒さんがヨーロッパに引っ越してしまい、めっきり六本木とは縁がなくなってしまいました。あるお店に用事があったのだが、ちょうど駅を降りたら見たいと思っていた展覧会のポスターが貼ってありました。生徒のレッスンの帰りで8時を過ぎていたのだが、10時までやっているというので急遽行く事に。

White%20many_resize.jpg『"Sensing Nature" - ネイチャー・センス展』というもので日本のアーティストのインスタレーション。森タワー内にある森美術館での展覧会。NHKの「日曜美術館」で紹介していたのを見て、まさに異空間を体験出来るような気がして行きたくなったのだが、その期待を裏切らなかった。とにかく空間を贅沢に使っていて、普段の生活とはかけ離れた精神世界に連れて行かれました。

以前にも森美術館には一回行っているのだが、会場が完全に自由に解体出来るのか部屋割りがまず凄い。おまけに床、天井、壁が全部白、または黒く塗られているので、とても不思議な気分になる。White%20Water_resize.jpg{今では超有名になってしまったイギリスのSaatchi Collection (サーチ・コレクション)はテムズ川沿いの大きな美術館とまでなってしまったりもしたが、20年程前は北のHolland Park (ホランド・パーク)の住宅街の中に存在していて、インターホンで入るような倉庫になっていた。私はここで「建物内が全て白」という初体験をして、その不思議さに大感激したのを覚えている。}

それぞれのインスタレーションのスケールの大きさには感動するものがあり、「見る」という行為だけではなく、自分の体の感覚全てで空間を体験するという事が出来ました。アートの意味は千差万別だと思うが、その一つに世界の中に位置する自分の存在、自分が持っている存在の固定観念を考えさせられるものがあるように思う。日々の日常から離れて、つかの間の精神的自由を味わう事が出来た有意義な時間でした。

追記:この展覧会は11月7日(日)まで。。。