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September 2011

南三陸町支援プロジェクトin湘南 チャリティーコンサート

MK%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB_resize.jpg9月23日に10月のリサイタルに先駆けて、茅ヶ崎でチャリティーコンサートで弾かせて頂きました。

3月の震災以来、音楽を通して自分なりに出来る事をしたいと思っていたのだが、なかなかそれが形にならずにとても残念に思っていました。

しかし、茅ヶ崎で以前からお世話になっているKさんが、被災地となっている南三陸町名足地区に直接自ら定期的に物資を運んでいるお話をお聞きした時に、その支援となるようなコンサートを考えて下さり、今回のような形を取る事が出来ました。

Kさんのご家族、そして国際ソロプチミスト寒川の皆さんの多大のご協力のおかげで、実現したコンサート。とても和やかな雰囲気で、皆様の温かさに支えられました。本当にこのような形で私も少しでも協力出来た事に感謝しています。

演奏内容に関しては10月のリサイタルに向けてのあまりの気負いと必死さで、反省する点が多く,自分としてはとても残念だったが、翌日に頂いたコメントで大きな発見があり、見失っていた自分を取り戻す事が出来ました。先週までは本当に苦しみながらの練習でしたが、今はとても楽しく音楽と向き合えています。
支援したいと思っておこなったコンサートでしたが、逆にその後に頂いたコメントに救われた思いです。

10年、そして6ヶ月

9月11日。ニューヨークのテロ事件から10年。そして東日本大震災から6ヶ月。
たくさんの方が亡くなり、そしてたくさんの方が悲しみと共に生きなくてはいけなくなってしまった二つの出来事。ニューヨークも日本も自分にとっては大切な場所なだけに本当に心が痛みます。亡くなられた方のご冥福、そして残された方が一日も早く悲しみを乗り越えられるように祈るばかりです。

2011年夏:フランスでのコンサートⅤ

今回のコンサートは実はブリッジ・カルテットが主催した夏期講習の中での催しものでした。アマチュアの音楽家達がそれぞれに四重奏(カルテット)のグループに振り分けられ、講習をブリッジ・カルテットのメンバーから受ける形です。講習を受ける人数が20名、その上に家族や友人達も来ているので相当の人数が集まっています。なので、基本的にコンサートのお客様は講習を受けに来た方達でした。
私も色々な人に「来たいんだけど」と云われたのだが、残念な事に今回は随分とお断りしてしまう事になってしまいました。

それでも、二人だけ(笑)、招く事が許されたので従妹と従妹のボーイフレンドがニューヨークから来てくれました。

コンサートはシャトーの居間に椅子を並べて、40人程の小さなサロン的コンサートでした。とにかく雰囲気が温かく、何ともゆったりとした空気が流れていました。

最初はベートーベンの弦楽四重奏。自分は集中するため外で音を聴かないようにしていました。そして、ソロのリスト曲3曲。ピアノも部屋の雰囲気も音楽にあまりにぴったりで、自分はどこにいていつの時代にいるかを忘れてしまうような感じです。それでもやはりソロ曲は責任もあるので、浸っている訳にはいかず、出来るだけ集中力が飛ばないように気は張りつめていました。

しかし、ソロも弾き終わると気持ちも解放されて、後半のエルガーは本当に楽しみで仕方がなかった。そして、実際にとても楽しめました。リハーサルが少なかったので、相当気は引き締めていたが、それでも既にカルテットとの信頼関係が出来ていたのでとても自由にお互いに弾けたように思う。

実は終わった後にチェリストの人から凄く嬉しい褒め言葉を頂きました。「みほと演奏出来て本当に良かった。みほのピアノは凄く"しなやか"だね」という言葉でした。「しなやか」という言葉は室内楽においては本当に嬉しい言葉です。日本では全く重宝がられない特徴なのだが、自分では音楽的に目指しているものの一つなので、そこを認めて喜んでもらえたのは本当に嬉しかった。

お客様もみんな喜んでくれたようで、次の日から夏期講習の生徒さん達からコーチングをして欲しいと云うリクエストがたくさんありました。何だか急に引っ張りだこになってやけに忙しくなってしまったけど、その後の数日間、コンサートの余韻を楽しみながらのとても充実したモルゴン滞在となりました。こんな素敵な所で素晴らしい曲を素晴らしいブリッジ・カルテットと弾く機会を頂けて本当に大感謝でした。

2011年夏:フランスでのコンサートⅣ

ちょっと脱線するが、今回の旅で色々とびっくりした事がたくさんあるが、その中の一つが実はコンサートに大いに役立ちました(笑)。

Tom%20Pate_resize.jpgコンサートの前日に、カルテットはモルゴンから一時間程離れた所でコンサートがあり、車に乗り切れないので、私とチェリストの旦那様が残る事になり、一緒に二人で夕食をする事になっていた。しかし、シャトーのオーナー家族も誘った所、一緒に行きたいというので結局5人で食事に行く事に。フランスでの初めての外食は少し塩が利いていたが、地元のワインと一緒だとそれも美味しい。大きな鍋ごと出て来るパテやチーズボードごと出て来るチーズに感動しながら、とっても和やかなディナーを楽しめました。実はこの時が唯一の少人数での食事だったのでとても貴重な時間でした。

シャトーに帰って来てから、どうしてそう云う流れになったのか思い出せないが、オーナーの息子さんがピアノを弾いてくれる事になりました。これが、超びっくり!!!弾いてくれた曲がワーグナーのトリスタンとイゾルデの有名な曲をリストが編曲したもので、和音が超複雑なのに、何だか異常に上手くて本当に感激/感動してしまいました。Tom%20Piano_resize.jpgその後も色々と弾いてくれたが、全然音楽を専門的にやっていない人がこんなにも上手に、しかも自己表現出来る事に相当ショックを受けました。やはりヨーロッパは文化の歴史の深さが全然違う。

そんな訳で、コンサートでのエルガーの五重奏曲の時の譜めくりをどうしようか、と最後まで一人で悩んでいたのだが、これはいい人を見付けちゃったと思い、すぐにお願いしました。快く引き受けてくれたので、翌日のコンサートはもう準備万端!


2011年夏:フランスでのコンサートⅢ

フランスへは飛行機でリヨンまで。他のカルテットのメンバーは皆、車での移動なので別行動。車で一緒に行かないかとも誘われたのだが、コンサートを2日後に控え、日本からの時差もまだ落ち着いていない体調の事も考えて飛行機で飛ぶ事にしました。

Chateau%20Front_resize.jpg飛行機で一時間強。あっという間に着きました。リヨンの空港から街中の電車の駅までかわいいトラムに乗り、そしてリヨンの駅からさらに電車で一時間の街Bellevilleで降ります。そこからまた車でMorgonまで約20分程。ぶどう畑が一面に広がっていて本当にきれい。

シャトーは中を明るく改築していて、とっても素敵なのに住み易い。新しく買ったと云うピアノはフランスの「エラール」社の100年前のものでした。中を全部新しくしているので、アクションは良く、そして古い楽器にしかない独特の深みのある音もしているので私としては理想的な楽器。ダンパーが下から上に押し上げる珍しい形(写真を撮らなかったのが残念。。。)で弾き終わった後に残る残響が多いのが気になったが、弦の人にとってはそれは逆にいいらしい。ピアノの残響と響き合って音が豊かになるらしい。

「エラール」はリストも好んだ楽器らしいが、今回のソロのリストの曲を練習し出したら、今まで想像しなかった事が軽々と色々と出来て大感激。温かみがあるのに軽やかな音、というなかなかないコンビネーションで何だかどんどんとインスピーレーションが湧いてしまった。

Bridge%20Quartet_resize.jpgそして、夕方にはメンバーの皆も到着。ロンドンで最後に別れてから24時間経っていないのに、フランスでまた再会というのが不思議。

ここで一週間程を過ごしたのだが、それはそれは本当に素敵な時間でした。美しい景色とたくさんの美味しいもの、そして心の温かい人達とたくさんの音楽を満喫出来た充実した一週間でした。


2011年夏:フランスでのコンサートⅡ

ロンドンからフランスに飛ぶ前にロンドンでのリハーサルは二回。
一回はチェロのLucyとだけで、テンポや全体像の打ち合わせ的なリハーサルでした。実は今回一緒に弾いたBridge Quartet (ブリッジ・カルテット)は数カ月前にこのエルガーのピアノ五重奏を他のピアニストと弾いていたので、カルテットの方としては音楽的な方向性は大体決まっていました。なので、Lucyから大体の感じを教えて頂く、いい機会となりました。

そして、フランスに行く前日に教会で全員でのリハーサル。初めての顔合わせなのに、何だか上手く合い過ぎてちょっと怖い程。第一バイオリンのColin(コリン)が音楽的にもみんなを引っ張っていってくれるので、リハーサルもどんどんはかどる。これも彼が本当に素晴らしい音楽を持っているから成り立つ事で、彼の提案には誰もが納得してすぐに取り入れて行く感じです。もちろんみんなでアイデアは出し合える雰囲気ではあるので、みなそれぞれに気になった事はすぐに修正したり変えていったりもするが、これだけリーダーがはっきりとしていると本当にやり易い。合図やバランスの確認やややこしい所が数カ所あるだけで、後は本当にスムースにいきました。
夕方からリハーサルし始めて終わったのは夜の8時頃。まだ外は明るかったのだが、みんなにお別れを云って、次の日、朝5時出発です!

2011年夏:フランスでのコンサート

コンサート準備に追われてなかなかブログが書けないでいたが、少し一段落したので夏の旅の事を少し書いていこうと思っています。

今年の夏はイギリスとフランスへ。イギリスはロンドンをベースにして友人達にあったり、コンサートや演劇を観に行ったり。大好きな国で大好きな人達にいっぱい会って来て、本当に心満たされる時間を過ごして来ました。

しかし、今回の旅の一番の目的はフランスでのコンサートでした。フランスに行くのは実に14年ぶり!今まではイタリアが好きでイタリアばかりに目が行っていたが、今回は本当にフランスの良さを発見する旅となりました。

Chateau_resize.jpgコンサートはボジョレー地域のワイン・カントリーのシャトーで。本当に全てが美しい。ぶどう畑も空も、周りの自然も建物も本当にうっとりしてしまいます。こんなに周りが美しいと何だか、コンサート前の緊張も和らいでしまったような感じでした。今回のコンサートは弦楽四重奏とのコンサート。前半がベートーベンの弦楽四重奏曲、そしてピアノ・ソロ。後半がエルガーのピアノ五重奏曲。さすがにピアノのソロ曲はプレッシャーも責任もあるので相当気が張っていたが、後半の五重奏曲は楽しみの方が大きくて本当に楽しめました。

このエルガーのピアノ五重奏曲。日本ではなかなか演奏されないがイギリスでは結構有名でファンが多い。今回この曲を演奏する事になったのも、シャトーのオーナー(イギリス人)の一番好きな曲だそうでリクエストがあったらしい。私も今回弾く事になったので初めて聴いたのだが、最初に聴いた時に一聴き惚れでした。結構弾きにくかったりして練習も大変だったが、それでもロンドンに行くまでの2ヶ月、この曲をカルテットと一緒に弾けるのかと思うだけでワクワクしていた。ピアノ五重奏というのも初めてだったので、それも楽しみの原因の一つだったように思うが、とにかく準備期間をこんなにも楽しく過ごせたのは珍しい。

日本から最初にロンドンに飛んで、そこでカルテットとリハーサルをする予定になっていたが、ロンドンにいる間に今回一緒に弾くカルテットのコンサートがあり、聴きに行きました。20年も一緒に弾いているカルテットなのでその音の混ざり具合にまず大感激。4人が合わせて弾いているというよりも、一つの音楽を4人で作っている、という正にカルテットの理想的姿を見せてくれていました。一体感が凄い。「こんなに素晴らしいカルテットと一緒に弾くのか〜...」と最初はちょっと怖じ気づいてしまったが、そのうちに気持ちも切り替わって、またと〜っても楽しみになって来ました。

続く。。。

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