癒されて
今回の釜石行きを考える時に、以前に一緒に作業したMさんにピアノを弾く事が 一つの目的でした。前回「ピアノ弾いたらみんな喜ぶと思うよ」と云われた時になんで弾かなかったんだろう、とつくづく後になって後悔していたのだが、今回、釜石に向かうローカル線に乗っている時に急に理由が分かりました。被災地に入る時の緊張感だけでなく、気持ちも体も急に萎縮する感覚に陥りました。この時に「こんな状態だったらやっぱり弾けなかったのは仕方がなかった」と思いました。
そして、今回は機会があれば弾こうとは決めていたけど、実際の現地にいる感じは音楽、特にクラシック音楽からはまだ遠い気がします。自分も2日目位から自分がピアノを弾く人間だと云う事をすっかり忘れていました。何のジャンルにしても「音楽」そのものが聞こえて来る事がほとんど無かったように思う。
実はリサイタルが終わってからも、目覚めた瞬間から頭の中で前の日に練習いた音楽が鳴っていて、神経が異常に覚醒し過ぎている感があって困っていたが、これは釜石に行っている間に無くなりました。本当に音楽とは無縁の4日間。
帰って来た翌朝(前日の真夜中に帰って来たので)に最初に耳にしたのは、友人が10年以上前に作ったCD。以前から「いいな〜」とは思っていたけど、今回はつくづく癒されました。こんなにもピアノの音が心に染み入るか、という感じでした。こんなに感動すると、「今回は弾けなかったけど、録音して送ろう」なんてまた張り切っちゃうんだけど、やはりこれも離れているから感じる事なんだろうな〜と思ったり...。
心に染み入ると云えば、つい先日、出掛ける前にちょっと教会に寄ってお祈りしようと思ったら教会で親しくしているKさんがオルガンの練習をしていました。陽の光がちょうど窓から差し込んでいて、曲も素敵だったのだが、Kさんの弾き方がまたとても優しい感じでとても癒されました。ご挨拶しようかなとも思ったのだが、あまりに素敵な空間だったので、そのままそ〜っと出て来ました。
最近つくづく音楽の素晴らしさに目覚めているような気がする。自分で弾いていてもそうだし、クラシックだけでなくスポーツクラブで運動をしている時のポップス系の軽い音楽にも感動している自分がいる。何だか今頃になって音楽が体の中に完全に入っていっている感じがする。今、ばりばりと練習している訳ではないが、さなぎ状態で音楽的な大きな変化が起きているように思う。
釜石4日目。
それにしても海が美しい。前日に仮設住宅の方と鎌倉の海の話になり、彼が「湘南の海は水が濁っているよね」と云うので、「確かに夏はそうだけど、冬の海はきれいですよ」と切り返したが、この釜石の海の色は深みがあるのに独特の透明感があり、毎回見る度にその美しさに感動してしまう。この海が、と思うと悲しくなったり...。
午後は喫茶スペースでお茶を出したり、手芸のお手伝いをしたり。
この日は山間にある仮設住宅。抜けるような青空に山の紅葉が映えて、とても気持ちのいいお天気でした。しかし、寒さも半端なく、喫茶スペースとなる集会所の部屋も床も冷えきっていて相当寒い一日になりそうな予感。。。
1時間半程回った後にサロンに戻ると、あんなに寒かった集会所が熱気でムンムン。窓が全部曇っていました。おば樣方が手芸で盛り上がっていて、とっても楽しそう。今回釜石に来て、こんなに楽しそうな顔と声をたくさん見聞きしたのは初めて。とても嬉しくなりました。子供やおじさま方もいらして、本当に賑やかな雰囲気でした。
釜石での2日目。
9:30に4人で出発。
今回は弾く機会も場所もあるか分からなかったのだが、そういうチャンスがあったら、と思って小品や子供のためのアニメの曲や童謡等を何曲か準備していきました。
ベースキャンプに帰って来て、ミーティング。夕食は香川からいらしていたボランティアさんの手打ちうどん。その後、いつも行っている銭湯は定休日なので、車で10分程のホテルのお風呂に入りに。神父様を含めて4人で。神父様とお風呂に入りにいくと云う体験はあまり出来ません(笑)。
今ひとつ元気を取り戻せていない自分がもどかしいが、それでも時は流れていて。。。
ベースキャンプに近付くと,壊れた建物が多く残っていながらも、前回はなかったコンビニの明かりがこうこうと付いていて、復興は進んでいるんだな〜と思えました。コンビニは何とも云えない安心感を与えてくれるのが不思議。
リサイタルというのはいつも思うのだが,本当に特殊なもののような気がする。