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水晶玉のような

文化の日にふさわしく、今日はサントリー・ホールでの恩師のリサイタル。
ハイドン、ベートーベン、ウェーベルン、シューマン、と堅いプログラムでしたが、素晴らしいコンサートでした。一点のくもりのない、水晶玉のような魂にしか出せないような、透明でピュアな音、そして真っすぐな音楽は先生の生き方や音楽に向き合う姿勢を映し出していて、本当に背筋を正される思いです。

アンコールにブラームスの間奏曲を弾いて下さったのだが、それはそれは繊細で深い素晴らしいものでした。思えば、私がブラームスを好きになり、いつかはいいブラームスを弾きたいと小さい時に思ったきっかけは、先生がレッスン中に弾いて下さったブラームスでした。

自分の6月のリサイタルの数週間前に先生に全プログラムの通し練習を聴いて頂いたのだが、「音楽が小さすぎる」「深さが足りない」「激しさが足りない」とたくさんのダメ出しを頂きました。その後、ピアノに向かうと、なるほどまだまだ出来る事がたくさんあって、自分なりにリサイタルまで、音楽を大きく、深さ、激しさを最大限に出来るように精一杯頑張りましたが、今日の先生の演奏を聴くと、本当にまだまだまだまだまだまだ追求しなきゃいけない、もっともっと真剣に向き合わなきゃいけない、と思わされたと共に、こんなに素晴らしい先生に何年もレッスンして頂けた事に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

明日からまた心新たに精進!

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