シンドラーのリスト
クラクフの聖マリア教会
先日テレビで映画「シンドラーのリスト」をやっていた。ずっと観たいと思っていた映画だったが、なかなか3時間という長い時間を取るチャンスがなく今に至ってしまった。
昨年の夏、アウシュヴィッツに行くのが目的でクラクフというポーランドの一番近い街に行きました。ついこの間歩いた町並みやミサに与った教会、シナゴーグが集中してるユダヤ人地区、そして強制収容所が映画にそのまま映っていたので、とても複雑な思いでした。
アウシュヴィッツの平和祈念碑
とても不思議なのは、当時虐殺があった広場はそのままに残っていて今では人で賑わっており、闇取り引きがされていた教会ではミサがおこなわれているのです。ベルリンに行った時に壁にまだ第二次世界大戦の銃弾が蜂の巣のように残ったアパートに普通に人が暮らしているのを見て同じような複雑な心境になったのを思い出す。さすがに大虐殺のあったユダヤ人居住区は閑散としていましたが...。しかし、その居住区にはユダヤ人の歴史や文化を展示している博物館がいくつもあり、今まで疑問に思っていた事を色々と知る事が出来ました。ある博物館では第二次世界大戦中の写真や展示品があり、その中にシンドラー自身や彼の工場、そして彼が救った多くのユダヤ人の写真もありました。
これらの写真は普通の住宅街の建物の一室に展示されていたのだが、ちょうど見ている時に窓の外から、ショパンを練習しているピアノの音が聞こえて来ました。(何度も同じ所を繰り返していたのでCDではありませんでした。)前日にアウシュヴィッツに行ったのだが、あまりに凄い所で本当に言葉も感情も失ってしまっていた気がします。恐ろしい、悲しいを通り過ぎて、涙のひとつも出ませんでした。ところが、このピアノの音を聴いた途端に涙が止まらなくなりました。
本当に人間は素晴らしい面と共に恐ろしい面も持っています。自分が本当に追いつめられた時に本当に正しい選択ができるか、とても不安です。その選択を迫られる時が来るならば、少しでも自分の心が「善」に傾くように過去の間違いを直視ししなければ、と思っています。
「シンドラーのリスト」を撮影中、監督のS.スピルバーグは毎日ホテルの部屋に帰っては泣いていたそうです。映画は当時の現実の悲惨さには到底届かなくても、このような事が絶対に再び起こってはいけない、という思いは本当に多くの人に残されたのだと思います。