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偶然?

チリ鉱山に閉じ込められていた33人が全員無事に救出され、本当に良かった。最後に助け出されたリーダー的存在のウルスアさんが引き上げられた瞬間が何度も放映されたが、毎回感動する(笑)。あんなに深い地下に救助隊員が6人も送り込まれて、鉱員全員が助けられても何となく心が落ち着かなかったがその6人も無事に引き上げられたらしいので、本当に良かった。久しぶりのいいニュースに心が湧きました。

さて、最近、色々と人との触れ合いや人としてのあり方について考えさせられる事が多い。それが、最終的にその人の人生を物語るものとなり、そして私に関しては、音楽そのものに反映されるのだと思っている。音楽は最終的に作り出すものでなく、その人のそのものを語るものだと思う。

%E7%9F%B3%E7%89%9F%E7%A4%BC%E9%81%93%E5%AD%90_resize.jpg先日テレビでトルコのノーベル賞作家オルハン・パムクさんが来日した際のドキュメンタリーをやっていたが、彼の哲学を色々と聞いているうちにピンと来るものがありました。今まさに読んでいる本の作家、石牟礼道子さんの事を思い出したのだが、数分後にはその石牟礼さんとの対談となっていました。石牟礼さんは水俣病との関わりを通して、今私たちが進んでいる文明の行く末に対する疑問を投げかけている。(友人が貸してくれた本「言霊」にも今もなおも続く水俣病の問題が書かれていて相当ショックを受けました。)そして後半にはパムクさんの大江健三郎さんとの対談。一番興味を持ったのは大江さんの発言で(言葉がうろ覚えで申しわけないが)「想像力はいかに人と自分を重ね合わせられるかという事で最も重要」というような事を云っていた。人の痛みや悲しみ、喜びをいかに自分と重ね合わせられるか。その想像力を読み手に呼び起こすのが作家の役目という事も云っていたと思うが、これは実生活の中でも私たちが日々心得ていなくてはいけない心構えなのではないだろうか。

音楽ももちろんそうで、作曲家と自分を重ね合わせる事もそうだが、日々の生活の中で他人と自分を重ね合わせる心のひだがなければ音楽の中だけで作り上げた世界は虚構に過ぎないのではないか。
年を取れば取る程に音楽がその人の人生そのものを反映しているように感じて来ている。自分がどう生きるか=どう人と関わりを持つかに色々と迷いを持っている今日この頃なので真実と思える自分の進むべき道を見付けたい。

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