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釜石1月:思い出

%E5%A4%A7%E6%A7%8C%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E5%A0%B4_resize.jpg釜石での活動二日目。
NPO団体パレスチナ子どものキャンペーン主催の写真洗浄。こちらは活動場所を点々としていて、今回も場所が大槌町中学校に変わっていました。初めての時は避難所にもなっていた大城山体育館の入り口、そこから廃墟になったパチンコ屋さんに移り、私が11月に行った時には大槌小学校になり、そして今回が大槌町中学校。今回の作業場所は体育館の2階にあり、窓にはちゃんとガラスも入っていて外からの光も入るので、今までの作業場所の中では一番環境は良かったような気がします。(水、電気は通っていないが...。)しかし、アルバムや写真の傷みや腐食は時間と共に進んでいて、カビや砂ボコリが相当ひどく、「マスクは必ず二重にして下さい」との指示がありました。石油ストーブは二つ焚いているが、相当寒いので、換気よりも暖かさを優先にした密室での作業。長期で活動していらっしゃる方は本当に健康への影響が心配...。

%E5%A4%A7%E6%A7%8C%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E4%BD%93%E8%82%B2%E9%A4%A8_resize.jpg担当のMさんとは今回お会いするのが三回目。「また来てくれたんだね。ありがとう。」と迎え入れてくれました。いつ来ても本当に一つ一つの写真を大切に扱っているMさんには頭が下がります。ご自身も被災なさっているので、思い入れが全然違うのだと思います。今回初めての事だったのですが、作業している最中に、Mさんがお知り合いの方の写真を見付けられていて、その方のお話をして下さいました。

それにしても写真はまだまだ膨大な量が残っています。写真洗浄をしながら色々な思いが交錯するのだが、釜石から帰って来てから、この話を友人にしたら「以前に本で読んだんだけど、人が火事や災害等で自分の大切な人やものを全て亡くした時に写真一枚残っているだけで、全然違うらしい。人間にとって思い出の消失というのは本当に辛い事なんだ、って書いてあったよ。」と教えてくれました。

一人でも多くの人が写真を見付けられて、これからもたくさんの良い思い出となる写真を撮れるように、と願うばかりです。

写真右上:写真洗浄の作業場から撮った写真。窓の外にはとてつもない数の潰れてしまった車が並べられている。「つい最近も車の中から骨が出て来た」という話をしていらっしゃいました。

写真左下:体育館に置かれている洗浄前と洗浄後の写真。
ちょっと分かりづらいが奥の方の床がせり上がっている。

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