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花が開いて

二つのコンサートが終わって一段落。

一つは12月2日のヴァイオリンの小林正枝さんとのコンサート。
正枝さんとは今回、初めてのアンサンブル。正枝さんはベルリンに留学中なので、秋口にコンサートが決まってからはもくもくと一人での練習。コンサート一週間前からの詰めてのリハーサルとなりました。正枝さんの演奏自体聞いた事がなかったので、最初のリハーサルは楽しみな反面、お互いの様子見と云った感じでした。それでも、やはりヨーロッパのいい音楽を吸収している最中とあって、流れは自然でとても合わせ易い。あまりに呆気なく合うので逆に少し拍子抜け。2回目のリハーサルは「少し掘り下げていきましょう」という事になり、お昼を挟んでの6時間近いリハーサル。合わせれば合わせる程、お互いに見えて来る事もあってこんなに長時間に。。。
そして、本番。本当に舞台の上での正枝さんは素晴らしかった。一緒に弾いていて思ったのだが、舞台上でどんどん花(華)が開いて来るようでした。

舞台というのは本当に不思議で、リハーサルでどういう風に弾いていたかが意外と参考にならない。リハーサルと全く同じに弾いてしまう人は意外と少ないと思う。同じに弾かれても面白くないのだが...。

やはり良い演奏家は最初硬くても、どんどんと乗って来て、空気も読んで普段では出せない大きさやエネルギーを発するものだと思うのだが、正枝さんは型にとらわれずに本番で自由に演奏していらしたので、アンサンブルが本当に楽しかったです。
プログラムも今年取り組んで来たシューベルトとラフマニノフが入っていたので、最後を飾るのに相応しいコンサートとなりました。

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