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弾き合わせ

相変わらず大曲に挑戦のMちゃん
Midori%20playthrough_resize.jpg10月の中旬くらいにはもうハイドンのソナタは来年のリサイタル・プログラムには入れられない事が分かったので、キリを付けるために、友人のMちゃんに聴いてもらう事にしました。曲を寝かせる事はとても良い事だが、新曲はやはり一度人前で弾いた方が身に付くので11月の頭に弾き合わせをする予定を立てました。

ピアノは一人で黙々と練習する楽器なので、知らず知らずのうちに詰めが甘くなりがちです。おまけに一生懸命やっていても、全然見当違いな方向に一心に進んでいってしまう事さえあるので、やはり尊敬出来る人に聴いてもらうという事はとても大切な事です。聴いてもらう日を決めると途端に練習が締まってきます。

練習は基本的にキリがないので、「今日はここまでにしておこう」と思う所が、期限付きと思うだけで「もう少しここまで頑張ろう」という風に精神的にも変わって来るし、人が聴くと思うと、客観的な耳も意識するので録音も嫌々ながらする事になります。自分の演奏を録音していつも驚くのが「自分がこういう風に弾いている」と、想像している音楽と録音で聴く音楽とのギャップです。「何、これ?」とよくびっくりします(笑)。このギャップをどうにかして縮めたいものだが...。

今回はハイドンだけでなく、プラームスのワルツ集も弾き込みのスタートを切るために聴いてもらう事にしていたのだが、自分で録音した際の一番のびっくりはブラームスのワルツの一つ。バイオリンで弦をはじくように軽やかに、という指示のもと、そう弾いてはいたつもりだったが、象の大群が土煙を上げて荒野を横断しているような演奏になっていて自分でも笑ってしまいました。ちょっとした事で、こういう事は解決されるので、怠けず録音する事は本当に重要だな〜と実感します。

Mちゃんとの弾き合わせの日は、早起きして出掛けるぎりぎりまで練習。友人といえどもやはり演奏は演奏なので緊張します。これも、コンサートレベルまで曲を作り上げるのには本当に大切な事。

ハイドンとブラームスで合計45分。体力や集中力の具合を見るのも勉強の一つ。全然演奏レベルまでは辿り着いてなかったが、自分の弱い所が一目瞭然となるので、本当にこういう機会に感謝です。

Mちゃんも近日中に控えているコンサート・プログラムを弾いてくれました。彼女に一ヶ月程前「この曲弾きたいんだけど、一ヶ月半で仕上がると思う?」と訊かれ、私としては珍しく「絶対大丈夫!」と云わず「相当頑張れば出来ない事はないと思うけどね」と少し答えに躊躇しました。しかしながら、その大変な曲をしっかりと仕上げていて、「凄い!」と、またまた感心してしまいました。本当に彼女にはいつも脱帽です。Mちゃんも45分程のプログラムでしたが、完成度が高く、自分が持っていかなくては行けないレベルを見せつけられて、「頑張らなきゃ!」という気持ちになります。


ハイドンはこれでもう見切りをつけて、今はリサイタル・プログラムに集中した練習を始めています。次回のMちゃんとの弾き合わせの日にちも決めて、今度は私にとっては新曲のショパンのスケルツォとスカルラッティー。期限付きの目標があるというのは本当に感謝な事です。

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