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チャイコフスキー交響曲第五番

08-12-19_01-27_resize.jpgせっかく楽しみにしていたチャイコフスキーの交響曲第5番だったが、自分としてはコンサートでは少し期待はずれだったので、家に帰ってからお気に入りのCDで耳直し。E.ムラヴィンスキー指揮のレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団のチャイコフスキー。Wフィルの演奏があまり良く感じられなかったのはこのCDのせいのように思う。この曲を初めて聴いたのがこのCDで、初めて聴いた時から大感激してしまったためにイメージが出来上がってしまったのは確か。考えてみると、ライブで何度もこの好きな第五番を聴きにいっているが、このレコーディングを越える演奏にはまだ出会っていない。名盤と云われているらしいが、ライブをも越えるレコーディングって云うのは本当に凄いと思う。

一時は毎日のように聴いていたCDだったが、今回のコンサートをきっかけに聴き直したのは何年かぶり。改めてその素晴らしさにも感激するが、意外と記憶に残っていたテンポよりも遅かったり、それぞれのソロパートがあっさりしていたりと色々と新たな発見が。このレコーディングが凄いと思うのがオーケストラという全体で作り上げる全体の流れ。これはもう指揮者の手腕としか言いようがないように思う。それぞれのパートは思いっきり歌わせるでもなく、淡々と流しているのに、全体としての響きは軽くなる事なく、大河のように見た目は穏やかでも、常に大きなエネルギーを含んだまま音楽が流れて行く。特に一楽章の情感の深さ、そして四楽章の緊張感と勢いの持って行き方には何度聴いても感動するし、ワクワクしてしまいます。

このレコーディングの素晴らしさを再確認して、最近は電車の中でしょっ中聴いている。生徒のレッスンから帰る満員電車の湘南新宿ラインでギュウギュウに押しつぶされながらも、目を閉じてこれを聴けば一気に広大なロシアに連れて行かれます。目を開けた時のギャップが凄いが(笑)、音楽の素晴らしさを本当に実感します。

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