Thoughts

辿り着いても...。

%E6%AA%9C%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB_resize.jpg一昨日、ヴァイオリン・デュオと弦楽アンサンブルのコンサートを聴きに真鶴まで。
なぜまた真鶴まで行ったかというと。。。

実は2年程前にCD制作をしようと思い、レコーディングはしたものの、初めてだった事もあり、色々と納得いかなかった事が...。結局、録り直しをする事に。

レコーディングをしようと決めた時に最初に録音技師さんに「響きはどうにでもなるので、とにかく好きなピアノを探して下さい」と云われました。2年前もあちこちのホールを調べては、試弾させて下さるところには出向き、やっとの思いで見付けましたが、直感で決めてしまったピアノは長時間のレコーディングには不向きでした。最初の2〜3時間で録っていたテイクは良かったのですが、時間が立つにつれ、ピアノ全体のバランスが崩れていってしまいました。もちろん、調律の方は付きっきりでしたが、微調整するには限界があると云う事を知らなかった。

なので、それ以来、時間に余裕がある時にはピアノ探しをしています。そんな中、知り合いの方が「真鶴のホールにいいピアノがあるよ」と教えて下さったので5月にホールに行ってみました。お寺が建てた総檜のホール。その名も「檜チャリティーコンサートホール」。檜は香りが素晴らしいだけでなく、見た目も美しい。本当にこんな所によくぞこんな凄いものを建てたな〜なんて妙に感心してしまった。おまけに置いてある楽器にも凄いこだわりが。中古のSteinwayを買って、中身を全部新しくしたという懲りよう。Boesendofer や他にマニアックなブランドの味のあるピアノも置いてありました。

1時間程弾かせて頂いた後に、住職さんとお話させて頂いたが、やはり素人さんは逆に鋭い。上手い下手は、音の美しさ、そして心に響くか響かないかでの評価。結構厳しいご意見やお話を色々と聞かせて下さいましたが、云っている事は的を得ていて、とても楽しかった。住職さんも私の事は気に入って下さったようで、「9月に素晴らしいピアニストが来るからぜひ聴きにいらっしゃい!」と誘って下さいました。

と云う訳で、今回のコンサートに行く事になりました。(前置きが長くなってすみません。。。笑)

数ヶ月振りに訪れたホールだったが、やはり香りが素晴らしい。入り口に入った途端に良い香りが。。。

演奏の方だが、とにかくバイオリンもピアノも音がずば抜けて美しい。おまけにピアニストに関しては、今自分が目指しているものを完成させた形で見せてくれているようでした。しかし、自分が目指しているものを追い求めているうちにハマってはいけないと思っていて注意している「罠」も同時に存在していた。終止、どのようにしたらこの「罠」を回避出来るのだろうか、と考えさせられたコンサートとなりました。

目指しているものまで辿り着くのでさえ大変なのに、辿り着いたとしても尚も心配が。本当にいい演奏までの道のりは長い。。。

entries

categories

archives