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フーガ

先日、今度のコンサートプログラムの最初の曲、スカルラッティの事で調べたい事があり、インターネットで探していたら「猫のフーガ」というものを見付けた。曲が聴けるサイトやこの曲に関するコメントが色々と見付かって面白かったが、一同に「猫とは思えない重く、暗い曲」と書いてあった。確かに猫とは到底思えない(笑)。

これに関連して思い出したのだが、あまりクラシックにそこまで馴染みのない方に「フーガってなんなの?」と云われ、凄くハッとしました。小学生の頃からフーガを勉強させられて、当たり前のように何も疑問に思わずに弾いて来たが、確かにフーガと云うのはよーく考えると不思議なもの。

フーガは数学的に、ある一定の法則に従って厳密に作られている。感情や思いとは全く関係ないとさえ思ってしまう構築美はもともと音楽が数学や天文学などの学問と同じ位置にあった由縁だと思うが、他の芸術にはない独特の位置を占めているように思う。

バッハ等は徹底して最初から最後までフーガの法則に従って曲が構築されているが、クラシック後期、ロマン派に入って来ると大きなフーガの後は意外とメロディーラインがくっきりと聞こえるようなシンプルな作りになっているように思う。苦難の末の楽園のような。綿密に構築されたものは緊張感がどんどん増すがために、辿り着く所にはとてつもない解放が待っている事になる。(一番分かりやすいのはベートーベンの第九)
今回のコンサートの最後の曲、フランクのフーガもまさにそう。なかなか辿り着くまでが大変なのだが(笑)。

スカルラッティから始った調べものだったが、辿り着いたのはフランクでした。

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