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イギリスの夏2:喜び

Prom%202010_resize.jpg毎年夏にロイヤル・アルバート・ホールで行われるクラシック音楽の祭典、プロムズ。
今年も一回だけ行く事が出来ました。ワーグナーの序曲にベートーベンのピアノ協奏曲第2番、そして後半はドヴォルジャークの「新世界」。
天井近くのギャラリーでの立ち見券は当日販売だが危うく入れない所だった(整理番号が522番!)。とにかくホール全体がはち切れそうに超満員。今まで何回もこのホールには行っているがこんなに満杯なのは珍しい。何かが起こったら、もう諦めるしかないな〜と思ってしまったが...。しかし、こんなにも一同にクラシックを聴きに来ている人達がいるかと思うと嬉しくなってしまいます。

オケはCity of Birmingham Symphony Orchestra (シティ・オブ・バーミンガム・シンフォニー・オーケストラ)。今ではベルリン・フィルの常任指揮者になっているサイモン・ラトルが育て上げたオケ。指揮者は若い人だったが最初の一音から素晴らしく、本当に生演奏を堪能しました。

ベートーベンのピアニストはイギリスで今大人気のポール・ルイス。前にブログにも登場しているが、日本の400人強のホールで聴いた時にはスケールがあまりに大きく、圧倒され過ぎてしまったのでいつかぜひとも大きなホールで聴きたいと思っていた。大物とはまさに字の通りで今回の6000人のホールでちょうど良かった(笑)。とにかく幅の広さに感心してしまった。ホールに響き渡る大きな音と、叙情的な本当にpp(小さな)音が全てクリアに聴こえて本当に素晴らしかった。

後半の「新世界」も本当に音楽が生き生きとしていて気持ちがいい。音楽を聴いていて、音楽の中の(作曲家、そして演奏家の)喜びが伝わって来る。

今回の旅では音楽関係の友人ばかりと会っていたせいか、車の中でクラシックのラジオ局を付けている人が多かったが、ラジオから聴こえて来る無名の音楽家達の演奏でも、やはり喜びがこちらにも伝わって来る事が多く、本当に聴いていてこちらも楽しくなる。弾いている人達の意識の違いだとも思うが、音程的なものもあるのかな〜と思ったり。そして、日本に帰って来てからは、その音程も湿度や温度とも関係しているのかな〜と思ったり。日本ではなかなか出逢えないあの「喜び」の感覚は何なんだろう...?

そもそもこの容赦ない暑さと湿気の中では、あの喜びに溢れた演奏をするのはなかなか難しいとは思うが...(笑)。いつになったら涼しくなってくれるんだろうか...。

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