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釜石1月:言葉の力

今日ラジオを聞いていたら、鎌倉で先日行なわれた福島出身の詩人の朗読会について話していた。詩人のインタビューもあり、震災後、言葉がいかに力を持ち、光を放つものとなり得るかを話していた。私自身もつくづく同感である。言葉が本当に重みを持つようになっているのは、発する方も受け取る方も「人」に対して敏感になっているからのように思う。

12-01-20_09-08_resize.jpg先週また釜石に行ってきました。生徒のレッスンがお休みになり、急遽行ける事になりました。今回行こうと思った大きな理由が「言葉」による後押しでした。

2週間程前から釜石ボランティアベースキャンプのブログでボランティアの数が激減している事が書いてありました。募集を何度も呼びかけていて、ある日のコメントに「身も心も寒いです」と私もお世話になったスタッフのIさんが書いていました。スタッフの中でもとても明るく元気な方だったので、この言葉が本当に心にズンと来てしまいました。すぐにでも行って少しでも力になりたいとは思っても、仕事を放っていく余裕はないので、ボランティアの方が増えるように祈っていました。

その何日か後の日曜日。教会に行くと神父様のお説教が、福島の教会を訪れ、避難していらっしゃる方達の深刻な状況のご報告でした。福島の農家の方が生き甲斐をなくし、本当に悲しい事態を引き起こしている事を聞かされました。「私たち一人一人に何が出来るのか」を考えなければいけない、と。

日曜日の夜に生徒のレッスンが無くなった事が分かり、これだったら短くても数日間だけでも行けるかもしれない、と思ったものの、あまりに急だったので心の準備がなかなか出来ず躊躇していたのだが、最後の一押しが月曜日に。

月曜日にレッスンに行く用意をしながらラジオを聞いていたら「明日は防災とボランティアの日」なんて大々的に特集を組んでいました(笑)。これはもう「行くしかない」と。

無謀ながら、夜遅く仕事から帰って来た後に仙台のボランティアセンターに翌日の火曜日からのボランティア希望のメールを送りました。本来は一週間前に希望を出さないといけないので、ダメ元でしたが、その日もベースキャンプの人数がとても少ないのをブログで見ていたので、少しの希望を持って眠りに着きました。

朝、すぐにメールをチェックしたが、返事は来ていません。
30分毎にチェックしていたのだがやはり何も返信がないので、これはやはり無謀過ぎたと反省し、「正午までにお返事がなければ、今回は諦めてまた次回お願い致します。」と再度メールしました。

一応行けるように何となく荷造りはしたのだが、今回は見送りだな〜と思い、その日に会いたいと云っていた友人に「正午に返事出来る」とメールを送り、呑気にピアノの練習をし始めました。行かないとなると、体の緊張もほぐれて来て、少し気持ちにも余裕が出て来ました。

そして、もうすぐ正午だな〜なんて思っていた11:57に電話が。
仙台サポートセンターからでした。人数がかなり少ないと云う事と、リピーターという事で要望を受け入れて下さいました。

急遽、一時間後に出発する事となりました!何となくの荷造りはやはり何となくに過ぎず、それから走り回って準備しました。忘れ物もいっぱいあったが何とか無事に出発出来ました。

%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E5%BB%BA%E7%89%A9_resize.jpg今回の活動期間は2日だけ、と短かったが本当に行けた事に感謝しています。あまりに急に決まったため、いつも事前にベースキャンプにしている電話も新幹線を降りた新花巻からしました。電話口に出たのは、ブログを書いていたIさん。明るい声で「お待ちしています!」と云って下さり、めちゃくちゃ寒かったにも関わらず、心がホッと温まりました。

今、少し人数が増えているそうですが、またしばらくすると釜石ベースは閑散期に入るそうです。もし体も健康で、少しでもお気持ちがある方がいらっしゃいましたら、ぜひいらして下さい。まだまだ人手は必要だそうです。心のケアが中心の活動です。「カリタスジャパン」のサイトでボランティアを応募しています。

今回は二日だけしか行けず、私がここにいる事は役に立っているのだろうか?とも思ってしまったりもするのだが、現地で云われた言葉にとても救われました。

「微力は無力とは違う」と...。


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