Thoughts

心で忘れない

今日は自分の教会での一大イベント,バザーがありました。毎年テーマがあるのだが、今年は東北支援のバザーで「つなぐ・つなげる」を掲げ、売上金は全額東北支援にまわされる事になりました。

焼きそばやお汁粉、炊き込みご飯や東北の各地からの特産物、宝市や手芸品、ゲームやくじ抽選等大賑わい。お天気が良かった事も手伝って大盛況でした。

そして今回の一番のイベントが地元鎌倉の医師、さかいクリニックの酒井先生による講演会でした。さかいクリニックさんは家から本当に5分のところにあり、まだお世話になった事はなかったのだが、前庭で色々と東北関係のイベントをおこなっていたり、ポスターが貼られているのは通りすがりに見てはいたものの、あまり気にしていませんでした。

しかし,「今回の講演会は絶対に聞いた方がいい」、と何人にも薦められたので、バザーのお手伝いも途中でほっぽり出して聞きに行ってしまいました。

本当に聞きに行って良かったです。お話をして下さった酒井先生は40代という事でしたが,見た目はさらにお若く,遠目からだと本当に20代と思ってしまう感じです。お話の内容から、その行動力と医師としての使命感、そして人を助けたいそのご意思の純粋さと謙虚さがひしひしと伝わって来ました。「僕の言葉だと伝わり切れないし,話しながら泣いてしまうのでもう講演会はしないと決めて1年が経つ」と仰っていたが、今回教会のお願いに応えて下さって講演をして下さった事に本当に感謝です。

やはり講演中は何度も涙されていましたが、聞いているこちら側としても酒井先生の言葉だからこそ、何度も心動かされたのだと思います。医療器具が足りなくて助けたいにも助けられない時に「本当に辛かったです」と涙ながらに話されたその声が今でも耳に残っています。医師として震災直後に行かれた彼にとっても3年経った今でも、その深い悲しみがあんなにも生々しくまだ残っているのだったら、実際に震災に遭われた人達はきっとその何倍もの悲しみを背負って毎日を生きているのかもしれない,という事を思い知らされました。

震災9日後に現地入りするためのいきさつや準備、そして当時の現地の状況等、本当に貴重なお話を聞く事が出来ました。悲しい内容と共に、酒井先生だけでなく、当時いかに多くの人が混乱の中、人を助けたいがために動いていたかという話も多く聞かせて頂けて、人間の素晴らしさにもまたまた感動してしまいました。

酒井先生は色々な活動をなさっていて、それにも本当に頭の下がる思いです。
「stop the 無関心」やこれからは「おせっかい」をどんどんしていく社会にしましょう、果ては「今日は鎌倉市長選挙だから投票にいきましょう!」など、笑いも取っていましたが、先生のモットーに一貫して「人に関心をもちましょう。つながりをもちましょう」という事が掲げられていて本当に素晴らしいな〜と思いました。お話も一時間近いものでしたが、何も見ずに話されていましたから、本当に信念のもとに話されていたのがとても伝わって来ました。

昨夜も大きな地震があり、私もパッと「被災地は大丈夫だろうか?」と頭で思ったりするので、震災の事を忘れている訳ではないと思うのだが、やはり心や感情で忘れている部分は大きいと実感した今日の大切な講演会でした。心から思い出すきっかけを頂けて本当に感謝な一日でした。

entries

categories

archives