Thoughts

当たり前

先日、お皿洗いをしながら音楽の事を色々と考えていたら、何だかこの色々と考えている事が急にバカらしくなって、空しくなって、そして何だか無性に悲しくなってしまった。あんなに色々と開眼して見えていた筈なのに、録音してみたものを聴いてみたらそれほどの進歩も無い事にがっかりして、「私一人でなにやっているんだろう?」と思ってしまった。一人で喜んだり、興奮したり、沈んだり。今色々と読み返している本は画家だったり、彫刻家だったり、小説家の本で、苦悩している事や創作者としてどうあるべきか、などとても共感する事が多いのだが、クラシック音楽に携わっている自分にとってこれは正しい道なのかを疑問に思い始めてしまった。何も無い所から何かを生み出すのとは根本的な何かが違うのかもしれない。先に完成された音楽があるのだから、自分は勝手に事をややこしてくしてしまっているのではないかと...。

真実(それも何なのか曖昧でたまらない)を追求する事が急に嫌になって、もう何も考えない方がいいのかとも思い出したのだが...。でも、やはりよくよく考えてみたら、バッハやベートーベン、ブラームスのような巨人達の音楽を自分が何も考えなかったり、追求せずに演奏してしまったら、本当に浅はかな独りよがりの音楽になってしまう事にも気付きました。偉大な作曲家達の曲を弾かせて頂いているわけだから、これくらい悩んで当たり前だと思えるようになって来ました。

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