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ショパンのバルカローレ Ⅰ

またまた久しぶりのブログ。
何もなかったかのように書き出さないと、いつまでも書けないような。
出来ることなら、また習慣化させたい。。。

来年のリサイタルのためのプログラムを考え中です。
今年の2月に長野でリサイタルをさせて頂き、その時に企画してくださったメンバーと夏前に打ち合わせがあり、来年の5月に二回目をする事になりました。2月のコンサートはブラームスのヘンデル変奏曲(30分ほどの大曲!)が入っているかなり渋いプログラムで、終わった後に「次回はみんなが知っているポピュラーな曲も入れて欲しい」とのリクエストが多々ありました(笑)。
打ち合わせでも「ショパンは入れて欲しい」「ショパンだったらバルカローレ(舟歌)を聴きたい!」とのリクエストがあったので、今回はこの線で、今色々と模索中です。

このバルカローレ(舟歌)。様々な思い出があります。
まずは、アカデミー時代にランチタイムコンサートで弾くために猛練習したのだが、この曲が今考えると、そのあとの音楽的模索の迷路に迷い込むきっかけとなった曲のように感じます。それまでは、自分だけの音楽に満足していれば良かったのが、アカデミーで勉強をするようになって、「演奏」ということを意識し出したからなのだと思うのだが、自分の内面にある音楽が素直に表現できなくなった気がします。伝えることや、音を飛ばすこと、音の美しさやフォルムや構成を常に考えることによって、自分が本当に表現したいものが何かが分からなくなってしまいました。それでも、素晴らしい先生にレッスンをして頂いて、習ったことを生かした「演奏」をランチタイム・コンサートでしました。

このランチタイム・コンサート。ハプニングもありました。舞台に出て来て、椅子に座って集中して、弾き始めようと手を上げた途端、非常ベルがなってしまいました!みんな凍りついて、私も観客席に座っていた演奏科の専任の先生の顔をみたら、とても同情したような表情で、「避難しないと」と言われ、私もお客さんもみ〜んな避難しました。結局、間違いだったらしく、30分後にまたみんな戻って来て、演奏することに。専科の先生が「大きな拍手で迎えてあげて!」というのが聞こえてしまったのだが、部屋に入るとみんな笑顔でとてつもない大きな拍手で迎えてくれて、思わず笑ってしまいました。これで、緊張もほぐれて演奏できました。

演奏内容も今でもよく覚えているのだが、終わったあともとても印象に残ったことがあり、今でも心に留めていることがあります。コンサートが終わった後に、聴きに来てくれた友達が何人も話しに来てくれたのだが、その中に「すごく良かったよ!」と言ってくれたフルートの友達がいたのだが、私がすかさず「え〜、全然良くなかったよ。。。」と言ってしまいました。それを側で聞いていたピアニストの友人がみんなが帰ったあとに、私が一人になった時に「演奏した後に褒めてくれた人に、それを否定するようなことは絶対に言っちゃダメだよ。」と諭されました。「せっかくその人が持っていたいい印象も悪くするし、その人に対して失礼だよ。」と。確かに。同じ歳(18か19!)だった友達なのに、今でも本当に有難いアドバイスだったな〜と感謝しています。なので、その時以来、自分の演奏に対してどう思おうと、その場では絶対にネガティブなことは言わないように心掛けています。

バルカローレに関してはまだ素敵な話があるので、次回に。。。

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