Thoughts

節目

令和になるということで、あまり私自身は感情移入できないのだが、やはり大きな節目なのでしょう。

大きな節目といえば、私にとってはそれが昨年の8月でした。8月は誕生日があり、50歳の誕生日を迎えました。
Birthday%EF%BC%88%E5%A4%89%E6%8F%9B%E5%BE%8C%EF%BC%89.jpg私の母は50歳で亡くなったので、20代の頃から、自分の寿命は50までという思いでずっと生きていました。いつも期限付きで生きていた気がするので、あまり老後のことも考えず、50歳までに出来るだけのことをしようといつも思っていました。そして、ついに昨年、50歳のお誕生日が来ました。まさか、こんなに元気に迎えるとは思っていなかったので(笑)、本当に50歳のお誕生日は大きなお祝いをしなくては、と一年ほど前から友人と一緒に計画を立てていました。日本では20歳を過ぎるとパーティーをすることがあまりないように思うが、海外は節目のお誕生日は特に大きくお祝いするので、カードやパーティー・グッズもとっても豊富。パーティーは基本的に本人が企画するので、私も早めにロンドンに行って準備を進めました。
 
色々とアイディアはあったのだが、最終的に運河のボートを借りてのパーティーにしました。ロンドンでの大学時代の友人たちや先生、そして、日本で教えていた生徒さん達と一緒に、元気に50歳のお祝いをできたことは本当に嬉しく、私にとってはとても大きな意味のあることでした。雲ひとつない真っ青な空の素晴らしい天気のもと、これ以上にない大きな節目のお誕生日となりました。

そして、もう一つの大きな節目。
10年程前から、ニューヨークに住んでいた時の小学校のD先生に会いに毎年アメリカに行っていました。D先生は97歳。ボストンのホームに住んでいたので、ここ5年ほどはニューヨークから電車に乗ってボストンに会いに。いつものように、今年も1月頃から、3月に会いに行く準備を進めていて、会いに行く日が決まった時点で飛行機を取り、その他の予定も組み込んで、とても楽しみにしていました。
しかし。。。。。。

2月中旬にD先生の息子さんからメールが来て、D先生が亡くなられた、ということが書いてありました。苦しまずに静かに亡くなられたということだったので、先生にとっては良かったと思い、ショックではあったが、私も今まで過ごせた時間への感謝の気持ちの方が大きかったように思います。

Boston%EF%BC%88%E5%A4%89%E6%8F%9B%E5%BE%8C%EF%BC%89.jpgアメリカ行きの旅行は全てもう予定が組んであったので、そのまま行くことにし、そして、先生の息子さんに会いにボストンに行くことにしました。いつも離れているので、あまりD先生が亡くなられたという実感はなく、ニューヨークに着いても、いつもと変わらない感じで、ニューヨークも楽しんでいました。
 ところが、ボストンに行って、息子さんの家族ともディナーをして、先生の話も色々とシェアすることが出来て、「来て良かった」と思っていたのだが、帰りの電車で急に大きな変化に気づきました。
 
ボストンからニューヨークに帰るときはいつも同じ時間ー夕方5:35分発ーの電車に乗っていました。ニューヨークーボストン間はかなりの長い距離を海沿いに走っていて、車窓から見える風景がとても美しい。特に日が沈む時刻に乗っているので、その海岸線と海岸沿いの素敵な家を見ながら、先生と会った楽しい時間を思い返して、いつもはとっても幸せな気持ちで、帰って来ていました。ところが、今回はその楽しい時間がないままに、電車に乗っていたので、幸せ感もなく、急に先生がいないことをじわじわと実感。そして、ニューヨークが近くなってくると、いつも煌びやかで華やかに見えていたマンハッタンの摩天楼も、今回は何とも色褪せた、寂しいものに見えてしまいました。

D先生との強い繋がりは、私にとってはアメリカとの強い繋がりともなっていたし、本当に楽しかった子供時代、小学校時代との強い繋がりでもありました。

今回のアメリカの旅は楽しい時間ももちろんたくさんあったのだが、私にとっては大きな区切りの旅となりました。寂しい気持ちもあるのだが、アメリカや楽しかったアメリカでの子供時代への執着から解放された感じもあります。これからは過去に囚われることなく、前を向いて生けていける感じがして、ちょっと楽しみになって来ました。

「令和」とともに、自分も新しく!

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