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静かな一日

Piano%26Music%EF%BC%93%2008-01-13_01-10_resize.jpg今日は久しぶりに意外と静かな一日。
朝は生徒のHちゃんのレッスン、そして午後は教会に行きましたが、それ以外は風邪気味という事もあり、家でおとなしく。こういう日こそ練習に集中出来ます。
 基本的に練習は毎日するようにしていますが、よっぽど、意識して時間を取ったり、時間を空けたりしないと「集中した」練習時間というのは取れないものです。コンサートがある時は練習が最優先となりますが、演奏機会がない時でも音楽を育てるために練習は大切にしたいものです。音楽家としては当たり前の事ですが...。しかし、これがなかなか色々と誘惑があって難しい...。
 

 今取り組んでいる曲のひとつがブラームスのワルツ集。いつかはやりたいと思っていた曲だが、いつもコンサートを主催して下さっているKさんに「ブラームスでお好きな曲は何ですか?』とお尋ねしたら「ワルツ集だね〜」と仰ったので、次のリサイタルに乗せるべく、練習し始めました。私はパッと弾ける方ではないので、初めて弾く曲は本当にイライラします。良い曲となると尚更です。とにかく早く弾きたいという思いが強くなるので、頭と指とが付いていかないイライラとの闘いです(笑)。しかし、初めて実際に自分で音を出して音楽が聞こえて来た時の喜びもあります。楽譜を見て、頭の中で音楽の流れみたいなものは聞こえてはきますが、やはり実際に音にすると驚きや発見が色々とあります。例えば、写真で見るピラミッドと、実際に見るピラミッドが違うのと同じようなものです。
今日も初めて弾いた一曲の中で予測しない所でゾワーッと鳥肌が立った所がありました。まだ、音を探している状態で、テンポも遅く方向性も全然考えていないのにこんなにも感動できるのは、音楽が出来上がる前にすでにその音の中にそれだけの要素が含まれているからという事です。残念な事に段々と練習していくうちにこの感動は薄れていきます。それは、演奏者としては「感じる」だけではなく、もっと深く色々な事を追求していかなくてはいけないからです。深く追求していく事によって、また違う感動も出て来るのですが、それと合わせて、最終的には最初に受けた感動を今度はいかにして、演奏を通して伝えられるかが演奏家の勝負所と思っています。
 まだ曲が新鮮な今が楽しい時です。しばらくすると、苦しい日々が長く続く事になるので、今を楽しまなくては!

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