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話の発展

Jan%2016%20_resize.jpg今日は都内でのレッスン。最初の生徒さんは娘さんが二人いらっしゃるMさん。とっても素敵な方で、心の大きさと細かな心遣いにいつも感謝しています。
しかし、今日は本当に申し訳ない事をしてしまった。一音も聞かずにレッスンの時間が終わってしまいました。あり得ない事です...。
「寒いですね」から凄い勢いで話が発展してしまい...。
                      

                                                                 
                     
Mさんから頂いた素敵なクリスマスプレゼント

『今日は寒いですね』

Mさん『自転車で猛スピードで漕いでも今日は全然暖まりませんでした。耳当てをする人がいるけど、今日は鼻当てが欲しかったですね。売っていませんけど。日本ではマスクなんでしょうね。』

『マスク文化に感激したアメリカ人の友人がいました。「あれは何のため?」と訊かれ、「自分の予防のための人もいるけど、他人に風邪を移さないため」と説明したら、その気遣いに驚いていました。』

Mさん『気遣いと云えば、ブラジル人のお友達が交差点に止まった時に「なんでライトを消すんだ?」と訊かれ、「向こう側にいる相手の人がまぶしくないため」と説明したらやはり驚いていました。』

『文化の違いっておもしろいですよね』

Mさん『ブラジルでびっくりしたのが、みなさん赤信号で車は止まらないんですよ。びっくりして、車を運転していた友達に「どうしたの?」と訊いたらブラジルでは信号で止まるとカージャックに遭うから止まらないんだそうです。だから、青信号で走っている車も注意しながら走るそうですよ。』

『そんなに危ないのかしら。でも確かに、外出する時は金銀、宝石等はしないという話を聞きました。』

Mさん『あら。でもそれはイギリスも同じですよ。時計もつけません』

『云われてみれば、そうだったかな〜?』

と、ここからが止まらなかった。お互いのイギリスでのスリ、詐欺、強盗体験の話へと発展。立ち振る舞い、身振り手振り付きです(笑)。私は運良く、ロンドンでは身の危険を感じる事には巻き込まれた事はないので今となっては笑い話に出来ますが、Mさんご夫妻が真っ昼間にリージェンツ・パークで「金を出せ」と、とてつもなく大きなナイフで脅された話には驚いた。通りかかった老夫婦と車を止めてまで助けに入ってくれた人のおかげで事なきを得たらしいが、相当に怖かったらしい。とても日焼けしていらしたご主人様が脅されて顔面蒼白になり、その後時が経っても色は戻って来なかったそうです。一夜にして、髪が真っ白になってしまったという話は聞いた事がありますが、顔の色素まで白くなってしまうんですね。

 イギリスは文化が本当に豊かで音楽家としては居心地が良くて大好きなのですが、安全面から見れば、日本は本当に住みやすい。安心して生活できるというのは今の世の中では本当は(言葉のとおり)有難い事なんだ、と実感しています。

 ところで、基本的にはレッスン中は音楽と関係ない話はしませんが、生徒によっては集中力が続かなくなった時や行き詰まってやる気をなくしている時に敢えてその子の好きな話を聞くようにしています。そうすると急に元気になって、また新鮮な気持ちでピアノに向かえるのです。ピアノを弾くという事は、普段の生活ではあまり使わない集中力を要するので、30分過ぎるとどうしても頭の働きが鈍くなってきます。メリハリはやはり大切。
  しかし、今日は不意をつかれました。「寒いですね。」の単純なひと言が...。

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