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暗と闇

雪が降るはずだったのに見事に予報がはずれ、今日は青空が広がるよい天気に。洗濯物を干しながら昨日観た映画『Ray』の事を考えていた。とっても印象に残っている場面が二つあるが、一つはレイがその後結婚する相手と一緒に食事をしているシーン。レストランで楽しげにみなが食事している中で、全盲のレイが窓の外にいるハチドリの羽音を、恋人に耳を澄ませて聴かせるという場面。
 
 私はそこまで敏感ではないが、時々散歩している時や,新しい場所に行った時に自分のまわりにいくつくらい音があるかを本当に聞き耳を立てて探したりします。本格的に「聴く」という事に集中すると、自分の周りに幾重にも音が色々とある事に驚きます。バスを待っている時等、退屈した時にすると結構楽しい暇つぶしになります。 (これを、「視覚」でも試してみた事があったが、歩いている時にあまりに視覚に集中すると歩く際の身体の上下の揺れにまで敏感になるので、ちょっと気分が悪くなります...。これはあまりお薦めではありません(笑)

 もう一つ,「レイ」で印象に残ったシーンが、7歳まで視覚のあったR.チャールズが病気で徐々に視力を無くして、ついに全盲になってしまった時に初めて視覚ではなく、自分の聴覚に目覚めるシーン。このシーンは色々な意味で心に刻まれているが、この場面を思っていて急にはっとした事があった。
 私は以前から「暗」と「闇」という漢字に「音」という字が含まれているのがとても不思議だった。何か宗教的な意味があるのかとも思っていたが、映画の中でR.チャールズが視覚を無くした時に初めて音の世界に気づいたように、『暗』という字も「音」に日が当たる、そして『闇』も「音」の世界への「門」だからではないかと急に閃いた。全然違ったりして(笑)。でも、自分なりに長い間疑問に思っていた事の答えが見つかったような気がしたので、洗濯物干の10分と云えど、とても有意義だった(笑)。

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