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ゾーン

NHKでやっている爆笑問題の「日本の教養」。本当に毎回面白くて,真剣に見入ってしまいます。今日はスポーツ心理学の第一人者との対談。音楽はスポーツと共通するところが多く、ロンドンにいた時から、色々な人からスポーツトレーニングに関する本等を薦められて読んだり、コンサートに向かう精神的な準備を試合やレースに置き換えて考えさせられたりしているので,今日の番組は本当に共感する所が多かった。
 

 特に自分の能力を最大限に発揮する「ゾーン」に関する話は常日頃考えている事の一つ。スポーツ選手と同様、コンサートでもこの領域に入れるように努力をしているのだが、これがなかなかそう滅多には入れない。爆笑問題も漫才を20年やっていて、その「ゾーン」に入ったのは3回といっていた。それは、漫才が凄い勢いで受けるだけでなく、客との呼吸がもう一致して、相乗効果でお互いに昇華して行く感じだったというような事をいっていました。
 
 私も瞬間的に「ゾーン」に入る時はあるのですが、それが長い時間続いたのはやはりまだ2回だけです。「ゾーン」の感触も人それぞれらしいが、私の場合は、とにかく自分が弾いているという意識はなくなってしまい、完全に自分も聴衆の一人として聴いている感覚です。いつも弾きながらあらゆる事に気がいってしまうのが、この時ばかりは完全に音楽に身を任せていて、怖いものが何もなくなっていたのを覚えている。自分の音楽に自分が酔っているのとはまた違って、感覚はすごく鋭敏になっているのでその場の空気を読みながらの自由な演奏でした。日々練習をしている理由の一つはその時のような自由な演奏を目指しているからなのでは...。

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