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ロンドン旅行記:4月24日(木):ラヴェルに集中

テムズ川沿いの教会でリハーサル
Church_resize.jpgやはり7;30に起床。今日も時差に苦しめられる事なく朝まで寝れたので、身体の調子が良い。

11:10にRichmond到着。昨日、早く着き過ぎたので少し遅めに出たら、地下鉄が全然来なくて、10分の遅刻。(ロンドンの地下鉄は時刻表がありません!『8;00から21:00までは約4〜5分間隔』という何とも曖昧な予定表がありますが、これも『人員が足りず、運転手がいないため大幅な遅れが出ております』等という信じられない理由で10分以上来ない事も多々あります...。)

11:15〜12:30まで一人練習。チャイコフスキーのスケールの大きさや思いの深さを残しながら、重さをなくす方法を色々と試行錯誤。ペダルを少なくしたり、和音の輪郭をはっきりさせたり...。

13:00〜17:00まで3人リハーサル。
今日は徹底的にラヴェルを。この曲はピアノのソロで始まった後に、途中でヴァイオリンとチェロが入ってきますが、前回のコンサートではどうしてもこの最初のページをフランス音楽らしく弾く事が出来なかった。自分のありきたりの音楽の後に、ヴァイオリンのRobertがいつもなんとも素敵に歌って入って来るので、いつも聴き惚れながら、フランスのエスプリを感じさせる音楽を自分が作れない事に不満を感じていました。Robertも基本的にはあまり注文を出さない人だが、この最初のフレージングだけは何回も弾いたり、歌ったり、言葉で説明してくれたりしていたのだが、どうしても最後まで納得のいく音楽には辿り着かなかった。

 しかし、今回は相当に自分も音楽面を詰めて行ったので、自分なりに良しと云える所までは持って行っていました。それでも、一緒に合わせていて、逆に誰からも悪いもいいも、コメントがないと少し心配になって来て、「フレージング(音の流れ)は大丈夫?」と訊いたらLucyが「It's beautiful」と云ってくれたので、一安心。Robertがどう思っているか訊くのを忘れてしまったが(笑)。

音色を揃えたり、流れや盛り上がりの持って行き方を考えたり。アンサンブル部分でもソロ部分でもシビアに色々と意見を云ってくれるのでどんどんと自分の演奏の幅が広がっていきます。こういう時こそ、ソロでは得られないものを手にしている実感があって、本当に楽しい。

途中から近くの教会に移ってのリハーサル。広い所で響きを聴くために。自分の音だけでなく、3人で混ざり合った音がどんどんと身になって行く感覚があって、全体像がどんどんと鮮明になってきている。

響きを確かめるためにチャイコフスキーも少し合わせたが、色々と二人もピアノの厚さをなくすための提案をしてくれました。

教会では録音していたので、帰りの地下鉄の中で聴いて勉強。弾いている時は弾く事に必死なので、録音を聴くと色々と発見があります。チャイコフスキーも認めているカットが2カ所あるのだが、それをどうしようかという事で意見が分かれていました。しかし、録音を聴いて、Lucyが目指そうとしているチャイコフスキーがさらに見えてきて、Lucyの作ろうとしている 音楽ならば、一つはカットしても良いような気がしてきました。(もう一つのカットは私が絶対的に音楽的に残すべきと思っていたので、こちらは二人が折れて残してくれました、笑)

夜は時差の調整をするために演劇「Speed-the Plow」のチケットを取っていました。もし、身体が疲れていたら無駄にしてもいいと思っていたのだが、元気なので行く事に。
上演中眠くなる事もなく、9:30頃に帰宅。

少し遅くまで起きている事が出来て、11:00に就寝。今日も充実したリハーサルで一安心。

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