Thoughts

ロンドン旅行記:4月28日(月):コンサート

ハイドン、ラヴェル、チャイコフスキーという2時間弱の長いプログラム。とってもチャレンジングな内容だったが、それぞれの曲で伝えたい事がいっぱいで本当にやりがいのあるものでした。

 

concert%202_resize.jpg日本でクラッシックのコンサートというと、観客の方が始る前に少し身構えている感があって、最初はその緊張感をほぐすのにこちらも気負ってしまうのだが、今回はレイトン・ハウスの雰囲気も手伝って、最初から会場が暖まっていた。私は今回のコンサートで一番良かったと思った事が、自然体で最初から最後まで弾けたという事でした。もちろん、日常生活的な自然体とは違いますが、制限を感じずに自分の音楽を表現出来たという事です。
 Concert%20with%20Lucy.jpg共演者との音楽上の信頼関係だけでなく、この数日間何時間も一緒に過ごしながらも、何のストレスも感じず、とても気持ちよく準備出来た事は本当に感謝な事でした。長い時間を掛けてリハーサルしてきましたが、これは音や音楽を合わせるというよりも、「相手」を良く知るためのプロセスと考えています。信頼関係も出来て来ると、冒険も出来るようになってきます。本番の時に、会場や聴衆の雰囲気を読み取って、色々と自由に表現したくなっても、共演者との信頼関係がなければ、型にはまった音楽しか出来ません。
 concert%203_resize.jpgしかし、私はライブのコンサートの一番の醍醐味はその瞬間にしか出来得なかった音楽に出会う事だと思っています。(逆に、いつ聴いても同じ演奏をする人に魅力/安心感を覚える人の方が多数派のような気がしますが...。)今回はそういう瞬間がいくつもあり、その場でその瞬間に音楽を作っている実感があった。実際の演奏内容は、まだまだ精進しなくてはと思う所がいっぱいありましたが、3人で出来る限りのベストは出せたと思うので、このコンサートに関しては思い残す事は何もありませんでした。

 最後のチャイコフスキーは曲が本当に素晴らしく、本当に感情的にかき立てられてしまう反動からだと思うのだが、面白い事に日本でコンサートをした時と同じような反応が返ってきました。とってもお得な曲だなーとを思います(笑)。自分たちも弾きながら、とてつもない恩恵を受けているのに、聴衆が大いに盛り上がってくれるので、本当に曲自体に感謝です。心も解放し切って、コンサートが終わりました。

entries

categories

archives