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ターナー賞

Turner%20Prize%20Mori%20Museum_resize.jpg六本木ヒルズの森美術館でやっていた「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」に行ってきました。ちょうど、生徒の家に行く通り道なので、毎週横目で見ながら、行きたいとは思っていたのだが、なかなかチャンスがなく「今回はあきらめよう」と思っていたところに、本当にタイミングよく生徒さんから招待券を頂きました。 

ターナー賞というのは、現代美術に与えられるイギリスの賞で、それはそれはイギリスでは一年の一大イベントとなっています。それだけ、今のイギリスの美術界(最近はヨーロッパの人も賞を取ったりしているが...)に活気があるという事です。知名度からすると直木賞の美術版でしょうか?とにかく、選ばれる作品は物議をかもすものが多く、そして本当に革新的なものが多い。最終的な賞者が決まる前に4名のアーティストが選ばれ、しばらくは誰が賞を取るかの話題で持ちきりになります。そして、賞の発表は大々的な授賞式で行われ、テレビ放映されます。

Turner%20Prize_resize.jpg今回の展覧会は、この比較的新しい賞(20年程)の受賞者達の作品を一同に集めたもの。驚いた事に、展示されている殆どのアーティストや作品を知っていたし、見ていた!懐かしささえ、感じました(笑)。ロンドンに住んでいる時はしょっ中展覧会にも行っていたが、それだけではなくアーティストや作品に関するテレビの番組や情報が常に生活の中に溶け込んでいたように思う。作品の多くはショッキングだったり、嫌悪感を感じさせるものも多いが、それはその効果を狙うものではなく、本当に生と死、私たちが存在している意味やそれに対する疑問、人の感覚や心理状態を究極的に見つめたり、社会批判など、実に生きている事と真剣に向き合っている事が伝わって来て、見ていて本当に気持ちいい。

短い人生なのだから、究極的に考えたり、感じたり、行動したいものです。日本にいるとどうしてもなんとなく生きてしまう流れに流されがちになってしまいますが、ロンドンにいる時の感覚が思いだされて、色々と頭もクリアになったような気がします(笑)。常に現実を見つめて、私たちが生きている事、生きているこの世界の事を考えなくては、と思います。

何日か前のブログで爆笑問題の太田光さんのコメントにがっかりしたが、今回の展覧会を見て、新たにこの世界での芸術/美術の果たしている役割の大きさを再確認しました。

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