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夏:ベルギーへの長い道のり

10年程前にイタリアのコンクールで親しくなったピアニストのErikに会いに行くため、ロンドンからベルギーのブリュッセルに2泊3日で行く予定を立てました。普通だったら飛行機で1時間弱で着くブリュッセルだが...。大変な目に遭ってしまいました。

飛行機の出発予定時間が朝の8時過ぎ。空港に2時間前に着くために家を5時過ぎに出ました。地下鉄もないので、どうやって飛行場に行くかに数日前から色々と調べては悩んでいたが、結局タクシーで行く事に。無事空港に6時前に着いて、カウンターに行くと「ブリュッセル空港でストがあるので、飛行機はキャンセル。午後5時にストは終わるはずだから,夜の最終便の8時の飛行機だったら乗れますが、どうしますか?」と訊かれ、選択肢もないので夜の便に乗る事にしました。相当今までの旅の疲れが溜まっていたので、よっぽど空港で夜まで休んで粘ろうと思ったが3時間後の9時にギブアップ。空港近くに住んでいる友人に電話して、夕方まで休ませて頂く事にしました。
 
そして、夕方、5時頃にまた空港に。やはり心配していた事が...。ストがまだ終わっていないという事で「明日の2時の便だったら乗せられるけど」と云われたが、そうすると着くのは夕方になってしまうし、万が一また飛ばない事も心配される。
 
「もう一つのオプションとしてはアムステルダムまでのチケットに換えて,自費になるけど、自分で電車でベルギーまで行く事も出来ますよ」と云われ、列に並んでいた前の人もそうしていたので、とりあえずアムステルダムまで行く事に。しかし、カウンターの人がチケットを新たに発行しながら「でも、40分後に出るから急いでね」と云われ、今まであんなにのんびりしていたのに、空港の端から端までを全速力で走る羽目に!!!

やっとの思いで飛行機の席に着いたら、40分程の遅れ。あんなに走ったのに、と思いながらもとりあえずその日のうちに着く見通しが着いたのでほっとしました。アムステルダムは一度も行った事がない上に何も情報になるようなガイドブックを持っていなかったので、周りで同じような目に遭っていた人達にベルギーまでの電車の事を色々と教えてもらいました。「アムステルダムの空港から直接ブリュッセルまで行けるから何も問題ないわよ」とか「アムステルダムからⅠ〜2時間くらいよ」とか本当に簡単にいけそうな感じだったので、すっかり安心しました。しかし、安心するのは早かった。。。

飛行機が遅れてしまったために、アムステルダムに着いて、駅にたどり着いた時には当てにしていたブリュッセル行きの電車が10分前に出てしまったばかり。駅の人に次の電車は?と訊くと「6:20」と素っ気ない答え。最終電車を乗り損なって、翌朝まで電車がなくなってしまった!(おまけに訊いてみたら、アムステルダムからブリュッセルまで3時間近く掛かるらしい!)

 この時点で相当へこんでいたが、しょうがないのでホテルを探す事に。もう既に夜10時近く。インフォーメションやホテルを紹介してくれるオフィスも閉まって来るので段々と不安になって来たのだが、空港内にホテルがあると云われ、駅からまた空港の一番端っこまで延々と歩いて行ってみたらゲート内のホテルと分かり、また逆戻り。

 もう10時もまわってしまったので、地図もないのに街でホテルを探さないといけないと思ったら本当に泣きそうに...。空港とつながっている駅は便利だが,逆に治安の心配もあったので空港で一晩過ごす勇気はなかった。

 ずっと、朝から携帯で友人とは連絡は取り合っていたが、通信が悪いせいか、お互いにいつも留守電になってしまっていた。最後にこちらが「電車が無くなってホテル探してるから,見つかったらまた電話する」メッセージを残したら「もうオランダまで迎えに行く!」とメッセージが来ました。ロッテルダムまでの電車が残っていたので私は一時間掛けて電車で行き、友人家族は車で2時間弱かけて来てくれる事になりました。

 ロッテルダムの駅で待つ事30分程。駅の周りを凄い工事していたので,見晴らしが悪い上に迷路のように道が行き止まりになっている場所があちこち。「今着いたからタクシー乗り場に来て」と云われ,探しまわったがなかなか見つからない。最後までこんななの〜!!!と本当にトワイライト・ゾーンに迷い込んだ気分に。

 しかし、数分後遠くの方に見覚えのある黒い人影が見えて、感激の再会!思わず駆け寄りました(笑い)。友人家族3人で来てくれていたが、他の場所にいた二人に「ここにいるよ!」と電話して涙の再会!こんなに人に会えて感激したのは久しぶり(笑)。

 結局、家に着いたのは夜1時過ぎ。友人には迷惑かけてしまったが、会えて本当に良かった。執念のベルギー旅行となりました。

余談ですが、翌日もブリュッセル空港のストは続いていました。大変な思いをしたけど、今度いつまた会うチャンスがあるか分からなかったので、無理をしたのは正解でした。


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