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昨日のブログで書いた「Do They Know it's Christmas?」のドキュメンタリーで色々と感動した事があったが、一つ驚いたのがレコーディング・スタジオでそれぞれの歌手がコーチングを受けていた事。音楽プロデューサーだったのか分からなかったが、言葉の発音の仕方や音程の持って行き方等を事細かに指導していた。また驚いた事に当時のスター達が素直にそのアドバイスに従って練習しては「これでいい?」と訊いていた。あれだけ売れに売れているトップスター達なのだから、エゴも凄いのだろうという偏見を持っていた事を大反省(笑)。大物はやはり懐が深い。

これを観て思い出したのが、十年以上も前に観たにソプラノ歌手キャスリーン・バトルのレコーディング風景をドキュメンタリーにした番組。オーケストラー、そしてトランペット奏者のウイントン・マルサリスを従えてのヘンデル作曲の「輝けるセラフィムよ」。歌い終わった後にレコーディングを聞き直す場面が印象深い。「素晴らしい!」と私も思いながら聴いていたし、バトル女史自身、プロデューサーも指揮者も満足そうだったのに一人バトル女史の歌のコーチと思われる人だけが渋い顔。「もっと輝きを表現出来るはず」と的確にアドバイスをし出した。そして、次のテイクの時にそのアドバイスに従って歌うと本当に彼女にしか表現出来ないような格段に良い「輝きに満ちた」ものになっていた。自分の中にある未知なる才能はなかなか自分では引き出せないのでは?と考えさせられました。信頼出来る人のアドバイスというのは本当に貴重だし、有難いものです。

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