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練習

%E5%BC%BE%E3%81%8D%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B_resize.jpg年末からお正月に掛けては練習三昧。いつもそうだが、生徒のレッスンのない春と夏のお休みにはいつも海外に出てしまうので、実はこの冬休みが一番家で落ち着いて練習出来る時期。それなのに...。

先日、Mちゃんと3月のリサイタルに向けての2回目の弾き合わせをしました。12月にするはずだったのが、色々な事情でずれ込んでしまったので、予定よりも曲をもう一曲増やす事にしました。今回はプログラムの残りの新曲、スカルラッティのソナタ2曲、モーツアルトのキラキラ星変奏曲、そしてショパンのスケルツォ。
 
 年末年始は相当の練習時間を注ぎ込んでいたが、自分で録音したのは弾き合わせの2日前。「なぜもっと早くに録音しないのだ!」と毎回思うのだが、練習している時点でなかなか辿り着きたい所に辿り着いていないと、全然録音する気にならないのです。しかし、人に聴いてもらうからには、そうも云っていられないので最終的には嫌々ながらする事に(笑)。

 録音してやはりショッキングな事が多く...(笑)。スカルラッティとショパンはあまりにもあっさりと表面をかすっている印象だったので、もう少しじっくりと弾き込む事に。一番困ってしまったのがモーツアルトの変奏曲で、あまりのつまらなさに自分でも愕然。生徒達のレッスンも始まっているが、残りの一日半をかけて、寸暇を惜しんで必死の修正。

そして、冷たい雨の日に弾き合わせ。「進歩は振り子のよう」と云われた事があるが、正にそれを体験してしまいました。振り子が今度は反対側に振り過ぎてしまいました。

 モーツアルトに関しては「色々と盛りだくさんすぎて聴く方は混乱しちゃうかも」といわれ、「逆に曲が本来持っている変奏のキャラクターの違いがかき消されているから、そんなにいじくらなくてもいいかもね」というコメント。不自然にならずに変奏を生かすアイディアを色々と提案してくれました。スカルラッティとショパンに関しては「いつもとは違って随分と落ち着いた演奏だね」と云われ、「2日前にレコーディングしたら勢いしかなかったら、今日はそれを狙っていた」といったものの、帰り道の電車の中で録音を聴いて、またもや愕然(笑)。あまりの緊張感のなさにびっくり。落ち着きどころかダレにダレまくっていて何とも締まりのない内容でした。

Mちゃんの様々なコメント、それから彼女の演奏や自分のレコーディングの事を考えて、今日は大きく練習を修正。急に「コンサートで弾くための練習」がどういうものかを思い出したかのようにエンジンが掛かった。
 音の立ち上がりから、流れや勢いに対しての緊張感が全くなかった事を痛感。このお正月、いかに中身の薄い練習をしていたかを反省。しかし、今気づいただけでも本当に良かったと思っている。あの怠惰な練習があったから、逆に今すぐ切り替えが利くのだが...。
 
 それにしても、Mちゃんの存在に本当に感謝。しばらく大きなコンサートをしていなかったので、自分の演奏スタイルを忘れていたが、彼女のお陰で思い出した。
今日はほぼ一日中練習していたが、やっといい練習をしたという実感がある。これでやっと3月のコンサートに向けての軌道に乗れそうです。

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