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凄い人

先日、初めてピアニストの野平一郎さんの演奏をコンサートで聴く機会がありました。
あまりの上手さに驚きました(笑)。

有名なのでお名前はよく聞いていたし、あらやる所で写真も拝見していたが、想像していたイメージとは全く違っていた。いつも拝見していた写真は結構色見のない冷たい感じのものだったのと、作曲家でもあるので理屈っぽい演奏なのかと思い込んでいたが、そのあまりの素晴らしさに大感動してしまった。

コンサートは前半がヴァイオリンとチェロとピアノのトリオにヴァイオリンとピアノのソナタ、そして後半は弦楽四重奏という室内楽のコンサート。実はヴァイオリンのHさんが一番の目的だったが、演奏が始まると野平さんの音しか聴こえなくなってしまった。

まず、驚いたのが調弦のために弾いたラの一音。あまりの美しい音にすでに演奏が始まる前に「凄い人かも!」と思わされてしまった。そして、弾き出すとこの直感に間違いはなかった。とにかく音が美しい。考えずに弾く音はもちろん、勢いに任せて音楽から飛び出てしまう音が一音もなかったように思う。そうかといって、おとなしい演奏では決してなく、内なる情熱を終止感じさせる流れがあった。作曲家だから当然といえば当然なのだが、構成も素晴らしく、曲を完全な形で見せられた感がある。音も間も、楽章間の譜めくりに至るまでもが本当に完成された音楽となっていた。

日本にこんなに凄い人がいるんだな〜と嬉しくなりました。自分の演奏も全然違う角度から見れるようになって、新たな発見が次から次へと出て来ていて、練習が楽しい。こんなにピアニストから刺激を受けたのは本当に久しぶり。今、とっても張り切ってピアノに向かっています。

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