Thoughts

凄い才能

凄い才能といえば、先日アメリカのヴァン・クライバーン・コンクールで優勝した辻井伸行さん。遅ればせながらその凄さに感動しました。

先日、楽譜を買いに銀座のヤマハに行ったら、辻井さんのDVDの宣伝として、そのDVDを店頭で流していたが、時間も忘れて見入ってしまいました。今まで、テレビやCD屋さんでも映像を観ていたが、いつも演奏自体はほんの少ししか映していなかったので、彼の素晴らしさがそこまで分からなかった。しかし、改めてじっくりと、見る/聴くと本当に凄い。ここ数年なかった感動をしました。

何が一番凄いと思ったかというと、とにかく肉体的な壁を全く感じない。一般的にテクニックの限界や身体や精神的な癖というものが演奏に出て来てしまって、本来の純粋な音楽に良いにしても悪いにしてもゆがみみたいなものが出て来るのだが、辻井さんの場合はそれが全くないように感じました。完全に音楽だけが存在している世界が完成されている凄さ。作曲家が楽譜に書き落とす前の作曲家の頭/心の中の音楽を聴いているよう。完全に自由である音楽が羨ましい。おまけに彼自身から溢れ出ている情熱と喜びが音楽を通してこちらにまで伝わって来て、聴いていて何とも気持ちがいい。

日本人である事は誇らしい事かもしれないが、あそこまでのレベルに行ったらそんな事はどうでも良い事のように思う。人間として、あそこまで昇華出来る事が本当に素晴らしい!

entries

categories

archives