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リサイタル色々:Romanceへの誘い

今回のリサイタルには初めて副題を付けました。今まで付けようと思った事がなかったのだが、今回のコンサートの発起人のKさんに付けた方がいいと云われたのがきっかけでした。「ロマン派の曲が多いからそこから何か」と云われたのだが、なかなかしっくりと来るものがなく、相当悩まされた。

コンサートが決まり、早い段階での打ち合わせの時にこの副題について5人で知恵を絞ったがなかなか決まらず...。私は英語の「ロマンス」と云う言葉が持つ意味をぜひ使いたかったのだが、日本語で使われる「ロマンス」と英語で使う「Romance」のニュアンスが全然違う。(当日配った挨拶文にはこの違いをもっと詳しく書いたのだが)「ロマンス」いう日本語はあまり日常的には使われないし、「ロマン」というと「男のロマン」とよく使われるが全然違う方向に進んでしまうという話になり、結局この話し合いをもとに何日間か考えていました。Oさんも提案して下さった「アルファベットにしたら...。」というのは私も考えていたので、結果「Romance」を使う事になりました。

そして、そのあとの言葉も相当2案の間で揺れていました。
「Romanceへの誘い」、そしてもう一案が「Romanceに誘われて」。
「Romanceへの誘い」の方が、作曲家からの直接的な誘いのような感じがするという理由で、最終決定したように思う。

チラシに書かれた最終的な副題。副題と云うのは思わぬ効果があるんだな〜と実感しました。色々な方がこの副題を口にするのを聞くとこの「Romanceへの誘い」が一人歩きしているような、とても不思議な気分に。「Romanceに誘われたいわ〜」と云って下さる方が多く(笑)、半分冗談でも、少し想像力をかき立てられるような要素があるのかな〜と内心副題の威力に感心していました。

そして、コンサート後も色々な方が「Romanceに誘われて幸せな時間でした」「Romanceにどっぶり浸かりました。」と云ってくれたのが凄く印象的です。実態のない音楽のイメージをつかみやすくしてくれているのかな〜とつくづく思う。

Kさんのひと言で付けた副題のおかげで今までになかったコンサートの幅が少し広がったような気がします。

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