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アメリカ旅行記:ニューヨーク地下鉄 Ⅱ

Subway%20opera_resize.jpgいつもニューヨークに行くと駅や道で歌ったり演奏したりしているストリート・パフォーマーのレベルの高さに驚きます。夢を追いかけて来ている人が多くて競争が激しいせいか、あまり下手な人というのがいないような気がします。(その点ロンドンは訳の分からない人もいて多種多様。)今回は冬だったせいか、2、3人しか遭遇しなかったのだが、オペラを歌っていた変わり種がいました。

アジア系の50歳くらいの男性で声はテノール。声質も良いし、音量も大きく、汚い地下鉄の駅にいながら、とても優雅な気分になりました。今のコマーシャリズムに乗っているオペラ歌手まがいの有名人達に比べたらよっぽど上手いし、心に響くものがありました。最近特に日本人にしろ外人にしろ、言葉や音楽的な意味はそっちのけに息継ぎをするためやドラマチックな効果をつくるためにやたらとフレーズをあちこちで好き勝手に切られるのがとても気になります。

その点、この地下鉄の方はフレージングもとってもきれいで、曲想も考えていて、とっても丁寧に一つ一つの歌を歌っていました。本格的なクラシックのトレーニングを受けたと思われるこの人がこの歳(若いうちはみんなやる事だが...)でもなぜ地下鉄で歌っているのか、色々と考えさせられたが、駅では多くの人が足を止めては聴き入っていました。「本物の音楽」は有名無名問わず、意外な所に存在したりするんですね。

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