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ニューヨークでのリサイタル Ⅰ:映画「バーレスク』

やっと少し心の余裕が出て来たので、ニューヨークの話を少し。

3月の大地震の後にニューヨークでリサイタルがありました。
こんな時に日本を出るべきなのか、コンサートをするべきなのか、と色々と迷いがありましたが、色々と考えた末に結局予定通りニューヨークに行く事にしました。

震災直後は余震も多く、計画停電があったり、テレビでは連日の津波映像や家族再会の感動映像、原発の全く予測の付かない状況に精神的にとても不安定でした。練習も停電の時は寒い中、暗い中ロウソクの光の中何とか続けていましたが、しかし何よりも、テレビで見た行方不明の親族を捜している人達の映像が練習中も心に浮かんでは泣けて来てしまうのでなかなか集中出来ません。こんな時にピアノを弾いている場合なのか、と疑問に思ったり...。しかし、震災後すぐには自分が何か直接的に役に立つ訳でもなく...。そんな中、何とか成田(この時期は空港まで行くのでさえも様々な壁が...)まで行き、そして飛行機に乗りました。

コンサートは準備に色々な人が関わっているので、やはり携わっている方々に迷惑をかけてはいけないというプレッシャーがあります。ニューヨークまで辿り着けるのだろうか、という不安さえもあったので、飛行機に乗って初めて、少し肩の力を抜く事が出来ました。

そして、飛行機の中で素晴らしい映画を観ました。
バーレスク」というミュージカルで、クリスティーナ・アギレラが主役。アギレラは遅ればせながら名前は知っていたが歌をちゃんと聴いた事がなかった。なので、この映画を観て超びっくり。こんなに凄い人だったんですね!!!かっこいい!そして、全身全霊で歌っているその姿に本当に感動しました。この映画一本でとてつもない元気と勇気をもらえました。今までの不安や心の迷いも消えて、ニューヨークでは自分の出来る限りの演奏をしょうとつくづく思えました。

映画、音楽、歌、芸術は本当に意味があって、凄い力があるのだと実感出来て、救われた思いでした。

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