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現在=3秒

昨日、夜中にやっていた指揮者カラヤンのドキュメンタリーで特に興味深かったのがカラヤンが科学者とのコラボで「現在」という事を解析していくという場面。楽器奏者に色々な器具を付けて調べていくのだが、どういう風に結果に辿り着いたのかは詳しくは説明してくれなかったが、人にとっての「現在」は3秒だそう。瞬間的なものではなく3秒もの間を「現在」と感じるのが面白い。

最近のマイブームが「本気」だが、この「現在=3秒」を聞いてとても納得がいく。ピアノだけでなく、本気で何かに向かうという事が何かと云うのをずっと考えているのだが、この「現在」にいかに自分の全てを投じる事ができるかということなのだと思う。ピアノの事でいえば、長い、スケールの大きな曲が好きなだけに、自分の「本気」が長さや大きさに薄められていたように思う。今は現在の3秒に全てを投じる感覚を思い出している感じで練習している。(子供の頃の方が構成やスケール感なんて考えずに弾いていたので、瞬間瞬間に自分の全てを凝縮して弾いていたように思う。)

「本気」も色々な形がある事も発見。最初は殺気すら感じるアグレッシブなものばかりになっていて、自分でも相当押しの強い怖い音楽になっていた感があったが、最近はそればかりでない柔らかい、優しい「本気」モードも見えて来ました。

相当曖昧な文章になってしまった。
読んでいる人は分かるのかしら...(笑)。

「本気」になった時の音楽でもう一つの発見は、申しわけないが丸っきりお客さんというのを意識していないという事。メッセージ性やいかに美しい音を、とか、感動させたいとか、いかに分かりやすく、伝わるように、というのも全く考えなくなってしまった。

作曲家さえも今は消えている。今までの身に付いた知識や感覚を信頼して、自分と「音」しか存在しない音楽。しばらくはこれで試行錯誤してみようと思う。

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