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クラシックの真髄

今日は本当にいいものを聴き/観ました。

%E5%AE%89%E7%94%B0%E6%AD%A3%E6%98%AD%E3%81%95%E3%82%93_resize.jpg20年程前にイタリアのコンクールで一緒になった安田正昭さんのリサイタルが上野の東京文化会館でありました。(それにしても、やはり文化会館の小ホールは雰囲気があっていいですね。)ブログにも書いたが、数年前に音楽情報誌で安田さんのリサイタルの広告を見付けて聴きに行ったら、あまりに素晴らしくて大感激。最後に弾かれた「展覧会の絵」は圧巻で、あのただでさえ高い小ホールの天井が吹き飛んで天を仰いでいるかのような演奏でした。

なので、今回もまた偶然に見付けた広告でいそいそと出掛けて行きました。素晴らしいのは分かっているのにまたもやぶっ飛びました(笑)。超自然体なのに淡々と凄い事をやってくれているのだ。情熱的で、思慮深く、詩的にして知的な演奏。甘さや自己陶酔が全くないのに温かみがある。人間に本来備わっている全ての要素が最大限に無理無く音楽を通して聞こえて来る。
コマーシャリズムに侵されたコンサートが多い中、こんなにもクラシック音楽と真剣勝負をしているコンサートは少ないように思う。これこそがクラシックの素晴らしさなのだ!と思わせるリサイタルでした。「飽きないよね」と隣に座っていた人が云っていたが、本当にそうで、奇抜ではないのに、即興に近い完全に自由な演奏で、次に何が来るのかが全然予測がつかない。それなのに音楽がちゃんと見えて、分かりやすい。弾く姿も美しく、色々と動き回って弾く人は何なんだろう、という気にまでなって来てしまいました。

終わってからの皆さんとのご挨拶もとても真摯で、一人一人と堅い、厚い握手をされていました。見た目が柔らかいだけに、その情熱的な演奏には驚かさられるのだが、音楽家として、人間としての良い所取りで本当に羨ましい限り。

しょっ中、リサイタルをする方ではないが本当に純粋にクラシックの素晴らしさを体験したい方はぜひ安田さんのコンサートをチェックして下さい!

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