Thoughts

8年

東日本大震災から8年。
今日も鎌倉では神道、仏教、キリスト教の3宗教が共にお祈りを捧げる追悼・復興祈願祭が行われました。今年は私がいつも行っているカトリック雪の下教会で行われ、お手伝いに。それぞれに宗教は違えど、思いは一つ。
本当にたくさんの方々が心を一つにしてお祈りを捧げました。

長野でのリサイタル Ⅱ

2%3A16%E8%8A%B1%EF%BC%88%E5%A4%89%E6%8F%9B%E5%BE%8C%EF%BC%89.jpg今回のコンサートは祝賀会を兼ねたものだったので、始まる前から会場の雰囲気がとっても和やかでみなさん、とっても楽しそうでした。すでに場が温まっているので演奏者にとっては何ともありがたい。

サロン・コンサートではトークが入ることも多いが、長いリサイタルプログラムではトークとの両立はかなり難しい。フリートークが理想なのだが、自滅することもあるので、今回はかなり綿密に台本を作りました(笑)。(私にとってはピアノを弾くことよりもトークの方がかなり大変。。。)

今回のコンサートに来てくださった多くの方がクラシックのコンサートにいらしたことがないということだったのだが、とにかくお話も演奏もとても熱心に聞いてくださっているのがひしひしと伝わって来ました。最初のスカルラッティーはそんなに感じなかったのだが、2曲めのシューベルトを弾き終わった時の拍手がすごい波のように襲って来て、逆にびっくりしてしまいました(笑)。こんなにも一所懸命に拍手してくださって、私の方が大感激。そして、そのあとにコープランド、最後に30分のブラームスの大曲と続きましたが、最後まで一体感のある本当に充実した時間/空間だったように感じています。

あのシューベルトを弾いた後の拍手は今でも体の中の記憶に残っていて、「これからまた頑張ろう!」という励みになっています。音楽は「何か」を伝えてたくてこちらも全てを掛けてコンサートに挑むのだが、今回はとにかく聴いてくださっていたみなさんから頂いたものがとてつもなく大きかったです。自分のピアノに関しては色々と思うところがあるが、コンサート全体を考えると本当に素晴らしい、良い思いしか残らない感謝な時間でした。

長野でのリサイタル Ⅰ

書きたいことがいっぱいあるのに、なかなか書く時間がない。。。
とっても久し振りのブログです。

先月、久し振りに日本でのリサイタルがありました。
昨年から話が出始めていたこのコンサート。以前からいつも音楽的にサポートしてくださっていている方のお祝いの会の始めに、「1〜2曲弾きましょう」、というのがどんどんと大きくなり、最終的には長野での1時間半弱のトーク付きのコンサートになりました。ゲーテの有名な言葉が思い出されるのだが、一人、二人の思いから始まったものが、あらゆる事や人のご厚意により、その思いが広がり、大きなものに発展していったのを本当に目の当たりにしました。そして、演奏する側にとってこんなにも最初から最後まであらゆることが上手くスムースに運んだコンサートも珍しい。本当に感謝でした。

長野の竹風堂さんという和菓子屋さん内にあるホール。去年の秋に下見に行きましたが、木と和紙に統一されているこだわりの内装で、入った瞬間に人を包み込むような温かみがありました。ピアノも小さいながらも、ホールにはぴったりの大きさで、ピアノとホールの音響的な相性も抜群。こんなにも弾いている人にとって弾きやすい音響はなかなか珍しい。天井が弧を描いているのと、床の木がイギリスから輸入したという硬い木らしいのだが、それにしてもこんなにいい音響になるのは奇跡に近い(笑)。音響だけはどんなに計算しても、建物が出来てみないと分からないという話をさんざん聞かされているので、このホールはかなりラッキーだったと思う。

長野にはコンサート前日から入り、リハーサル。ホールでのリハーサルは寒いことが多いので、長時間になっても大丈夫なようにホカロンやレッグウォーマー、暖かい飲み物などあらゆるものを用意して行ったのだが、着いたら、ホールはとても暖かくなっていて、超快適。トーク用のマイクもすぐに使えるように準備してくださっていて、何のストレスもなくリハーサルをすることが出来ました。階下には甘味屋さんの喫茶もあり、そこで休憩に栗あんみつを。甘い物好きの私としては、美味しいものでまた元気になって、さらに張り切って練習することが出来ました。5時間近いリハーサルでしたが、とても充実した清々しい気持ちでホテルに帰って来ました。

翌日は朝、8時過ぎにまたホールで練習。そして、調律。ピアノは前回下見に来た時にも思ったのだが、私の好きな調律だったので、ほとんど注文をすることもなく調律師さんにお任せ。なぜに前回も今回も調律がこんなにもいいのかしらと思ったのだが、調律師さんに聞いてみたら、一年に30回近く調律しているそう!これにはかなりびっくり。(家のピアノの調律は通常年に2回!)本当にいつも良い状態にしてくれていること(愛されていること)をピアノが喜んでいて、それに応えてくれているんだろうな、と思いました。

ホテルに戻り、少し休んで、そして、午後、いよいよ本番。
%E7%AB%B9%E9%A2%A8%E5%A0%82%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%EF%BC%88%E5%A4%89%E6%8F%9B%E5%BE%8C%EF%BC%89.jpg


2019!

新年明けましておめでとうございます!
この一年が全ての人にとって、平和で良い年となりますように!

7年

2018_3_11_resize.jpg7年目の3月11日。
今年も鎌倉では大仏のある高徳院で鎌倉宗教者会議による東日本大震災追悼・復興祈願祭がおこなわれました。神道、仏教、キリスト教が宗教、宗派を超えてお祈りしました。14:46の黙祷では、自然さえも悲しみを感じ取っているのか、山が周りにあるにも関わらず、鳥や虫さえも鳴いていない。亡くなられた方々のご冥福と、深い悲しみを抱えている方たちに平安があるように心よりお祈りしています。

千差万別

もう3月になってしまいました。。。
ここ数週間、色々なコンサートに行く機会があり、本当にクラシック音楽といえど、表現方法は千差万別なんだな〜とつくづく感じています。こんなにも選択肢があるのだな〜とも思う。結局、表現したいものも、表現の形も、その人一人一人が選択して磨き上げて来たものであって、そこには好みはあるかもしれないけど、良し悪しはないのでは、とも思えるようになって来ました。少しは歳と共に丸くなって来たということかしら(笑)。

その中でも、毎年とっても楽しみにしているコンサートがある。ブログにも何回か登場しているイタリアのコンクールで20年以上前にお会いした安田正昭さん。本当に素晴らしいピアニストさんで、毎回感動してしまいます。
そして、また今年も大きな期待と共に会場に足を運んでしまったにも関わらず、その期待以上のものを頂いて来ました。
なぜにこの人はこんなにも素晴らしい音楽を作れるのかしら、という驚きすらあります。ベートーベンに始まり、シューマン、そして後半がメシアンの大曲。プログラム運びも素晴らしく、徐々に徐々に音楽の奥へ奥へと道案内をしてくれます。前回のリサイタルの時に、隣に座っていた方がお友達に「全然飽きないのよね。」と言っていたのが聞こえて来たのだが、本当に音楽が明確に見えて来るので、飽きることがない。ベートーベンはベートーベン、そしてシューマンはシューマンとそれぞれの作曲家がくっきりと見えて来るのも凄い。そして、ピアノの魅力を最大限に聴かせてくれるのもピアニストとしてはとってもに嬉しい。ピアノが本当に喜んでいるんだろうな〜と思えて来る(最近行った世界的にも有名なピアニストのリサイタルでは、「そんなにピアノをいじめないで〜!」と辛くなってしまうほど、打鍵の跳ね返りが聞こえるくらいにピアノを叩いていた人もいたけど。。。)。
 たまたま個人的な繋がりがあったからコンサートに行くようになったのだが、こんなにも素晴らしいピアノ/音楽を生で聴けるのはラッキーとしか思えません。
「音楽は素晴らしい!まだまだ、ピアノ、これからも頑張りたい!!」と思わせてくれる本当に素晴らしいコンサートでした。

何?

昨日は1日に3つのコンサートをする予定になっている友人Mさんが家に来て、そのリサイタルプログラムを弾いてくれました。バッハからシューベルト、ベートーベン、ムソルグスキー、ショパンと本当に盛りだくさん。レパートリーもそうだが、音楽表現もとても幅広く、何十年と彼女の演奏を聴いているにも関わらず、また新たな面をたくさん発見できました。いつ聴いてもMさんの音楽のフレージングの美しさとセンスの良さには唸らされます。

演奏のつくづく面白いところは(特にピアノがそうなりがちだと思うのだが)自分で一生懸命にやればやるほど、自分で何をしているのかが見えなくなってしまって迷宮入りしてしまう事が逆に多くなってしまう気がします。なので、ちょっと人に聴いてもらって、感想を言ってもらうと自分でも気付かなかったことにハッとしたり、違う視点からものが見えるようになれる事があったりします。良かれと思ってやっている事が逆に裏目に出たり、逆にあまり思い入れをしていないところが良く伝わっていたり。どうしても演奏者と聴き手の感じ方の違いはあるので、人に聴いてもらうというのは本当に大切だなと思っています。彼女も私が言った感想で新たな発見が色々とあったようで、「鋭いね〜」「素晴らしい耳!」と褒めてくれました(笑)。

今回の演奏プログラムでも話は大いに盛り上がったのだが、彼女が関わっている仕事でアメリカの作曲家ジョン・ケージの「4”33」という曲の話題になりました。これはピアノの前に座り、ストップウオッチで4分33秒を図りながら、全く音を一つも弾かない、3楽章からなる曲です。ギャグの対象になりがちな曲だし、実際に弾こうと思った事が一度もないので、あまり深く考えた事がなかったのだが、昨日色々と話しているうちにかなり気になりだしてしまいました。昨日はMさんの今度のコンサートで弾くことだけでなく、色々と話すことも多く、長い長い1日になり、夜も遅かったのだが、彼女が帰ってからも、ジョン・ケージのこの曲についての記事をネットで検索して読み漁り、インタビューまでもをいくつか見てしまいました。この曲だけでなく、ジョン・ケージの姿勢に考えさせられているのだと思うのだが、『「4”33」は何なの?』という思いよりも、では、「私はバッハやブラームスを弾いて何をやっているの?」というところにまで発展してしまい、今日は考えがぐるぐる回ってしまいました。こんなに考えさせられるだけでも、この曲は本当に凄いな〜と思ってしまうようになりました。本当に音楽って何だろう。。。

(素朴な疑問だけど、なぜ「4"31」でもなく「4"40」でもなかったんだろう。3楽章あるというのも衝撃だったな〜。。。)

Happy 2018!

新しい年となりました。
世界平和を本当に切実に願うばかりです。
みなさまにとって良い年、そしてみなが世界を平和へと向かう年に心からお祈りしております。

森林浴

昨日、恩師のリサイタルがあり、浜離宮ホールへ。オール北欧プログラムで、デンマークはC.ニールセン、フィンランドはシベリウス、そしてフィンランドの血を引く先生ご自身の作曲された曲、ノルウェーはグリーグを取り上げた渋いプログラムでした。一曲も馴染みのない前半でしたが、一つ一つの音を本当に丁寧に真摯に作り上げていらっしゃる先生のピアノに本当に背筋の伸びる思いで聞き入っていました。ピアノに対する姿勢や生き方までもを問い正された気がして、もっともっとやはりピアノに真剣に向き合わないといけない、とつくづく思わされました。

そして、後半のグリーグの「抒情小品集」。とにかく次から次へと北欧の美しい情景が見えるだけでなく、空気感や色や匂いまでもが感じられる素晴らしい演奏でした。大分前にロシアの有名ピアニストPさんのオール「抒情小品集」プログラムを聴きに行ったことがあるのだが、その時は何てつまらない曲集なんだろう、と思って帰ってきました。きれいなメロディーが並んでいるだけで、最初は何となく気持ちよく聞いていたのだが、10分もすると飽きてしまい、2時間近いコンサートが本当に苦痛となってしまいました。そして、つい最近、偶然なのだが、この作品集が好きな友人が「いつか弾いてほしい」とCDをくれたのだが、やはりあまり面白いとは思えませんでした。

しかし、今回の先生の演奏を聞いて、初めて、この曲の素晴らしさが分かりました。本当に一つ一つの作品は全く違う「抒情性」を持っており、作品ごとにこちらの感じるものも違うので、全く飽きることがありませんでした。昨日は東京は雨で、空もどんよりと黄色い色をしていましたが、グリーグが始まると、一気に透明感のある済んだ空気の中の真っ青な空と緑と深い青い水の情景の中にいるようで、本当に森林浴をしている気分になってしまいました。
何も映像がないのに、音だけでこれだけの情景を作り出せる先生は本当に凄いな〜と感激しました。こんなに素晴らしい先生にずっと習っていたことが本当に感謝で、これからも先生のように真摯にピアノと向き合い、精進しなくては、と思わせて頂けた素晴らしいコンサートでした。

1000人に1人

急に寒くなってしまい、再び鎌倉は金木犀の香りが強くなって来ました(笑)。あの金木犀は気温に反応して香りを出すのかしら?

芸術の秋というだけに、コンサートに行く機会がとても多い。同じクラシック音楽といえども、演奏スタイルは千差万別で、色々と芸術脳が刺激されています。

そんな中、先日サントリーホールのブルーローズで本当に素晴らしいコンサートを聴くチャンスがありました。ロンドンを拠点に活動しているヴァイオリニスト、Rose Hsein(ローズ・シェン)。2年前に友人のピアニストが一緒にコンサートをした時に譜めくりをする機会があって、初めてローズちゃんの演奏を聴いたときに大感動し(2年前のブログにも登場)、また聴けるのを心待ちにしていました。
今回がオフィシャルな日本でのデビューリサイタルでしたが、「音楽とはこんなにも魅力的で面白くて楽しい!」と思わせる素晴らしい演奏でした。情熱的でありながら、それがオーバー過ぎず押し付けがましくない。20代にも関わらず、知性と感性のバランス、品格、そしてリスクを恐れない器の大きさが20世紀初頭の巨匠たちを彷彿とさせる。2年前の初々しさは無くなってしまったが、スケールが大きくなり、華も出て来て、本当に前とはまた違う感動がありました。
後から聞いた話だが、ローズちゃんの先生はロンドンのギルドホール音楽院の教授を30年以上勤めている方だが『千人に一人の才能』と語っているそう。
納得。


entries

categories

archives